AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

驚異

2016年10月30日 | コンサート
さて、KISS EXSPO地獄の博覧会のグッズを物色した後は、新宿ディスクユニオンでまたしても爆買いしたもんだから、リュックパンパンのまま川崎クラブチッタに向かった。

昨年の夏、神戸のチキン・ジョージで初に体感した日本のピンク・フロイド・トリビュートバンド原始神母。
昨年けっこうの数のライブを見た中で、一番といっていいほど衝撃と感動を受けてしまった私は、今度は『狂気全曲再現』という名目にまたもや魅了され、今回は関東のみの一日だけみたいだったので川崎まで遠征する決心を固めたのであった。

5月に日比谷野外大音楽堂で開催されたプログレッシヴフェスに出演し、その認知度をますます高めたのだろう、一般発売日当日に発券したのにも関わらずかなり後ろのR席になってしまった。
今回ワンマンとしては最大規模の会場川崎クラブチッタで満員御礼、立ち見客まで出てしまうという。
いや、それだけこのトリビュートバンドは見る価値があるってことなんですわ。


ジュクのユニオンで長居&またしても電車を乗り間違え、予定時間より大幅に遅れて川崎に到着。
会場に入るとKISS EXPO同様、私より5歳~15歳以上年上かと思われる年齢層の客が大半を占めていた。無論若い子の姿など見当たらない。
席は後方ながらど真ん中の席で悪くはなかった。


今回のライブ一発目は「天の支配」からと、少し意表つかれた感じだったが、故シド時代のデビュー曲からというのもなかなか乙だなと。
セットリストは昨年見た神戸の時とほぼ一緒。
まぁあのセトリは、ピンクフロイド疑似体験するにあたってこれ以上ないというほどのゴージャスなものだから文句のつけようもないのだが。
しかし、やっぱ『Animals』からは演らんのね。




昨年の神戸の時も照明はもの凄く凝ってるなと思ったけど、今回は会場がデカいだけにさらにスケールアップされたものとなっており、楽曲を熟知した照明技術者の人が各楽曲の展開に沿った見事な照明ワークを演出してくれて、原始神母の演奏により一層の神秘性をもたらしてくれていた。




第一部ではロジャー担当の扇田裕太郎氏の銅鑼パフォーマンスが炸裂する「神秘」の他、「太陽賛歌」、「吹けよ風、呼べよ嵐」などのポンペイ大会で血沸き肉踊らされ、そして待ってましたの「原始神母」でのウットリするようなサイケデリックサウンドに陶酔させられる。
やっぱ最高だよ、原始神母!!
横の方で常に両手をバンザイさせて興奮してるだいぶ歳を召された男性の方のリアクションが気になった。
でもわかるわかる!ほんとうにエキサイトさせられるのだ!
前回も思ったが、彼らの演奏を体感すると、自分がフロイド好きなのを再認識させられるのだ。


そして今回サックス奏者も登場し「狂ったダイアモンド」も完全再現!
もちろんテナー&バリトンの二刀流!!



てな感じで、のっけから内容の濃い第一部が大盛況のうちに終了。そしてチッタトイレには長蛇の列。
まぁアルコールはいった年配の方が多く、ライブの最中もトイレ退席者が続出してたな。

で、第二部ではいよいよ今回の目玉「狂気全曲再現」である。
まぁ昨年のライブでも『狂気』の曲は80%くらい披露されているので正直どうかなーと思っていた。
でも暗転して心臓の鼓動音が鳴りだしたとたんいいしれぬ緊張感に唾をゴクリと飲み込んだ。

このトリビュートバンドのおもしろいのは、SEなんかも原曲に忠実に再現してて人のしゃべりなんかもVoのケネス・アンドリュー氏が地声で再現してくれるところなんであるが、今回の『狂気全曲再現』ではイントロでの不気味な含み笑いを実際扇田氏が、そして「生命の息吹き」に入る直前の狂気的な雄叫びをコーラスの成富ミヲリ嬢自ら地声でやってはって、この辺がフロイド本家とは違ってユニークというか、遊び心があるというか。
ドラマーの柏原克己氏も凄腕で「走り回って」のハイハットの刻みから「Time」イントロの幻想的な響きのタム音まで忠実に再現してくれる(なんかの曲でスティックがすっぽ抜けたのはポンペイでのニック・メイソンを再現してのことか?)。





