1年くらい前に岡山の大学時代のツレの家で、このツレがなかなか筋金入りの音楽マニアで、彼がその時なにげに観せてくれたのが英国のプログレバンドFROST*の『The Rockfield Files』という作品のライブ映像。
ライブといっても、メンバーがスタジオに籠もって客なしで演奏を繰り広げるというもので、一発録りのレコーディングみたいなものだ。
まぁメンバーに新生IT BITESの2代目ヴォーカル兼ギターを務めるジョン・ミッチェルが在籍しているので、関連バンドとして興味あるだろうと私に観せてくれたんだと思うが、最初なんかダサめの冴えないオッサンどもがスタジオで戯れてる感じのこの映像を、少し嘲笑ぎみの態度で観ていたのだが、徐々にこのオッサンどもの一筋縄ではいかない卓越した演奏力と絶妙な楽曲のメロディセンスにグイグイと惹き込まれている自分がいた。
その後、このFROST*のことが頭の片隅にずっと残っていて、このスタジオライブの映像作品がどうしても欲しくなり、ネットで探しまくったのだが、まぁマイナーなバンドなもんだから日本盤はすでに廃盤で、輸入盤ですら入手困難な状況だった。
で、先週ディスクユニオンのウォントリストをふと閲覧してみると、どうやら最近また限定再発されたみたいで新品購入可能状態となっており、一も二もなくカゴに入れ、同じく品切れ状態であったモーターヘッドの“Road Crew”ビールと共に無事私のもとに届けられた。
本作はスタジオライブのDVD映像、そして同内容のCD音源の2枚組。
Disc1の方がDVDとなっており、本作が映像メンイで制作されたことが窺える。
約1年振りに本作を鑑賞してみたが、やはり私がこの映像に心動かされたあの時の心情は間違ってはいなかったのだと確信に至った。
やはりこのバンドは凄かった。
まぁこういう例えは陳腐過ぎるかもしれないが、一言でいうと“DREAM THEATER meets IT BITES”といったところか。(ゴメンナサイ、近代プログレバンドは、この2バンドくらいしか知らないもので)
DREAM THEATERからジェイムズ・ラブリエの要素を除き、IT BITESのポップさでバンドをスッキリさせた感じといおうか。
まぁハッキリいってIT BITESよりテクニカルで、今のDREAM THEATERより断然楽曲センスが優れいている。
このバンドの主導権を握っているのは、明らかにキーボーディストのジェム・ゴドフリー。
最初映像を観た時、この七福神の布袋尊のような小太りのオッサンが、まさかリードヴォーカルも兼任していることがわかった時は思わず噴き出してしまった。まぁまずヴィジュアル系バンドじゃ考えられないだろう。
ただ、これが結構いい声をしていて、まぁこのオッサンがなかなかの曲者だったりする。
キーボードテクは超一級。3台の鍵盤を駆使し、ニコニコと余裕の表情で様々な洗練された音色のシンセを巧みに操作する。
まぁ元々売れっ子のプロデューサー業の人みたいで、スタジオの使い方は熟知してるらしく、細やかなSEなど実にハイサウンドなセッティングを施している。
ソロも全編に渡りどれも超絶でカッコいい。
そしてこの人はなんといっても歌メロセンスが抜群に優れいてる。
ここまで超絶なプログレ構成の楽曲でありながら、ちゃんとポップで絶妙なメロディセンスを兼ね備えており、そこんとこはIT BITESと相通ずる部分ではあるが、まぁそこらへんのテクニカルなだけのプログレメタルバンドとは明らかにレベルが違う。
見よ!この余裕の反りポーズ!
