ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

ぽつり

2014-06-03 09:02:07 | 日記

                           ぽつりひとり



                       母校の大学の庭で
                       待ち時間の隙間に
                       ぽつりひとり


                       学生が
                       お昼時の時間を
                       行きかう



                       眼をこすったよ
                      
                       中学生が通りすぎたかと思った
                       十数年の時間が
                       流れ去って
                       

                       庭の石も苔むし
                       がじゅまるは
                       枝を伸ばし
                       ひげが地面に届いている



                       母校の庭で
                       空を見上げ
                       空と雲が
                       変わらずにあること
                       
                       傲慢に叫び
                       走り回った
                       小さな痩せ細った
                       少女を
                       思った


                       時間が過ぎていかなければ
                       気づかないこともあるか
                       と
                       ゆっくり階段を下りながら
                       白い蝶々が
                       空と地面の間を
                       飛ぶ姿を見ていた


                       キャベツ畑が姿を消し
                       中古車が並ぶ
                       広場の見える
                       

                       母校の庭で
                       ぽつりひとり
                                            
                       


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