再生可能エネルギーの話が出始めた当初から、僕はなぜ日本で地熱発電が話題にならないのか不思議だった。そもそも石炭や石油に頼る火力発電でも、原子力を利用する原発でも、やっていることは同じで、お湯を沸騰させて蒸気の力でタービンを回すというものだ。だったら最初から湧いたお湯を使えばいいと思うのだが、太陽光発電は流行しても地熱発電の話はちっとも聞かなかった。
が、昨日Yahoo!ニュースで地熱発電の記事が出ていると思ったら、今朝のワイドショーでも地熱発電が取り上げられていた。なぜニュースになったかというと、最近急激に店舗数を増やした業務スーパーの社長が、流通業界の知恵を活用して地熱発電をやっているからだ。
日本は地熱エネルギーに関しては世界第3位の大国である。それだけの資源を持ちながら、利用できていない現状がある。そこで業務スーパーの社長は、大きな発電所を作るのではなく、掘削機を自社で開発し、掘削費用を抑え、地上の発電所にしても小さなパッケージを組み合わせるという、コロンブスの卵のような方法を発明した。地熱発電所を作ろうとすると、地下の地熱のエネルギー量に対応して、発電所の規模を変えていたのを、すべて同じ小さな規格で作り、大量生産することで費用を抑える。地熱量によってそのパッケージの数を増やしたり減らしたりすることで、地域性に対応するというものだ。
こうなると、発電所は市町村単位でも可能になるだろう。さらに大きなメリットとして、災害により発電所に被害があっても、近隣から電力を分けてもらいやすくなるということだ。大型の原発で一括して電力を作り、遠くまで供給すると、何かあった時に大規模な停電が起こってしまう。それを考えただけでも、供給元はたくさんある方がリスクは減るのは間違いない。
では、なぜ今まで地熱発電は造られてこなかったか。ひとつには電力自由化前は大手電力会社が電力を独占し、儲かる仕事しかしてこなかったこと。地熱発電の候補地が国立公園内にあることが多いこと。また地熱発電を行おうとすると、必ず温泉が出なくなるんじゃないかという不安な声が上がること。そうしたことが常に問題視されていた。
が、電力は自由化された。国立公園の景観を守るためという理由も、観光道路やホテルを作るのは許しているのだから、造らない理由にはなっていない。また、温泉と地熱のための地下水では、深さが全然違うために神経質になるほど影響は考えられない。そういう反対理由は、僕は電力会社や電力会社に子息を多く就職させている議員が広めているんじゃないかとも思っている。要は利権が絡んでいるのだろうと推測している。
欧米諸国では、何かプロジェクトを行うとき、まずは小さな地域でやってみるという。それがうまく行けば徐々に規模を広げていく。失敗すればそこで立ち止まればいい。それに引き換え我が国のやり方というのは、いきなり大型プロジェクトとして始めようとする。そのためにいつになっても結論が出ずに、動き出すことができない。トライアンドエラーは常識である。が、なぜか日本ではエラーは許されない。
マイナンバーカードだって、まず世田谷区だけでやってみるとか、北海道でやってみるとか、小さなところから徐々に広げて行くのが当たり前のやり方である。それを全国一斉に始め、支障があれば全国で一斉に止めてしまう。
が、昨日Yahoo!ニュースで地熱発電の記事が出ていると思ったら、今朝のワイドショーでも地熱発電が取り上げられていた。なぜニュースになったかというと、最近急激に店舗数を増やした業務スーパーの社長が、流通業界の知恵を活用して地熱発電をやっているからだ。
日本は地熱エネルギーに関しては世界第3位の大国である。それだけの資源を持ちながら、利用できていない現状がある。そこで業務スーパーの社長は、大きな発電所を作るのではなく、掘削機を自社で開発し、掘削費用を抑え、地上の発電所にしても小さなパッケージを組み合わせるという、コロンブスの卵のような方法を発明した。地熱発電所を作ろうとすると、地下の地熱のエネルギー量に対応して、発電所の規模を変えていたのを、すべて同じ小さな規格で作り、大量生産することで費用を抑える。地熱量によってそのパッケージの数を増やしたり減らしたりすることで、地域性に対応するというものだ。
こうなると、発電所は市町村単位でも可能になるだろう。さらに大きなメリットとして、災害により発電所に被害があっても、近隣から電力を分けてもらいやすくなるということだ。大型の原発で一括して電力を作り、遠くまで供給すると、何かあった時に大規模な停電が起こってしまう。それを考えただけでも、供給元はたくさんある方がリスクは減るのは間違いない。
では、なぜ今まで地熱発電は造られてこなかったか。ひとつには電力自由化前は大手電力会社が電力を独占し、儲かる仕事しかしてこなかったこと。地熱発電の候補地が国立公園内にあることが多いこと。また地熱発電を行おうとすると、必ず温泉が出なくなるんじゃないかという不安な声が上がること。そうしたことが常に問題視されていた。
が、電力は自由化された。国立公園の景観を守るためという理由も、観光道路やホテルを作るのは許しているのだから、造らない理由にはなっていない。また、温泉と地熱のための地下水では、深さが全然違うために神経質になるほど影響は考えられない。そういう反対理由は、僕は電力会社や電力会社に子息を多く就職させている議員が広めているんじゃないかとも思っている。要は利権が絡んでいるのだろうと推測している。
欧米諸国では、何かプロジェクトを行うとき、まずは小さな地域でやってみるという。それがうまく行けば徐々に規模を広げていく。失敗すればそこで立ち止まればいい。それに引き換え我が国のやり方というのは、いきなり大型プロジェクトとして始めようとする。そのためにいつになっても結論が出ずに、動き出すことができない。トライアンドエラーは常識である。が、なぜか日本ではエラーは許されない。
マイナンバーカードだって、まず世田谷区だけでやってみるとか、北海道でやってみるとか、小さなところから徐々に広げて行くのが当たり前のやり方である。それを全国一斉に始め、支障があれば全国で一斉に止めてしまう。