AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

硫黄島からの手紙

2007年07月02日 | しねしねシネマ
昨日は映画の日ということもあり、映画館2軒ハシゴしました。
まず一軒目は車で3分のマイカルで『硫黄島からの手紙』が500円でアンコール上映されておったのを姉と朝10時から見てきました。

昨年公開のこの作品、気にはなっていたのですが、監督がクリント・イーストウッドだったので「なんか胡散臭そうやな~、どうせ退屈極まりない日本人ご機嫌とり映画やろ」と、この作品を敬遠しておりました。なんせ自分、彼監督の映画『ミスティック・リバー』を劇場鑑賞中、イビキかいて寝てしまった過去がありますんで。
この日も3時間くらいの睡眠しかとってませんでしたが、まぁそこはさすが『プラトーン』や『プライベート・ライアン』などの傑作戦争映画を輩出した国アメリカ。映像美もバッチリだし、戦闘シーンもそれなりに見せてくれるので、前回のように寝るようなことはありませんでした。
でもまぁようある敗戦国日本を描いた戦争映画です。
威張り散らし、殴り蹴る鬼上官。それを嗜める理解あるいい指揮官。玉砕シーン。生き残る主人公。この要素でだいたいこの手の映画が作れます。まぁ負け戦の戦争映画なんて誰がどう描いてもこういうデキになってしまうのでしょう。
渡辺健演じる栗林中将はさすが貫禄タップリ!こういう役柄はもうご用達ってとこでしょうか。
でもラストは結局ラストサムライになってましたねぇ。

しかし他の者の描かれ方がなんかお粗末過ぎ!西郷という兵士を演じる嵐のメンバーの兄ちゃんですが、演技は思ったよりイケてるのだが、この時代にしてはキャラが浮きすぎというかチャラい。だいたいあんなしゃべり口調の日本兵士がおるか?
はじめから「こんな島沈めればいいんだ」とかほざいたり、あまり果敢に戦うこともなくひたすら逃げ回り、その割には島の周りを連合艦隊が取り囲んでるのを目撃してもクソの入ったバケツを落として減らず口を叩く。なんやこいつの緊張感のなさは!?
硫黄島が米軍に占領されたら本土爆撃の活動拠点となる恐れがあり、そうなれば自分の妻子たちの命も脅かされるというのに、生きて帰ることしか考えてないこやつの軽薄さ。この西郷は我々に何を伝えたかったのでしょうか?たんなる手紙調達人か?

この硫黄島での戦いはかなり熾烈を極め、5日で落ちると目されていたのが36日にも及ぶ長期戦となり、米軍側は約25000人の死傷者を出したという。それに大して硫黄島の日本軍兵士の総数は23000人である。陸上戦闘で米軍の損害が日本軍を上回ったのは、この硫黄島だけだったという。
そういうしぶとい日本軍の根性とか勇ましさをこの映画はあまり描いていない。実際摺鉢山の陣地では奪い奪われの争奪戦が何回も繰り広げられたというし。
イーストウッドは栗林中将の戦術の素晴らしさに惹かれ、この映画を作ったという。確かに玉砕突撃(バンザイ突撃)を最期の最期まで許さず、島内各所に坑道陣地を設け、持久戦に持ち込むといったところはちゃんと描かれておりました。その辺の描写はさすがです。
でも結局この作品で何を伝えたかったのはかなり曖昧です。
「無駄死にするな。投降したら殺されるかもしれないけど助かる場合もある。」といったところでしょうか。

しかしこういった重い敗戦映画はもうウンザリですわ。
別に戦争を美化したいわけやなけど、やっぱり自分の国が勝っている時の痛快な戦争映画がそろそろ見たい。

オススメ度:★★


2軒目の映画館では『善き人のためのソナタ』を観たのですが感想はまた次回にて。

今日の1曲:『WAR』/ MACE
コメント
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