ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

2023-07-13 10:17:18 | 日記
                       鉛


                  鉛の重さを
                  またひとつ飲み込む
                  しずかな朝に
                  ずっしりと

                  友人ではなかった
                  遠くから
                  見ているだけだった
                  優秀な成績の
                  ふっくらした頬に
                  にきびがふたつ、みっつ
                  感情が表れない
                  丸いめがねの奥の瞳
                  茫洋として
                  そこにいつも立っていた

                  それから
                  病院で見かけた
                  白衣の女医さん

                  そのあと
                  ほっつき歩いていた街の通りの
                  眼科クリニックに
                  彼女がいた

                  そして
                  朝の新聞

                  みんなみんな
                  そこに向かっているのか

                  無の暗闇へ

                  受け入れがたい現実

                  遠くから
                  ・・・・・合掌

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