インテリアにもなかなかのこだわりを持っているようで、なんかアイロン台がシンセ。
ジョン・ミッチェルもこのバンドではサポート的な役割ではあるが、随所でいい感じのリードヴォーカルもとっており、ソロ&バッキング共にカッコいいフレーズをきかせていて実にいい仕事をしている。
横顔のアングルはタスマニアデビルにしか見えないが。
リズム隊もしっかりしていて、ドラムのクレイグ・ブランデルは申し分ないパワフルさ、ベースのネイサン・キングは新生IT BITESでもプレイしてる人物だが、確実なリズムを保ち、ここぞというところでベースをうねらせてくる。キー高めのコーラスもうまい。
このスタジオライブで演奏された楽曲はアコースティックセッションを除き6曲で、いずれも粒揃い。
まず1曲目のプログレフュージョンなインストナンバー“Hyperventilate”からその転調の絶妙さにすでに惹き込まれてしまう。一番キャッチーな作りのポンプロックナンバー“Heartstrings”でのジェム&ジョンの聴かせる歌の掛け合いも素晴らしい。
キラキラとした美しいシーケンスループが印象的な10分を超すプログレナンバー“Black Light Machine”の後半の怒濤のスリリング展開には興奮せずにはいられないし、ヘヴィサウンドで最もハードな曲展開をみせる“Dear Dead Days”においてもやはり歌をもの凄く大事にしていて、特に冒頭のジェムの歌メロが素晴らしい。
そして本作のハイライトとも言うべき24分超えの壮大なスケールの超大作“Milliontown”。
ジェムによるQUEENのようなシットリとした独唱で始まり、そしてダイナミックな怒涛のプログレ展開へ。ここでは各々のプレイヤーが己のプログレセンスを遺憾なく発揮しており、個人的にはネイサン・キングのベースワークが注目に値するかと。
終盤ではセッションならではの、客の盛り上がりではなく、リラックスムードだった各プレイヤー同士の触発のし合いが、プログレッシヴな演奏にいよいよ拍車をかけ、スタジオ内に凄まじい高揚感をもたらしているのが見てとれる。
CGを使った余計な映像遊びも。いらんことしいの一面もあるようだ。
いや~この盆休み、墓参りと通院以外は全く予定がないのだが、このFROST*のライブDVDで5日間もつんじゃないかというくらい、久々にプログレバンドで興奮してる。
まぁ私の自室にはPerfumeのライブDVDなんかも数点あるんだけど、そんなものより、まず女の子は食いつかないであろうダサい感じの中年のオッサンどものスタジオ内の戯れ事を観て興奮してる私はヤバいですか?
今日の1曲:『Milliontown』/ Frost*
ライブといっても、メンバーがスタジオに籠もって客なしで演奏を繰り広げるというもので、一発録りのレコーディングみたいなものだ。
まぁメンバーに新生IT BITESの2代目ヴォーカル兼ギターを務めるジョン・ミッチェルが在籍しているので、関連バンドとして興味あるだろうと私に観せてくれたんだと思うが、最初なんかダサめの冴えないオッサンどもがスタジオで戯れてる感じのこの映像を、少し嘲笑ぎみの態度で観ていたのだが、徐々にこのオッサンどもの一筋縄ではいかない卓越した演奏力と絶妙な楽曲のメロディセンスにグイグイと惹き込まれている自分がいた。
その後、このFROST*のことが頭の片隅にずっと残っていて、このスタジオライブの映像作品がどうしても欲しくなり、ネットで探しまくったのだが、まぁマイナーなバンドなもんだから日本盤はすでに廃盤で、輸入盤ですら入手困難な状況だった。
で、先週ディスクユニオンのウォントリストをふと閲覧してみると、どうやら最近また限定再発されたみたいで新品購入可能状態となっており、一も二もなくカゴに入れ、同じく品切れ状態であったモーターヘッドの“Road Crew”ビールと共に無事私のもとに届けられた。
本作はスタジオライブのDVD映像、そして同内容のCD音源の2枚組。
Disc1の方がDVDとなっており、本作が映像メンイで制作されたことが窺える。
約1年振りに本作を鑑賞してみたが、やはり私がこの映像に心動かされたあの時の心情は間違ってはいなかったのだと確信に至った。
やはりこのバンドは凄かった。
