備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

「想定外」に思う

2011-03-31 23:55:17 | Weblog
『若手備前焼作家による関東東北沖大地震復興支援チャリティー』に関する会議がありました。
本日は、前回の会議からの持ち帰り案件を照らし合わせて、全体の流れを確認。

小生の担当するお仕事は、まぁ、正味のところ今日からとなった。


会議後、夕方から一気に、リスト整理・資料等を制作して、しかるべき対応先への連絡等々をガシガシこなす。久しぶりにPCを事務的に活用。う~ん、ワードって久しぶりじゃないか。あとは、ドローイングソフトやエクセルも同時並行。

しっかし、便利ですな~。

学生の時にこの環境があれば……。もっと遊んでいただけに違いない。┐(-。ー;)┌


今日、会議で「こういう事も想定しておきましょう」と誰かの発言があって、それが何か心の中で引っかかっていて……。


テレビなどで聞く『想定外』という言葉の使われ方について若干思うことを。

これって、前にも書いたけれど、会見などで技術者側の使う「想定外」と、それ以外の方(テレビ出演者)が使う「想定外」とでは意味が違っている。

技術者的には「起こりうるが、非常に稀れなので設計条件として設定しない」「起こらないと考えていた」「ゼロと見做す」という意味で、統計における誤差(=無視できる数値)に近い。
テレビの人達は「想像力に欠けていた」「備えたつもりだったが及ばなかった」といった意味に使っている。

・「想定外の予想はしていなかったのですか?」と問われると。「はい」となる。
 (無視できる数値なので無視した。のであるから)

・「想定が甘い」といわれると、「いいえ」となる。
(想定外は存在しない対象であり、それ以外(想定)は存在している。甘いとか渋いではない。在るか無いかだ。)

ここで、概念が違いながらも話が噛み合ったようになると、延々と意味が違う事を言い合い、最後には紛糾する。

そもそも理系連中って言葉足らずの場面が多く見受けられるし。文系連中の『意訳』は誤解を生み易い。また、精通している人ほど正確を期す為に慎重に言葉を選ぶので、断言を避ける。それが、歯切れ悪さと受け止められて心証が悪くなる。で紛糾。

他にも、取扱説明書の妙な言い回しやPC操作中の恐ろしげな警告文などにも、こういう関係性が原因していると思う。


「誰か説明してやりなよ!」って思うんだけど。
統計を扱う文系・最終的に言葉を使う理系あたりの解説が必要だと思うな。

『理系と文系の間には暗くて深い河がある』のだ。男と女だけではないのですぞ。


ヤキモノ屋は、釉薬を扱う人々は結構理系寄り。……備前焼屋はロマンチストが多い。最近は理論的な整理が進んできているけれど。
施釉陶の人と話が噛み合わない場面が多いのは、アチコチで経験済みである。
(小生がロマンチックであるかないかとは別。)

釉薬と焼き締めの間には……(モウ、エエカ……)


さてさて、若手備前焼陶芸家達のチャリティー開催への想いは、例えロマンチックな発想からであったとしても、復興への願いはしっかりと現実を想定しています。


4/4(月)11:00~。イルカの広場。


お買い上げ頂いた際のお代金は、お客様自身の手で直接、赤十字の募金箱へ入れて頂きます。皆様の御志はそのまま被災地へと繋がります。


さて、ボチボチ忙しくなりますかな……。(これは想定内)