「US AND THEM」では再びサックスの方が登場し、ドラマティックな音色を奏でてくれた。
そうか!今回『狂気全曲再現』するためには、どうしてもサックス奏者が必要だったのか!と、この時初めて気がついた。
ラスト「狂気日食」が終わってスタンディングオベーション。もちろん私も思わず立ち上がりましたよ。
でもサイドのお二方は座ったまま。う~ん、その後まだ続くことを知ってるんだ。もっと凄いのがくるんだと。まだ立ち上がる時ではないと?


前回も思ったが、このバンドはやはり女性コーラス2人組がほんとうに絶大なる効果をもたらしている。
各々に特性もあって、例えば「原子心母」ならばラブリー・レイナ嬢のオペラ的なソプラノコーラスが、



「狂気」ならば成富ミヲリ嬢のソウルフルなコーラスが絶妙に機能するのだ。



私は昨年に続き、「虚空のスキャット」で感動のあまりまたしても目頭を熱くしてしまった。


『狂気全曲再現』が終わってから後ろの客が「まだ演るの?今何時?」と時間を気にされてた。
といってもスタートが17時だったから、まだ19時くらいなのであるが。
もちろんライブはまだまだ続いた。
うろ覚えだが「あなたがここにいてほしい」、「ECHOES」、「ナイルの歌」・・・など、定番の名曲が惜しげもなく演奏された。

そして、前回のハイライトであった「Comfortably Numb」では、シャケの咽び鳴くギターソロの時、天井のミラーボールとペンタグラムがウィ~~ンと降下してきて、今回またさらに凄いことになっていた。



ヤッターーッ!!バンザーーーイッ!!



最後はイントロの時点で「ん、まさかRun Like HellでPulseライブみたいな終わり方か?」と思ったんだが「Another Brick In The Wall」でお客様一体型の大団円。
恥ずかしながら私も「ヘーイ!ティーチャー!」って拳を振り上げ合唱に参加いたしましたよ。
いや、もうこんだけいいもん見せられたら参加するっきゃないでしょ!けっこう楽しかったし。

もちろん会場は総立ち。いやー東京の人はメチャメチャ盛り上がるなぁ。



あ、そういや、今回キーボードの人、厚見玲衣氏じゃなかったんだな。って、最後のメンバー紹介の時に気づいた。
たしかに髪型がさっぱりして垢ぬけた感じになったなと思ってたんだ。
そして扇田氏の告知で、一週間後に神戸チキンジョージでもライブ演るってことも。
わざわざこっちきたのに、いつ決まったんだよ!まぁでも平日で絶対行けないからな。


でも、今回もやはりミラーボール割れなかったな・・・・
いや、この素晴らしきライブバンド原始神母は、トリビュートバンドでありながら異例の人気を誇っているんではあるが、ピンク・フロイドをここまでハイレベルに再現するには、やはりそれなりのコストがかかってて、もう彼らはほとんど身銭けずってやってると思う。
それはやはり彼らがフロイドが好きだからこそ成しえることで、事実上解散状態にあり、今後来日の可能性はほぼゼロに近いフロイドのサウンドを我々日本のフロイドファンにひとりでも多く味わってほしいという思いから、これまで5年間もライブをし続けてくれているのである。
まぁ私としては今回のクラブチッタくらいが丁度いい規模だと思うのだが(関西ならなんばHatchあたり)、もっと多くの人に彼らの素晴らしいライブに足を運んでもらいたいと、切に願うのである。

そして我々がもっと物販を買ってあげて、いつかミラーボールが割れる日がくるように・・・・


今回のアナログレコードコースター、サイコー。






今日の1曲:『虚空のスキャット』/ 原始神母
コメント
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