「たぶん知らないと思うけど、このプリメインアンプは、Balanced Audio TechnologyというメーカーのVK-300X・・・かっては日本にも正式に輸入代理店を通じて販売されていたけど、今は輸入代理店も取り扱いを停止しているはず・・・人気はなかったので相当にレアな存在だけど・・・ごくまれに中古市場にも出てくる・・・」小暮さんは、さらっと説明した。
私にとってはBalanced Audio Technologyというメーカーはとても懐かしいものである。オーディオを趣味とするようになった2006年に最初に購入したプリアンプがBalanced Audio Technologyのものであった。
実は購入前までそのメーカーのことは全く知識がなかった。JR秋葉原駅の高架下にかつて店舗があった「ダイナミックオーディオ・アクセサリセンター」で、店長であった島田さんから勧められて購入したのが、Balanced Audio Technology VK-51SEというプリアンプであった。デザインはそれほど優れたものではなかったが、真空管式のプリアンプで音の温度感が好きであった。
オーディオを始めた当初、Balanced Audio Technology VK-51SEとCLASSE CA-2200とを組み合わせたセパレートアンプを使用していた。
もう15年も前のことである。そのため「オーディオショップ・グレン」でBalanced Audio Technology VK-300Xの姿をオーディオラックの上段に認めた時、とても懐かしい感覚に襲われた。
そのプリメインアンプは、私がかつて使用いていたプリアンプであるVK-51SEととてもよく似ていたからである。フロントパネルだけを見るかぎりは、ほぼ同じである。
最近ショップで買い入れたプリメインアンプである。「とても程度が良くてね・・・10年以上大事に使われていたようで、ジェフ・ローランドのプリメインアンプに買い替えるということで、うちで買い取ったんだ・・・このデザイン、ちょっと変わってるよね・・・センスが良いとは言えないんだけど、どこかしら引っかかるというか、気になる要素があってね・・・しかも、真空管とトランジスターのハイブリッド構造でね・・・音を聴いてみたかったというのが本音かな・・・人気がないから高くは売れないけど、利益追求というよりも個人的な好奇心から買い取ったって感じかな・・・」と小暮さんは説明を続けた。
私はこのメーカーのプリアンプをオーディオを始めた当初に使っていたということは小暮さんには明かさないでおいた。
「確かにセンスが良いデザインではないですね・・・武骨で、少々滑稽ですらあるけど、なぜかしら心惹かれる要素があります。レアなメーカーというのも良いですね・・・誰もが知っているメーカーでないというのが・・・マニア心をくすぐります。」
「そうだよね・・・Balanced Audio Technologyのプリメインアンプを使っています・・・と普通のオーディオマニアに言うと、結構インパクトがあるかもね・・・」
そんな会話を二人でしばらくしてから、「では、さっそく聴いてみましょう・・・」ということになった。
スピーカーは「オーディオショップ・グレン」の常設機器であるソナスファベールのエレクタ・アマトールである。このエレクタ・アマトールは実にコンディションの良いもので、売ってほしいという依頼が結構あるようであるが、小暮さんは「非売品」で通している。「こんなにコンディションの良いものは、もう出てこないからね・・・」と話されていた。
送り出しはこれも「オーディオショップ・グレン」の常設機器であるNAGRA CDCである。「NAGRAはCDプレーヤーから撤退するみたい。CDCも生産が中止された・・・」と小暮さんは残念そうに話されていた。これも時代の流れである。CDプレーヤーはもはや「風前の灯」の状況である。
私はリスニングポイントに置かれた3人掛けの黒い革製のソファの真ん中に座って、Balanced Audio Technology VK-300Xを眺めていた。「懐かしい・・・VK-51SEそっくりだ・・・あれからもう15年も経ったのか・・・『光陰矢の如し』だな・・・」と心の中で独り言を漏らした。
私にとってはBalanced Audio Technologyというメーカーはとても懐かしいものである。オーディオを趣味とするようになった2006年に最初に購入したプリアンプがBalanced Audio Technologyのものであった。
実は購入前までそのメーカーのことは全く知識がなかった。JR秋葉原駅の高架下にかつて店舗があった「ダイナミックオーディオ・アクセサリセンター」で、店長であった島田さんから勧められて購入したのが、Balanced Audio Technology VK-51SEというプリアンプであった。デザインはそれほど優れたものではなかったが、真空管式のプリアンプで音の温度感が好きであった。
オーディオを始めた当初、Balanced Audio Technology VK-51SEとCLASSE CA-2200とを組み合わせたセパレートアンプを使用していた。
もう15年も前のことである。そのため「オーディオショップ・グレン」でBalanced Audio Technology VK-300Xの姿をオーディオラックの上段に認めた時、とても懐かしい感覚に襲われた。
そのプリメインアンプは、私がかつて使用いていたプリアンプであるVK-51SEととてもよく似ていたからである。フロントパネルだけを見るかぎりは、ほぼ同じである。
最近ショップで買い入れたプリメインアンプである。「とても程度が良くてね・・・10年以上大事に使われていたようで、ジェフ・ローランドのプリメインアンプに買い替えるということで、うちで買い取ったんだ・・・このデザイン、ちょっと変わってるよね・・・センスが良いとは言えないんだけど、どこかしら引っかかるというか、気になる要素があってね・・・しかも、真空管とトランジスターのハイブリッド構造でね・・・音を聴いてみたかったというのが本音かな・・・人気がないから高くは売れないけど、利益追求というよりも個人的な好奇心から買い取ったって感じかな・・・」と小暮さんは説明を続けた。
私はこのメーカーのプリアンプをオーディオを始めた当初に使っていたということは小暮さんには明かさないでおいた。
「確かにセンスが良いデザインではないですね・・・武骨で、少々滑稽ですらあるけど、なぜかしら心惹かれる要素があります。レアなメーカーというのも良いですね・・・誰もが知っているメーカーでないというのが・・・マニア心をくすぐります。」
「そうだよね・・・Balanced Audio Technologyのプリメインアンプを使っています・・・と普通のオーディオマニアに言うと、結構インパクトがあるかもね・・・」
そんな会話を二人でしばらくしてから、「では、さっそく聴いてみましょう・・・」ということになった。
スピーカーは「オーディオショップ・グレン」の常設機器であるソナスファベールのエレクタ・アマトールである。このエレクタ・アマトールは実にコンディションの良いもので、売ってほしいという依頼が結構あるようであるが、小暮さんは「非売品」で通している。「こんなにコンディションの良いものは、もう出てこないからね・・・」と話されていた。
送り出しはこれも「オーディオショップ・グレン」の常設機器であるNAGRA CDCである。「NAGRAはCDプレーヤーから撤退するみたい。CDCも生産が中止された・・・」と小暮さんは残念そうに話されていた。これも時代の流れである。CDプレーヤーはもはや「風前の灯」の状況である。
私はリスニングポイントに置かれた3人掛けの黒い革製のソファの真ん中に座って、Balanced Audio Technology VK-300Xを眺めていた。「懐かしい・・・VK-51SEそっくりだ・・・あれからもう15年も経ったのか・・・『光陰矢の如し』だな・・・」と心の中で独り言を漏らした。