まぁこういう例えは陳腐過ぎるかもしれないが、一言でいうと“DREAM THEATER meets IT BITES”といったところか。(ゴメンナサイ、近代プログレバンドは、この2バンドくらいしか知らないもので)
DREAM THEATERからジェイムズ・ラブリエの要素を除き、IT BITESのポップさでバンドをスッキリさせた感じといおうか。
まぁハッキリいってIT BITESよりテクニカルで、今のDREAM THEATERより断然楽曲センスが優れいている。
このバンドの主導権を握っているのは、明らかにキーボーディストのジェム・ゴドフリー。
最初映像を観た時、この七福神の布袋尊のような小太りのオッサンが、まさかリードヴォーカルも兼任していることがわかった時は思わず噴き出してしまった。まぁまずヴィジュアル系バンドじゃ考えられないだろう。
ただ、これが結構いい声をしていて、まぁこのオッサンがなかなかの曲者だったりする。
キーボードテクは超一級。3台の鍵盤を駆使し、ニコニコと余裕の表情で様々な洗練された音色のシンセを巧みに操作する。
まぁ元々売れっ子のプロデューサー業の人みたいで、スタジオの使い方は熟知してるらしく、細やかなSEなど実にハイサウンドなセッティングを施している。
ソロも全編に渡りどれも超絶でカッコいい。
そしてこの人はなんといっても歌メロセンスが抜群に優れいてる。
ここまで超絶なプログレ構成の楽曲でありながら、ちゃんとポップで絶妙なメロディセンスを兼ね備えており、そこんとこはIT BITESと相通ずる部分ではあるが、まぁそこらへんのテクニカルなだけのプログレメタルバンドとは明らかにレベルが違う。
見よ!この余裕の反りポーズ!
インテリアにもなかなかのこだわりを持っているようで、なんかアイロン台がシンセ。
ジョン・ミッチェルもこのバンドではサポート的な役割ではあるが、随所でいい感じのリードヴォーカルもとっており、ソロ&バッキング共にカッコいいフレーズをきかせていて実にいい仕事をしている。
横顔のアングルはタスマニアデビルにしか見えないが。
リズム隊もしっかりしていて、ドラムのクレイグ・ブランデルは申し分ないパワフルさ、ベースのネイサン・キングは新生IT BITESでもプレイしてる人物だが、確実なリズムを保ち、ここぞというところでベースをうねらせてくる。キー高めのコーラスもうまい。
このスタジオライブで演奏された楽曲はアコースティックセッションを除き6曲で、いずれも粒揃い。
まず1曲目のプログレフュージョンなインストナンバー“Hyperventilate”からその転調の絶妙さにすでに惹き込まれてしまう。一番キャッチーな作りのポンプロックナンバー“Heartstrings”でのジェム&ジョンの聴かせる歌の掛け合いも素晴らしい。
キラキラとした美しいシーケンスループが印象的な10分を超すプログレナンバー“Black Light Machine”の後半の怒濤のスリリング展開には興奮せずにはいられないし、ヘヴィサウンドで最もハードな曲展開をみせる“Dear Dead Days”においてもやはり歌をもの凄く大事にしていて、特に冒頭のジェムの歌メロが素晴らしい。
そして本作のハイライトとも言うべき24分超えの壮大なスケールの超大作“Milliontown”。
ジェムによるQUEENのようなシットリとした独唱で始まり、そしてダイナミックな怒涛のプログレ展開へ。ここでは各々のプレイヤーが己のプログレセンスを遺憾なく発揮しており、個人的にはネイサン・キングのベースワークが注目に値するかと。
終盤ではセッションならではの、客の盛り上がりではなく、リラックスムードだった各プレイヤー同士の触発のし合いが、プログレッシヴな演奏にいよいよ拍車をかけ、スタジオ内に凄まじい高揚感をもたらしているのが見てとれる。
CGを使った余計な映像遊びも。いらんことしいの一面もあるようだ。
いや~この盆休み、墓参りと通院以外は全く予定がないのだが、このFROST*のライブDVDで5日間もつんじゃないかというくらい、久々にプログレバンドで興奮してる。
まぁ私の自室にはPerfumeのライブDVDなんかも数点あるんだけど、そんなものより、まず女の子は食いつかないであろうダサい感じの中年のオッサンどものスタジオ内の戯れ事を観て興奮してる私はヤバいですか?
今日の1曲:『Milliontown』/ Frost*