AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

特集 私をラウパーに連れてって その2~CARCASS~

2008年10月09日 | やっぱりメタル!!
21日のCARCASS2度目の来日公演、自分の中でだんだんと行く方向に向かってます。
初来日ライヴでタップリ官能しているので、まぁええかなと思ってたんですが、なんせ15年振り奇跡の復帰ライヴである。やっぱ近くまで来るとなると私の中の屍体(CARCASS)愛好癖がモラホラと疼きだしてくるのをどうにも抑えることができません。

というわけで、今日は私が愚劣な道に恋焦がれていた学生時代、初めて体験したCARCASSの3rdアルバム『屍体愛好癖』について語ろうかと思います。
ちなみにいまだに英語名は覚えられません。とりあえずステキ過ぎる全曲の邦題を紹介しておきましょう。



前作までは劣悪なグチャグチャゴアグラインドサウンドをぶちまけてた彼らでしたが、マイケル・アモット加入により、メロディが全面に顕れ、楽曲に整合感が具わりました。てゆーかサウンドプロダクションが段違いに良くなってる。
スピードが激減し、全体的にミッドテンポな作風が目立ち、それが初期からのファンの顰蹙をかう要因ともなっている。
だからといって4thほどわかりやすい楽曲というわけでもなく、のんべんだらりとした長尺の楽曲ばかりで、全く先の読めない不可思議極まりない曲展開で聴き手を置いてけぼりにする。よっていわゆるハートワークファンにもそれほどウケはよくないようだ。
メロディアスになったとはいえ、前作から引きずってる残虐さが曲の随所に垣間見られ、まだこの頃はビルのデスゲボ声もステキに絡んできています。
曲の冒頭に挿入されているSEなんかも、あたかも解剖室の中にいるような冷酷な雰囲気を漂わせており、それが聴き手に対し何ともいえない不安をかりたてて止まないのだ。
歌詞内容もやっぱり人体をバラバラに切り刻むことしか歌ってない(しょうがねぇな~)。

秋山幸子さんの対訳も素晴らしく、「火葬場の火格子は湯気がモラホラおさまらねえ」とか、「俺の流血美術は免許皆伝、彫り物と潰してやるのが好物」とか、「肉と骨を切り刻み、頭骸骨は迷惑千万-何が何だかワカリマセーン・・・」とか、正にやりたい邦題の幸ちゃんワールドです。こっちが何が何だかワカラナイ。
“アモットの撰りすぐった最高級肉片”みたいに、ギターソロにまでいちいち名前が付けられるのは、もはやCARCASSの伝統芸ですらある。
オリジナルライナーに掲載されてるヴィルヘルム・シュテッケル博士著のテクスト『人肉嗜食と屍姦』『虐待色情狂と被虐待淫乱症』からの抜粋記事まで丁寧に翻訳してあるところなぞ、実に秋山さんらしいいきすぎた心配りであろう。(どんな内容かは世間体を配慮し、ここでは控えさせていただく)
とにかくこの作品は、初期の残忍さと、アモットのイビツ感をまとった哀愁のメロディが不穏なケミストリーを生み出したCARCASSのディープな傑作アルバムだと私は思う。
聴けば聴くほど癖になる美味なるこの冷ややかな残虐サウンドを貴方も是非味わってみてはいかがだろうか?

ライヴでは“肉体不協和音”と“リゼルチン酸による嘔吐、吐瀉物による洗浄”は是非セットで聴きたい。
“若き臨床科医の肖像”で一緒に「デリシャス!!」と叫びたい。



今日の1曲:『硫酸どろどろなんでも溶かす』/ CARCASS
コメント (3)
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