AMASHINと戦慄

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さいなら平成 ~あま選平成邦楽名鑑~ その3

2019年04月26日 | まったり邦楽
あま選平成邦楽ベスト30残りの10枚です。
みなさまの予想は的中しましたでしょうか?

ここ10年、やはり齢を重ねるにつれ感性が鈍り、音楽に対する探求心も徐々に減退していきましたね。
突如クトゥルー神話への尋常ならざる探求心に目覚め、それ関連の書物や音楽ばっか漁ってた時期もあったりと。

邦楽くくりのフェスはけっこう行ってて、RUSH BALLやOTODAMAとか、あと最近では東京でのM.D.T.フェスや、ついこないだ神戸での『Q』フェスなど。
外タレフェスと違って邦フェスは、ミュージシャンのMCが理解できていいですよね。
国内最大級の邦楽フェスRISING SUNにもいつかは行ってみたい・・・・
北海道行ったことないんで。



21.『Untitles』 / 54-71 (2002)


英詩で90年代米オルタナからの影響をバリバリ感じさせるバンドなんだが、なぜか実に日本的で不可思議な個性を持ったバンド54-71。
音数を極限まで減らしたシンプルで肉体的なバンドサウンド。病んでいるようで実に気持よさそうに呻く素っ頓狂で奔放なラップ。そしてタメがいちいちカッコいい。
生々しく乾いたギター音が、まるでジャケットの水墨画のような匠の技を思わせる。


22.『Diving into your mind』 / 畠山美由紀(2002)


Port of Notesの畠山さんのソロデビュー作。
楽曲によっては(語弊があるかもしれないが)80年代の懐メロ歌謡に聞こえなくもないが、そこはLITTLE CREATURESの面々がプロデュースしているので決して安っぽくはならず、バックバンドの極上の演奏力とシャレオツなアレンジで、畠山さんのジャジーでエレガントな歌を堪能できる贅沢な一枚に仕上がっている。


23.『From Creation』 / DRY & HEAVY(2002)


ADFやMassive Attackなどの音楽に触れていたときからダブ嗜好は自分の中になんとなくあったが、ここまで本格的でディープな残響音を響かす本格派のダブはドラヘヴィのこのアルバムが最初だったと思う。なんせエンジニアがメンバーの中にいるからな。
Doorsのトリップ感ハンパないカヴァーなども収録されてて、ロック色が強めで楽曲が極めてキャッチーだったこともあって、この手のジャンルには疎い私にとって本作は実に馴染み易かった。
英語発音のハッキリしたリクル・マイさんの突き抜けるような、そして時に妖しいVoがとても痛快。


24.『QUEENDOM』 / PUSHIM(2004)


レゲエに関しては疎いが、聞くところによると、どうやらレゲエというものには大きく分けてダンスホール系とルーツ系との2種類があり、その両者は犬猿の仲ってゆーくらい好みがハッキリ分かれるそうな。
PUSHIMはその因縁深い垣根を取り払ったレゲエアーティストということで、まさにLOVE&PEACEな存在といったところか。
本作はレゲエのみならず、R&B、サンバ、ヒップホップと、雑多な楽曲をPUSHIMの圧倒的パワーヴォーカルでぶちかましているとった攻撃的作品。
平成の音楽業界最大の汚点にして大罪である忌まわしきCCCDの犠牲となった作品でもある。


25.『GAME』 / Perfume(2008)


広島出身の同級生3人組の一介のアイドルユニットが、結成8年目にして日本のJ-POP界に革命をもたらしたテクノポップ史に残る大名盤。
本作に詰め込まれたおしゃれ且つポップなサウンドのハイクオリティな粒揃いの楽曲群・・・この時の中田氏の研ぎ澄まされた創作力はまさに神がかっていたといえる。
敢えてそれぞれの自己主張を抑え、エレクトロサウンドに寄り添うヴォーカル加工の、そんなスマートな音楽が社会現象になったのだ。
それはやはり、Perfumeの楽曲がその辺のヒットメイカーが作るメニーピープルに“ウケる音楽”ではなく、“覚醒させる音楽”だったということである。
その後J-POPやJ-ROCKアーティストのエレクトロ指向が急速した傾向がそれを如実に物語っている。


