ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

時代

2013-06-22 20:52:42 | 日記
                          しょうわという時代

                       しょうわは
                       すでに
                       しんだか
                       しんだふりを
                       しているのか

                       一人ひとりが
                       つぶやく
                       今

                       唱和する
                       大合唱
                                                                     
                       こころが小さくなれば
                       大合唱で
                       大きくなった気がして
                       
                       しょうわは
                       大きな傷跡

                      
                       いこん
                       いごん
               
                       壕の中に
                       埋まる

                       たいしょうは
                       しんだ
                       ただただ黙して
                       そのはらに
                       おさめて
                       しんだ

                       いえない
                       いこん
                       いごん

                       「県民
                        各たたかえり・・・」

                        たいしょうは
                        耐え
                        その背中と
                        腹に
                        すべてを飲み込み
                        
                        暗い壕に
                        持って行った

                        しょうわをいきたのに
                        たいしょうは
                        何も語らず

                        その
                        傷跡の深さに
                        いつも
                        いたみ

                        かなしみを
                        かみしめて
                        くちびるをかみ

                        ただただ
                        とじた

                        この
                        焦燥

                      

                       
                     
                 

7月になれば・・・

2013-06-19 09:31:37 | 日記
                      7月の行事

                 
                 冷蔵庫の中の
                 ひからびた
                 タクワンたち
                 4年前には
                 刻んで
                 おにぎりの中
                 病院の外来の
                 長椅子で
                 食べた


                 準備をしなくては
                 急いで
                 玄関をおそうじ
                 部屋の中をお片付け


                   かえってくるから
                   いえ
                   かえってはこない
                   このうちに
                   ずっといる
                   いつもしったげきれい
                   めそめそが
                   きらいだったから
                   ふりかえって
                   こうかいするのが
                   すきじゃなかったから


                 講演会に行きましょう
                 代わりに
                 お話を聴き
                 薬膳料理をいただきましょう

                 3年忌の7月に

                 
               

                 

さかなが思うこと

2013-06-16 14:04:39 | 日記
                       網の中の魚

                    明日の朝
                    未来の入り口
                    みたことのない時間
                    だけれど
                    きのうの続きの
                    時間を歩く
                    戻ることがない

                    明日の朝
                    過去の出口
                    いってらっしゃい
                    ただいま
                    で
                    また会う
                    過去から連綿として続く
                    つながりの中で
                    鎖
                    DNAの二重螺旋
                    ねじれて
                    よじれて

                    ポジティヴシンキングは
                    きんきらきん
                    ときにはいいかもしれない
                    セレトニンがね
                    
                    だけどね
                    いいとこだらけかな
                    食べ残しの腐った生ごみはでるし
                    悪玉菌の塊は腸から押し出されて
                    くるし

                    こんなふうに
                    過去と未来が
                    毎日何もなかったように
                    繰り返しやってくるのは

                    とても
                    平和で
                    幸福な
                    ことかもしれない

                    何も考えないように
                    仕組まれた

                    理不尽な網の中で
                 
           

ざるをもって・・・

2013-06-12 17:56:18 | 日記
                            ざる


                        漏れていく水

                        
                        流れでる
                        汚れていく

                        
                        どろどろ

                        
                        あふれでる
                        あぶくの山
                        あわは    
                        あやしく
                        あぶなく

                        
                        汚泥の
                        メタンのにおい

 
                        色は
                        おどろおどろしく

                        
                          こんなにも
                          夢の
                          描いた色は
                          虹色の
                          鮮やかな
                          空にかけた
                          橋
                          
                          おいしい果物と
                          ケーキと
                          きらきらと
                          ひかりあふれた
                          金色


                        そこは
                        息がつまる
                        暴力と
                        けだるく
                        うだる
                        空気が
                        支配して
                        廃墟
                        体液の
                        腐敗した

                        悲しみに
                        共感しない
                        しらばっくれた
                        無関心の
                        虚無

                           美しい女性が
                           ヒールの音をたてて
                           その床を横切った

                           レストランは
                           無国籍
                           西洋の絵と
                           ミニチアダックスフントに
                           水を
                           皿に
                           わけてやる


                        なぜここにいる
                        現実を
                        知るためなのか
                        単なる好奇心からか

                        水が流れたあとの
                  
                        どろの重さ
                        おどろおどろしい

                        泥水が
                        ながれる

                        ざる
                                               
                        


                        
                        
                        

                       
                          
                          

                        

りゅうきゅうのひと

2013-06-12 10:34:03 | 日記
                             りゅうきゅうのひと


                      坂道を行けば
                      庭園の中
                      6月の雨のない
                      空の下

                      紫陽花の葉は
                      うなだれて
                      乾いている

                      ぼられているような気がする
                      夕食は
                      しゃれたゼリーの野菜サラダ
                      オクラは
                      丸ごとがおいしいけどね
                      きゅうりも
                      ぼりぼり食べたいね
                      ゼリーの周辺に巻いてもね
                      
                      御公家様の
                      食事だね
                      見た目を楽しむ
                      桜色の
                      ソース

                      シャンデリアの下
                      野暮天は
                      周囲に溶け込まず

                      いつものように
                      背伸びをして

                      はりせんぼんの
                      泳ぎで

                      値踏みをしている
                      薄目の
                      ウエターに
                      構わず

                      デザート
                      に食らいつき
                      コーヒー

                      「おかわり、いいの?
                       くださいませね。」
                      と
                      むりやり
                      おのぼり御公家
                      を
                      演じてみる

                      まゆこく
                      南国の琉球人