届かない。
またしても、届かない。
CORONERが届かない。
メタル途上国スイスのメタルバンドといえば、KROKUSやCELTIC FROSTがよく名を知られてると思われるが、そのスイスメタル界の秘密兵器とされたのが、彼らの少し後に出現したCORONERだ。
つか彼らは元々CELTIC FROSTのローディーだったんだけど、まぁここらへんの関係は当時の狭いスイスメタル界ならではの実情が窺い知れる。
そのCORONERの初期3作、及びインターバルを置いて後期の2作品も続々と初リマスタで再発されるという奇跡がこの度実現した。
CORONERの諸作品は長年入手困難となっており、まぁ全国のスラッシュ好きは歓喜したかと思われる。
そらアンタ、一も二もなくオンラインで即予約ですよ!
ただ、初期3作は最初最安値のTレコードで予約してたんだが、発売予定日2週間を過ぎても届けられる気配がなく、「こらアカン」と思い急遽Tレコードの予約はキャンセルし、ディスクユニオンのオンライン発注に切り替えた。
いやだって、この手の再発盤はプレス数も少なく、このまま40日間くらい入荷のメドが立たず、即品切れ廃盤になる可能が大いにありうるからだ。
そうなったらアンタ、悔やんでも悔やみきれまへんで。
まぁCORONERの初期3作は一応日本盤で所持してはいた。
MEGADETHが“インテレクチュアルスラッシュ”というメタル形態を打ち出す中、当時CORONERは同じような方向性で“テクノスラッシュ”なんて呼称されてたらしいけど、スラッシュブームだったとはいえ、そんな呼び名日本では全く浸透していなかった程にCORONERの存在は知られてなかったと思う。
CORONERに出会ったのは中学生の頃、京都市内のじっちゃんが住んでた家の近くのレンタルレコード屋の処分品の棚で1st『R.I.P』を見っけて購入したのが最初だった。
セルティックの弟分ということでけっこう期待してたんだが、中坊の頃の私には、このいわゆる“テクノスラッシュ”なCORONERの音楽は少々難解だった。
一発目の「Reborn Through Hate」のイントロこそゾクゾクするほどカッコいい名リフで始まるが、とにかく曲構成がムダに複雑で確実にセルティックよりは演奏テクニックは長けているのだが、表現力や曲の完成度は低かったように思う。
そしてこのバンドのウィークポイントとしては、ヴォーカルの弱さ。
まぁベースのロン・ロイスが兼任しているという形だが、なんだかハッキリしないダミ声を発してる感じで、演奏にかき消されそうなほどに弱いのだ。
そして、ギターのトミー・T・バロンの露骨なネオクラ趣味。
とにかく弾きまくりギタリストで、インスト曲「Nosferatu」などはイングベイの1stに入ってそうなナンバーでなんだかなーという感じ。
1stは何回か聴いたんだが、1曲目をのぞきあまりピンとこないままレコードプレイヤーが壊れてそれっきり聴けてなかった。
その後しばらくCORONERには全く関知してなかったが、高校卒業後くらいに「仮面のジャッカル」のPVを目撃し、「そういえばCORONERってバンドのアルバム持ってたなぁ」みたいな感じで思いだし、ビクターから発売された2ndと3rdのカップリングCDをどっかの中古屋で発見しもう一度チャレンジしてみる気になった。
1988年作2nd『PUNISHMENT FOR DECADENCE』は、まぁ相変わらずというか、1stの延長線上的な仕上がりで、まだまだトミーのネオクラ趣味が濃厚。
ただ、楽曲は相変わらず無理にこねくり回したようなものが多く、音質も悪いし疲労感がハンパないが、スラッシャーのツボをつくリフ展開も増えてきた。
最後の蛇足的なジミヘンのカヴァーはこの時代ならではのご愛敬。
そして1989年、満を持して発表された『NO MORE COLOR』であるが、まぁハッキリ言ってCORONERの最高傑作にして、スラッシュメタル史上に残る大名盤と言ってもいいだろう。
もう1曲目のドロドロドロドロドロ・・・・とフェイドインしてくるイントロドラムからしてたまらない!
