AcousticTao

趣味であるオーディオ・ロードバイク・車・ゴルフなどに関して経験したことや感じたことを思いつくままに書いたものです。

6644:Concentra

2024年05月10日 | ノンジャンル

 月に1回訪問する高円寺にある顧問先の会社での打ち合わせを終えての帰り道、いつものようにとある店に立ち寄った。

 その店の名前は「Rummy」。10年ほど前にオープンしたジャズ喫茶である。

 ジャズ喫茶は1960年代に巻き起こったジャズブームに乗って全盛期を迎えた。その当時コーヒー1杯は100円もしなかったが、レコードは1枚2,000円以上した。高価なレコードを買えない若者たちは、ジャズ喫茶に足を運んだのである。

 しかしその後、ジャズブームも去り、高度経済成長を経て、一般家庭でもオーディオ機器を持てるようになり、誰もが気軽に音楽を聴けるようになると、ジャズ喫茶は次第に姿を消していった。

 ジャズ喫茶と言っても「Rummy」は、古くから営業している老舗ではないので、店内もあか抜けていてお洒落である。

 店内は、ブルーグレーに塗られた壁が落ち着いた雰囲気を醸しだしていて、天井からは真鍮製の吊り下げ照明器具が淡い光を放っていた。とても落ちつた雰囲気を有していて、清潔感もある。

 床はコンクリートがそのまま使われていて、椅子やテーブルはアンティークな木製のもので、どれもがセンスの良さを感じさせる。カウンター席には椅子が5つ並び、4人掛けのテーブル席が三つ並んでいた。

 ジャズ喫茶なので、当然店内にはジャズが大きめの音量でかかっている。CDプレーヤーはなく、かかる音源のすべてはレコードである。この店はオーディオ装置も独特である。

 ジャズ喫茶に置かれているスピーカーというと、どうしてもJBLやALTECといったメーカーのものを連想しがちであるが、この店に置かれているスピーカーは、20年ほど前の製品と思われるHales Desingn GroupのConcept Threeである。

 Hales Desingn Groupは20年程前までは日本にも正式に輸入されていた。その後メーカーそのものが倒産したようであった。

 一般的にはほとんど知られていないハイエンドスピーカーメーカーである。Concept Threeは、やや大型のトールボーイタイプのスピーカーである。どことなくAVALONのようでもあるし、THIELのようでもある。これらを足して2で割ったような印象を受ける。

 このレアなスピーカーを駆動するのは、Jeff RowlandのConcentra。我が家のリスニングルームのGTラックに静かに佇むJeff Rowland Model2とほぼ同じ意匠である銀色に波打つフロントパネルが美しいプリメインアンプである。レコードプレーヤーはMichell EngineeringのGyro SEであった。フォノイコライザーはConcentra内蔵のものが使われている。

 Concentraは、マイナーチェンジが何度か行われたが、この店にあるものは表示が赤色なので、オリジナルであろう。オリジナルであると1997年の発売となる。既に四半世紀ほど前の製品である。

 サイズは、我が家のパワーアンプであるJeff Rowland Model2とほぼ同じ。ラックへの収まりも良いサイズである。

 カウンター席の端に座って、珈琲とチーズケーキのセットを注文した。

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