ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

泣き虫のうた

2013-06-23 17:03:05 | 日記
                       泣き虫

                   虫が
                   きょうも
                   泣いている
                   秋でもないのに

                   はらはらと
                   おいおいと
                   あー
                   あー
                   と

                   68年前の
                   二十歳の母が
                   どんな思いで
                   いきて
                   どんな想いで

                   変わっていく時代を
                   みていたのか
                   と
                   今になって
                   本棚から
                   ぱらぱら
                   どっさ
                   と
                   落ちてきた
                   手紙や絵葉書に

                   霞んで読めない文字

               
                   はらはらと
                   おいおいと
                   あー
                   あー
                   と

                   碧い空に
                   まっ白な雲が
                   流れて
                   いくのを

                   はらはら
                   おいおい
                   あー
                   あー
                   といって
                   虫が
                   泣いている

部屋のおそうじ

2013-06-23 14:34:12 | 日記
                       閉じこもりの部屋で

                 山積みの
                 段ボール箱の中に
                 衣服と
                 過ごしてきた時間が
                 ほこりをかぶって
                 ねむっている

                 空腹を満たすために
                 むさぼってきた
                 食べかすが
                 袋の中で
                 不消化を起こして
                 臭いを
                 放ち
                 腹を突き出している

                 捨てられない
                 消費の癖を
                 断ち切る勇気もなく
                 なにも
                 考えず
                 身にまとった
                 知ったかぶりの知識
                 ただ
                 垂れ流される
                 情報の
                 つまみ食いをして
                 繰り返し
                 繰り返し
                 毒をあおっている

                 なにをきいたのか
                 なにをかんじたのか
                 
                 なまの
                 いきていた
                 その渦中にいた
                 ひとの声を
                 うけとめることが
                 わたしの
                 責任だった

                 うまれたときにはすでに
                 オキナワであったということを
                 すでに私の時代にあったとしても

                 アイスワーラーは
                 滲みこんでいたのだが

                 基地にむかって
                 こぶしを挙げるのは
                 
                 矛盾でもない
                 至極自然のこと

                 トーキョーではきこえない
                 爆音が
                 碧い空に
                 舞う
                 沖縄では