ヨーロピアンスラッシュ特有の寒冷地帯そのままの独特の冷たさ、そして曲構成の複雑さはそのままに、絶妙すぎるほどにクオリティの高い曲展開、ザックザクで粘着質な名リフの応酬、そしてスラッシュメタルバンドたる獰猛な疾走感・・・・・
本作には全編に渡ってそういった極上の要素が詰めに詰め込まれている。
トミーはようやく己のネオクラ趣味のクサさに気づいたのか、弾きまくるギターソロにも知性が備わり、名実ともに“インテレクチュアルスラッシュ”の極意を極めた感がある。
そこにロンのベースが絡むユニゾンはもう絶品である。
ヴォーカルは相変わらず弱い。が、もうそんなことは気にならないほどに各楽曲のクオリティが高い。
まぁメタラーの中にもいまだ歌はメロディやサビがないとダメとか、ガテラル、ダミ声に拒絶反応を示す不寛容な方がけっこういて、そういうヴォーカルの要素もひとつの“音”としてとらえ、本質的な意味で音楽を楽しめる素質がないと、DOOM、VOIVOD、そしてCORONERのような異質でアヴァンギャルドなメタルバンドの良さはなかなか理解してもらえない(まぁ結局は嗜好の問題かもしれないが)。
近年では機材スペックも上がり、演奏テクニックも著しく優れたプログレッシヴデスメタルみたいなバンドがゴロゴロ存在する時代になったけど、彼らはそういった先進的すぎることを機材もレコーディング環境も悪かった90年代以前からやっていたのだから時代が彼らに追いついてなかったというか、早すぎた先鋭部隊と言わざるを得ない。
で、CORONER第二弾リマスタシリーズ、『MENTAL VORTEX』と『GRIN』の2枚を最安値だったHMVで予約していたのだが、発売予定日を過ぎて、やはり届かないという憂き目にあっている。
ディスクユニオンHPでは、この2作の発売予定すら掲載されてない。
どういう状況で出荷遅延が発生しているのか?世界中から注文が殺到し、日本では商品が確保できない状況なのか?
いずれにせよ、ほんまにもどかしいったらありゃしない。
なぜにCORONERの音源を入手するのに、これほどの困難がつきまとうのか?
思えばリリース当時、この2作はビクターより日本盤が出てるんだから、CORONERにはなかなか寛容だったんよなぁ、日本。
あと、残るラストアルバム『CORONER』の再発の見込みはいかほどか?
そしてスラッシュファン待望の初来日の可能性は?
今日の1曲:『Mistress Of Deception』/ CORONER
またしても、届かない。
CORONERが届かない。
メタル途上国スイスのメタルバンドといえば、KROKUSやCELTIC FROSTがよく名を知られてると思われるが、そのスイスメタル界の秘密兵器とされたのが、彼らの少し後に出現したCORONERだ。
つか彼らは元々CELTIC FROSTのローディーだったんだけど、まぁここらへんの関係は当時の狭いスイスメタル界ならではの実情が窺い知れる。
そのCORONERの初期3作、及びインターバルを置いて後期の2作品も続々と初リマスタで再発されるという奇跡がこの度実現した。
CORONERの諸作品は長年入手困難となっており、まぁ全国のスラッシュ好きは歓喜したかと思われる。
そらアンタ、一も二もなくオンラインで即予約ですよ!
ただ、初期3作は最初最安値のTレコードで予約してたんだが、発売予定日2週間を過ぎても届けられる気配がなく、「こらアカン」と思い急遽Tレコードの予約はキャンセルし、ディスクユニオンのオンライン発注に切り替えた。
いやだって、この手の再発盤はプレス数も少なく、このまま40日間くらい入荷のメドが立たず、即品切れ廃盤になる可能が大いにありうるからだ。
そうなったらアンタ、悔やんでも悔やみきれまへんで。
まぁCORONERの初期3作は一応日本盤で所持してはいた。
MEGADETHが“インテレクチュアルスラッシュ”というメタル形態を打ち出す中、当時CORONERは同じような方向性で“テクノスラッシュ”なんて呼称されてたらしいけど、スラッシュブームだったとはいえ、そんな呼び名日本では全く浸透していなかった程にCORONERの存在は知られてなかったと思う。
CORONERに出会ったのは中学生の頃、京都市内のじっちゃんが住んでた家の近くのレンタルレコード屋の処分品の棚で1st『R.I.P』を見っけて購入したのが最初だった。
セルティックの弟分ということでけっこう期待してたんだが、中坊の頃の私には、このいわゆる“テクノスラッシュ”なCORONERの音楽は少々難解だった。
