AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

二十面相は誰だ!オマエじゃ!

2009年02月07日 | しねしねシネマ
観てきました。『K-20 怪人二十面相・伝』。乱歩ファンの義務として。
もう観る前から「どうせ怪傑ゾロみたいなアクロバット劇やろ、金城武もなんとなくバンデラスに似てるし」ってそれほど期待はしてなかったんです。いや、映画館に赴いたぐらいだからそれなりに期待はしてたんだと思いますけど。
まぁ二十面相の神出鬼没さがチト足りなかったけど、いやいや想定外にもおもしろかった。

まず、第二次世界大戦を回避したまさかの架空の昭和世界が舞台というトンデモ設定にいてコマされたというか。
確かにんなアホなのパラレルワールド映画なんですが、多分元々の原作がもっとバカバカしいものだと思うので、このぐらい設定をメチャクチャにしないと映像化できないと監督はふんだんだと思いますよ。じゃないと、単なる幼児向け映画になるだろうからねぇ~
全体の話の流れは『スパイダーマン』と『スパイ大作戦』をくっつけたようなスパイ&スパイな話なんですね。このケミストリーが功を奏したのかもしれません。私は『マスク・オブ・ゾロ』や『スパイダーマン』よりかは面白い!って思いました。
それは多分トンデモ昭和の絢爛な大帝都を構築した舞台背景がよかったからだと思います。
『三丁目の夕日』を見てなかったので、この撮影チームがどんだけ技術高いのか知らなかったのですが、いやいや、日本の映画もここまできたか!と嬉しくなっちゃいましたね!
そうとう金かけてんのがわかりますし、少なくとも20年前くらいのハリウッドには追いついたんじゃないかと言える映像ではなかったでしょうか?

金城のクサい演技はおいといて、脇を固める役者陣は本当にハマってたと思います。
とくにカラクリ師役の國村隼さんがいい味出してた。あと小林少年の子憎たらしいチェック服姿もサマになってたと思います。ちゃんとDBバッジつけてたし。
少年探偵団ってなんか秘密警察っぽかったなぁ~、そういう設定も気に入りました。

よくダメ監督が使う見苦しい言い訳である「原作とは違った、全く新しい世界」な冒涜感はありますが、でもそれなりに乱歩的要素がちゃんと盛り込まれてたと思いますよ。
特にラストのドンでん返しは正に「蜘蛛男」のそれじゃないですか!!

ここからちょっとネタばれになるのでこれから観ようと思ってる人は目をつぶるか、人間椅子でも聴いていて下さい。

人間椅子 -「怪人二十面相」(アルバム『怪人二十面相』より)

てっきりこの曲がエンディングテーマや思てたのに・・・なんでOASISやねん!

終盤クライマックスは見事でした!あのアッと驚くサプライズ展開!よくそこまで乱歩作品のキャラ設定を根底から覆すオチに仕立て上げたものだと、なんか逆に感心してしまいました。
でも悲しいかな、最初からバレバレなんですよ。乱歩作品とか、外国の探偵小説読みつくしてる人はもちろん、そうでなくっても感のいい人にはわかっちゃいますね。
だってあまりにも仲村トオルの明智らしからぬ存在が胡散クサすぎるでしょ!鹿賀丈史の面でごまかそうったってダメです。
まぁこの設定、一部の乱歩ファンからは非難轟々でしょうな~
私は元々イチビリすぎな明智のキャラが好かんかったので、この設定は気に入ってます。むしろ嬉しくなっちゃいました。
それに、以前私が『スパイダーマン3』の記事で提言してた「スパイダーマンVS蜘蛛男」の構想がここでなんとなく実現した感があり、ひとり勝手に感慨深い気持ちになっちゃいました。
この脚本、まさか私のブログ記事がヒントになったのでは?なんてな。

どういう意味かわからないって?
いや、ひとりよがりの思い込みなんで気にせんといて下さい。

オススメ度:★★★★



今日の1曲:『誰だ!』/ 電気グルーヴ
コメント
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