AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

ユゴスよりの紅玉

2011年12月24日 | ルルイエ異本
前ログで散々けなしまくったラムレイの『幻夢の時計』でありますが―
ただ、本書の中で、猫の町ウルタールの<古のものの神殿>に棲まっている老神官、人呼んでハテグ=クラのアタルが、<旧き記録の間>に所蔵している『ド-ハルシスの第四の書』の中に掲載されてある、凍てつく荒野のレンより黒いガレー船に乗ってやってくるターバンを巻いた“角族”が所持している、あの人々の精気を吸い取る魔力を放つ巨大紅玉についての記述が紹介されている部分に関しては、大変興味そそられるものがあった。


~大いなる紅玉について~
大いなる紅玉、それは辺境なる星ユゴスよりきたる<光を超ゆるもの>で、<吸血鬼>という言葉の最悪の意味を表わす存在である。
遥かな昔、まだ<夢>が生まれるより以前、万物の夜明け前なる始原の霧のなかにおいて、遠き辺境なるユゴスより、<古のもの>がかの大いなる紅玉を運び出した。
その巨大紅玉のなかには<古のもの>の魔術と光とによってあるものが封じこめられていたのだが、それこそが始原なる邪悪の化身、地獄そのもののごとき忌まわしき存在なのだ。
人々を催眠作用によって弱らせているのは宝石それ自体ではなく、その内部に閉じ込められているもの、すなわち辺境なる暗黒のユゴスよりきたる<光を超ゆるもの>の邪悪な波動によるものなのだ。

かの紅玉は、禁断の山ハテグ=クラの高みより崩れ落ちし雪崩にまぎれて転がり落ちたるところを、ティルヒアの黒き姫ヤス-リー率いる隊商によって発見され、銀の尖塔建ち並ぶティルヒアの町に持ち帰られた。
やがてティルヒアの住民は死者のごとく変わり果てた姿となり、町は荒廃を極め、今ではどこにティルヒアなる町があったかを知る者はない。
その後巨大紅玉は、ダイラス=リーンが面する南方海沖合のオリアブ島に近い海上に浮かんでいた謎めいた金色のガレー船の船内において発見される。
発見されたとき乗組員はすでにみな死んでいたが、なぜか腐乱することもなく完全な姿のままの死体で、しかもそのすべてが人間とはいいがたいものどもだった。
巨大紅玉はそれを金のガレー船より運び出した船乗りたちが哀れにも災厄に見舞われたあともなお生きのび、のちにナスの谷の巨虫ドール族によって崇拝されたが、あるとき三匹の蝙蝠めいた夜鬼によって持ち去られてトゥロク山脈の峨々たる峰を超え、ついにはおぼろな神話のみにて恐ろしげに仄めかされる地下なる妖異どもの棲むところに運びこまれたという。


~<光を超ゆるもの>の召喚について~
この召喚においては距離が遠いか否かはまったく問題ではない。その気にさえなればその場所にいながらにして<かのもの>すなわち<光を超ゆるもの>を喚びいだすことができる。
だがそうする前にまず<ナアク=ティスの結界>を紅玉の置かれた周辺に張りめぐらし、紅玉の外に出てきた<かのもの>を防ぐ手立てを講じておかねばならない。もしそうしなければ、<かのもの>は<夢の国>のすべてをも滅ぼしてしまいかねない。そのときには、召喚せし者、すなわち呪文を唱えし者は世にも恐ろしい死に方で真っ先に死ぬことになる。
結界を張りめぐらしたあと、以下の呪文を唱えるべし。

「テトラガマトン・サバイテ・サバオス・テシクトス」


~角族について~
角族(ホーンド・ワンズ)は、神秘の地レンに棲む大きい口と額に角の生えた、邪悪な笛と小鼓の旋律に狂い踊る種族で、ラヴクラフトの『未知なるカダスを夢に求めて』に現われる<人間もどき>と同一の種族であり、この角族にかぎってかの巨石紅玉に近づいてもなんの影響も受けないのだという。
実のところ、角族は最果の星ユゴスに隣接する暗黒次元においての<夢の国>に属する存在であり、はるか昔人類の夢がまだ幼かったころにクトゥルー眷属邪神群が侵犯をたくらんで送りこんだ手先なのだ!!


紅玉を携えターバンを巻いた商人姿でダイラス=リーンの町に跳梁跋扈する角族。


は~あ、私はまたしてもイブの夜に荒唐無稽な記事を書いてしまった・・・

ヘイ!アア=シャンタ、ナイグ!!旅立つがよい!!



今日の1曲:『2,000 Miles』 / TICA
コメント
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