AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

ブラッフォードと呼ばれて

2009年05月17日 | プログレッシヴ草稿
昨日はロバート・フリップ翁の誕生日でした。
そして、今日はビル・ブラッフォードさんの60歳の誕生日です。
ちなみに本当は“ブルフォード”と発音するんだそうです。

最初にビルのドラムと出会ったのはもう随分昔のことなので、クリムゾンの『太陽と戦慄』だったか、YESの『危機』だったか忘れてしまいました。
初期YESの黄金期ドラマーを務めた後、クリムゾン中期の重要作に参加し、スーパーバンドU.K.の名作『憂国の四士』と、まさにあらゆるプログレッシヴ・ロック・バンドご用達ドラマーとして70年代を渡り歩いたもの凄い功績と経歴の持ち主なんですよね。
渡り鳥つってもコージー・パウエルがサバスとかELPに参加といったものとは全然ワケが違うんですよ!
だって歴史に名を残した名作ばっかに参加してるんですから。

でもそのビルの参加作品の中でも私が最も思い入れ深く、愛聴盤としている作品なのが、BILL BRUFORDのソロ名義で78年にリリースされた『FEELS GOOD TO ME』だったりします。
まぁドラムをやろうと思っていた私がドラム研究の一環としてなんとのうレンタルしてみた作品だったんですが。
ドラ(?)をバックにビルがチューニングキーを指に挟んでポーズをきめている、いかにもソロでっせ的なジャケではありますが、ドラム技中心というより、ビルのソングライターとしての才能が開花した作品といっても過言ではないでしょう。
てゆーか参加メンバーがまた凄くて、EGG、NATIONAL HELTHのKeyで活躍していたデイヴ・スチュワート、ギターには名手アラン・ホールズワース、アメリカ出身の超絶ベーシストのジェフ・バーリンという超豪華ラインナップ。




こんだけのツワモノが揃うと個々の自己主張が激しくなってると思われがちだが、本作では曲の流れというものが重視されていて、とても耳に優しい洗練された音色で、それはまるで各プレイヤーがサロンで会話を楽しむかのような優雅さに溢れている。
制作時期がほぼ一緒だけに、U.K.『憂国の四士』のサウンドにクリソツですが、やはりこちらの方がフュージョン、ジャズ・ロックな要素が強く、アダルトなムードが漂っておりプログレ特有の仰々しさもない。

本作はなんといっても、ビルとジェフの絶妙なリズムセクションが楽しい!
繊細でシャープに刻まれるビルのスリリングなビート、そして弾み心地の良いベース音で自由奔放に這いずり回るジェフの指さばきは凄まじいものがあり、難解なギターを弾いてるアランのギターが気にならないほどの存在感である。特にインストの#8“If You Can'T Stand The Heat...”でのベースワークはマジ神!
4曲のみ参加している女性Voのアネット・ピーコックの適当に語りかけるような掴み所のないクールな歌に抵抗を示す人もいるだろうが、オールインストアルバムを苦手とする私にとっては彼女の歌がこの作品のよいアクセントとなって、まさにFeels Good to Me!

ところでビル・ブラッフォードさん、今年元旦をもって音楽業界から(定年?)引退されてしまわれたんですよね(泣)。
とうとう1度もビルの生演奏姿を見ることが適わなくなって、心残りもいいところさ!
95年のダブル・トリオ期のクリムゾン来日公演を逃したのは本当に痛かった・・・
いや、『Thrak』があんま気に入ってなかったもんで・・・
わが生涯に何片も悔いのあるうちのひとつ。



今日の1曲:『Beelzebub』/ Bill bruford
コメント (2)
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