門灯
ひとり なくした
長生きするつもりの
食べ物に強いこだわりがあった
あんちゃん
あんちゃんは
もう頑張れない ねかしてくれといって
逝ってしまった
頬にひとすじの涙をこぼして
もうひとりなくした
あんちゃんが逝って
4ヶ月目
好きなものが食べられなくなって
痛みがなんなのか
わからないまま
いまわかったよ
痛みがどこからくるのか
もうそろそろだから
じゃーねと
電話をよこして
逝ってしまった
もうひとりのにいちゃん
7日後
居酒屋にあらわれたという
あんちゃん
まだ
この街の通りを散歩しているんだろうか
あんちゃんの車に
カーペンターズの曲を流して
運転していた
もうひとりのにいちゃん
めがねを忘れて
困っていないだろうか
ふたりが逝ってしまったことを
まだ信じられずに
妹は
あかりのつかない門灯を
見上げているよ
ひとり なくした
長生きするつもりの
食べ物に強いこだわりがあった
あんちゃん
あんちゃんは
もう頑張れない ねかしてくれといって
逝ってしまった
頬にひとすじの涙をこぼして
もうひとりなくした
あんちゃんが逝って
4ヶ月目
好きなものが食べられなくなって
痛みがなんなのか
わからないまま
いまわかったよ
痛みがどこからくるのか
もうそろそろだから
じゃーねと
電話をよこして
逝ってしまった
もうひとりのにいちゃん
7日後
居酒屋にあらわれたという
あんちゃん
まだ
この街の通りを散歩しているんだろうか
あんちゃんの車に
カーペンターズの曲を流して
運転していた
もうひとりのにいちゃん
めがねを忘れて
困っていないだろうか
ふたりが逝ってしまったことを
まだ信じられずに
妹は
あかりのつかない門灯を
見上げているよ