一発目の「Reborn Through Hate」のイントロこそゾクゾクするほどカッコいい名リフで始まるが、とにかく曲構成がムダに複雑で確実にセルティックよりは演奏テクニックは長けているのだが、表現力や曲の完成度は低かったように思う。
そしてこのバンドのウィークポイントとしては、ヴォーカルの弱さ。
まぁベースのロン・ロイスが兼任しているという形だが、なんだかハッキリしないダミ声を発してる感じで、演奏にかき消されそうなほどに弱いのだ。
そして、ギターのトミー・T・バロンの露骨なネオクラ趣味。
とにかく弾きまくりギタリストで、インスト曲「Nosferatu」などはイングベイの1stに入ってそうなナンバーでなんだかなーという感じ。
1stは何回か聴いたんだが、1曲目をのぞきあまりピンとこないままレコードプレイヤーが壊れてそれっきり聴けてなかった。
その後しばらくCORONERには全く関知してなかったが、高校卒業後くらいに「仮面のジャッカル」のPVを目撃し、「そういえばCORONERってバンドのアルバム持ってたなぁ」みたいな感じで思いだし、ビクターから発売された2ndと3rdのカップリングCDをどっかの中古屋で発見しもう一度チャレンジしてみる気になった。
1988年作2nd『PUNISHMENT FOR DECADENCE』は、まぁ相変わらずというか、1stの延長線上的な仕上がりで、まだまだトミーのネオクラ趣味が濃厚。
ただ、楽曲は相変わらず無理にこねくり回したようなものが多く、音質も悪いし疲労感がハンパないが、スラッシャーのツボをつくリフ展開も増えてきた。
最後の蛇足的なジミヘンのカヴァーはこの時代ならではのご愛敬。
そして1989年、満を持して発表された『NO MORE COLOR』であるが、まぁハッキリ言ってCORONERの最高傑作にして、スラッシュメタル史上に残る大名盤と言ってもいいだろう。
もう1曲目のドロドロドロドロドロ・・・・とフェイドインしてくるイントロドラムからしてたまらない!
ヨーロピアンスラッシュ特有の寒冷地帯そのままの独特の冷たさ、そして曲構成の複雑さはそのままに、絶妙すぎるほどにクオリティの高い曲展開、ザックザクで粘着質な名リフの応酬、そしてスラッシュメタルバンドたる獰猛な疾走感・・・・・
本作には全編に渡ってそういった極上の要素が詰めに詰め込まれている。
トミーはようやく己のネオクラ趣味のクサさに気づいたのか、弾きまくるギターソロにも知性が備わり、名実ともに“インテレクチュアルスラッシュ”の極意を極めた感がある。
そこにロンのベースが絡むユニゾンはもう絶品である。
ヴォーカルは相変わらず弱い。が、もうそんなことは気にならないほどに各楽曲のクオリティが高い。
まぁメタラーの中にもいまだ歌はメロディやサビがないとダメとか、ガテラル、ダミ声に拒絶反応を示す不寛容な方がけっこういて、そういうヴォーカルの要素もひとつの“音”としてとらえ、本質的な意味で音楽を楽しめる素質がないと、DOOM、VOIVOD、そしてCORONERのような異質でアヴァンギャルドなメタルバンドの良さはなかなか理解してもらえない(まぁ結局は嗜好の問題かもしれないが)。
近年では機材スペックも上がり、演奏テクニックも著しく優れたプログレッシヴデスメタルみたいなバンドがゴロゴロ存在する時代になったけど、彼らはそういった先進的すぎることを機材もレコーディング環境も悪かった90年代以前からやっていたのだから時代が彼らに追いついてなかったというか、早すぎた先鋭部隊と言わざるを得ない。
で、CORONER第二弾リマスタシリーズ、『MENTAL VORTEX』と『GRIN』の2枚を最安値だったHMVで予約していたのだが、発売予定日を過ぎて、やはり届かないという憂き目にあっている。
ディスクユニオンHPでは、この2作の発売予定すら掲載されてない。
どういう状況で出荷遅延が発生しているのか?世界中から注文が殺到し、日本では商品が確保できない状況なのか?
いずれにせよ、ほんまにもどかしいったらありゃしない。
なぜにCORONERの音源を入手するのに、これほどの困難がつきまとうのか?
思えばリリース当時、この2作はビクターより日本盤が出てるんだから、CORONERにはなかなか寛容だったんよなぁ、日本。
あと、残るラストアルバム『CORONER』の再発の見込みはいかほどか?
そしてスラッシュファン待望の初来日の可能性は?
今日の1曲:『Mistress Of Deception』/ CORONER
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