26.『Johnny Cliche』 / TICA(2009)


美しい旋律のアコギが爪弾かれ、カオリさんの崇高なる麗しのヴォイスがスッと入ってきた瞬間、部屋の空気が一瞬で変わる。そんな音楽は初めてだったかも。
まぁ正直この作品の醍醐味は冒頭のオリジナルダブナンバー2曲まで。
あとは、Ticaのお家芸である2人の研ぎ澄まされたセンスと極上のサウンドアレンジで調理されたスタンダードやロックバンドのカヴァーを(ただ、ヴィレヴァンなどでよく流れてるような安っぽいカヴァー曲とはワケが違う)カフェミュージックよろしく優雅に楽しむといった趣向の作品。
ただ、打ち込み傾向の強いTicaのアルバムの中でも、本作は実にアコースティッキーで生楽器の温かみあるサウンドであるところがいい。


27.『s(o)un(d)beams』 / salyu x salyu(2011)


小山田圭吾氏の立体的でヒーリング効果の絶大な驚異のスタジオワークには以前より関心があったが、コーネリアスの楽曲は自分にはアンビエントすぎるというか、とくに歌の部分が馴染めなかった。
その小山田氏に積極的にアプローチをかけ、自らの声を素材としてここまで難易度の高い音の構築を成し遂げたSalyuの音楽に対する意識の高さには敬服するほかない。
Salyuの様々な歌声が万華鏡のごとく広がり花開き、アンビエントとポップが交差する驚異的な音像が脳内に絶大な恍惚と癒しをもたらしてくれる。
屈辱的で辛い時期に、この作品には随分助けられたもんだ。


28.『photogenic』 / Salyu(2012)


結局オマエはSalyuが一番好きなんじゃねーの?と思われるかもしれませんが、いや、たまたまSalyuがVoをとってる作品のデキが良かっただけです。
Salyuソロ名義になってからの作品は最初、小林武史氏との相性が本当に合っているのか?と思わせるくらいなんかシックリくるものがなかった。
Salyuのあの凄まじい高音域の歌唱は、相当のヴォイストレーニングを想像させるもので、それが時には痛々しかったり聴き苦しかったりもした。
で、本作でようやくSalyuの歌声が楽曲にうまくフィットしてる感じになり、優雅な歌いまわしも見せ、楽曲によっては達観、あるいは余裕すらも感じられるようになった。
キャッチーとは言い難いが、弾むようでSalyuのしなやかな歌がフィーチャーされた素敵にポップな作品。


29.『なんだこれくしょん』 / きゃりーぱみゅぱみゅ(2013)


中田氏はPerfumeとはまた違った方法論で(歌に感情を込めさせないのは一緒だが)、きゃりーの奇抜なキャラクターをさらに音楽によって拡張させることに見事成功している。
本作はとにかくおもちゃ箱をひっくり返したような、楽しい音で溢れかえっている。
「にんじゃりばんばん」やら「きゅーきゅきゅーきゅきゅきゅ」といった意味不明の擬音や造語だらけのまさに「なんだこれ?」といったフレーズ群は、奇をてらったというより、すべては耳心地の良いポップな楽曲の素材なのであって、歌詞の意味などもうどうでもよくて、音を楽しむとはそういうことなんだってこと。
きゃりーの音楽が海外でも人気があるのはそのためだ。


30.『ナマで踊ろう』 / 坂本慎太郎(2014)


人類滅亡後のBGMというコンセプトのもとに制作された坂本慎太郎くんソロ第二弾。
ポップセンス抜群の楽曲群、スティールギター、サックス、バンジョー、そして様々な種類のパーカスの音色が作品を楽しく彩っている。
でも哀愁と虚無感の入り混じる坂本君の歌を聴いていると、なんだか怖くなったりもする。
この坂本君の終末思想的アルバムを聴きながら、平成最後の夜を迎えるのも悪くはないかと。


てかここ5年間からの作品皆無ですね。
全然ダメですね。


平成22年11月@静岡



今日の1曲:『森のこびと』/ うたううあ

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