日付変更線
-7時間の地球の上は
敷き詰められた四角の黒の石
壁はベージュの厚い石の壁
パパ
パバロッティ
謳う
草も木々も
夏とも秋ともいえぬ
暑さを残した風に揺れ
バターは薄い黄色
鴨のお肉は黒い
白いパンは香ばしく焼け
パリパリ
甘い甘いデザートに
2.5ユーロのお水
淡い水色の瞳に
Thank you と声をかけて
バスを降りるんだけど
最後に降りたわたしに不機嫌な目をして
Where come from, ときおー? おおさかー?
ときた ガイドさんが Okinawa!と大声でいうから
さうす えいりあ と加えてあげた 怒るなよ
年寄りの女性の加わったツアなんだからさ
眼は口ほどに・・・
ぼでぃ らんげーじ さ、わかっているよ
いらいらしていた運転手さん、うんと待たされて
うんざりしてたんだね、でもさ、その日、ご一行様は
体調不良が多くてさ
チャキイロノ
小さなアジアンは
抵抗の色さ
キンピカの金色の熟れきって
腐れかけた
おれんじは
もう
未来を描く
指を
なくしかけているよ
きらきらした瞳で
風の中を
翔ける
とり
日付変更線を飛び
地球を
めぐる