AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

やっぱりヴォイヴォド。

2018年11月10日 | やっぱりメタル!!
VOIVOD三度目の来日公演が決定した。
そう、今年はVOIVOD35周年という節目の年。まぁ日本ライブは来年1月やけど。
しかも今回は初の単独ライブ!!
こんなにうれしいことはない・・・・・・・
http://www.marquee.co.jp/live/voivod2019.html

インタビューでは単独で大阪にも行ってみたいとほのめかしていたが・・・
今のところ渋谷はTSUTAYA O-WESTの1公演のみ。
確かに今の関西のメタルシーンはショボすぎるからなぁ・・・
まぁVOIVOD観るため東京まで遠征するのも仕方ないさ。
全国大勢のVOIVODフリークたちと共にワイワイ盛り上がるほうが絶対楽しいと思うし。


さて、2016年に予告編的なミニアルバム『POST SOCIETY』をリリースしたっきり音沙汰のなかったVOIVODであったが、通算14作目となる待望のフルレンスアルバム『THE WAKE』が私の手術中、自宅に届けられた。



5年前“故ピギーの意志を受け継ぐ者”チューイーことダニエル・モングレイが正式加入し、全面的にVOIVODの異質な楽曲作りに携わるようになったが、その第一弾『TARGET EARTH』は、「ピギーという絶対的なオリジネイターを無くしてVOIVODの存続はありえない」と失望感に打ちひしがれてた我々VOIVODフリークたちを驚愕歓喜させるほど上々のデキであった。

メンバーのみならず、従来ファンの絶対信頼を得たチューイー加入後の第二弾『THE WAKE』であるが、今回のデキも実に素晴らしい。
まぁVOIVOD好きならハマらないことはないであろうVOIVODフリークスのツボを見事についてくるフレーズが目白押しとなっおり、悶絶必死である。
つまりダニエル・モングレインという男はそういうツボをちゃんと熟知している野郎なのだ。にくいねこの!
巷では7th『THE OUTER LIMITS』以来の傑作!と褒め称えられているが、個人的には物語の見えてくるわかりやすいあの作品ほどのイマジネーションは感じられなかったが、今回も一応VOIVODお得意のSFサイバーコンセプトアルバムに仕上がっている。

今回も全曲にアウェイ画伯によるステキな挿絵がついている。



まぁVOIVODのあまりにも個性的で唯一無二の特異な音楽性は、通常のメタルリスナーにとっては難解かもしれないが、やはりチューイーの演奏技術的にテクニカルな要素は、初期のVOIVODの楽曲に比べて幾分かとっつきやすいものになっているかと。
複雑怪奇な楽曲が並ぶ中でも、アルバム中最もストレートでメロウな1曲目「Obsolete Beings」などは、チューイーの流麗なギターソロも冴えていて初心者の方でもいけるんじゃないかと。




2曲目「The End Of Dormancy」の怪しくムードある雰囲気からの怒濤のプログレ展開は、フロイドの長編アルバム『THE WALL』にも通ずるものがあり、摩訶不思議VOIVODワールドが約7分間で一気に体感できるといったような見事な構成。この時点でVOIVODフリークスはすでにノックアウトだろう。
3曲目「Orb Confusion」は、メタルヴォーカルの常識から全くかけ離れた独特の表現力を持つスネイクの奔放でパンキッシュなヴォーカリゼーションが映える、改めて彼の存在の重要さを知らしめるナンバーだ。

そして、本作のハイライトといってもいいのが4曲目「Iconspiracy」であろう。
『RRROOOAAARRRR』や『KILLING TECHNOLOGY』あたりの楽曲を彷彿とさせるサイバーパンキッシュなザクザクとしたリフがベースとなっているが、学校で音楽教師をしているというこのチューウィーという男、やはり一筋縄ではいかなく、彼の人脈で今回弦楽器奏者をレコーディングに招き、なんと自ら指揮をとってオーケストレーションを楽曲の中に導入してしまうという、VOIVOD史上前代未聞の試みを敢行している。まぁこれはちょっとした味付けでVOIVODファンは最初ギョッとさせられるかもしれないが、それほど違和感はなくなかなかの演出効果をもたらしている。
それよりこの楽曲のスリリングさが素晴らしい!もうこの最高すぎるアニメーションPV共々VOIVODのSFサイバーパンク趣向が見事に爆発した至極のナンバーだ。




以降も、VOIVODしか創り得ないサイケデリックで混沌とした個性的な楽曲が並び、まぁ捨て曲というものがない。
ラストの12分に及ぶ長編曲「Sonic Mycelium」のデキも素晴らしいんだが、それまでの楽曲がアイデア満載の秀逸曲だらけなもんだから、ちょっと物足りなく感じてしまうほどだ。

まぁチューウィーはピギーの作曲論法を研究しつくしていて、VOIVOD従来のリフや曲展開をかなり踏襲してはいるんだが、ピギーと違う所といえばやっぱサウンドのクリーンさとギターソロだろうか。
ピギーはやっぱ感覚的なサウンド作りが特徴で、ソロなんかも手グセが効いているのに対して、チューウィーのソロは実にテクニカルでメロディアスで流麗である。
そのチューウィーのテクニカルな要素とアイデアは、VOIVODにまた新たなる科学反応を起こさせ、進化をもたらしたといっていいだろう。


この素晴らしい内容の作品に水を差すようだが、苦言を呈したいことがひとつ。
VOIVODの作品がいまだ日本盤でリリースされることは大変ありがたいし、だからこそ実現した今回の単独来日だと思う。
ただ、日本盤に付いてくる二枚目のボーナスディスクの内容であるが、2年前にリリースされたミニアルバム『POST SOCIETY』全曲をまんま収録するってのはいかがなものかと。
重複もええところやんけ!まぁ申し訳程度に6曲ものライブ音源が収録されてるので値段的には妥当かと思われるが。
前回未掲載だった「FALL」と「SILVER MACHINE」の挿絵も付いてきたしよしとしよう。




今日の1曲:『Event Horizon』 / VOIVOD

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