おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

老化の始まり

2024-02-02 11:17:12 | 日記
 「若い頃に比べて記憶力が下がった」とか「体力がなくなった」とか、歳をとると大体の人が口にする。歳を取ったなあと感じる。しかしながら、老化が始まるのはそれよりもずっと早い。ある記事を読んでいたら、老化現象の最初は「意欲の低下」だというのである。

 以前働いていた職場でも、「体力がないんですよね」としみじみ言うから、「じゃあ、体を鍛えたら」と応えると、「でも今から始めたって遅いでしょ」とキッパリと断言する。彼はその年に40歳になったばかりなのである。

「今から始めても遅い」という言葉を、耳にすることは結構多い。穿った見方をすれば、やらないことの言い訳に使っている節がある。「やらないんじゃなくて、やっても仕方がないからだ」というわけである。「意欲の低下」が進むと、好奇心がなくなり周囲に対して興味も薄くなる。出歩くのも億劫になったり体を動かすのも面倒になると、当然体力も落ちる。その結果、認知症に対しても悪い方向へと突き進むことになる。

 高齢化が進む日本で問題なのは、人口減少が本質的なことではない。高齢になるにつれ、意欲がなくなった人たちが増えることが一番の問題なのである。人口減少による労働力不足で、高齢者も働く社会に変えようと政府は考えているようだが、労働人口が多ければ社会が活性化するわけではない。意欲がなくなってくると、人は変革を望まなくなる。できれば現状維持で働く方がスムーズに事を運ぶことができる。そうした人たちが、会社でも決定を下す重要ポストに就くようになると、新しいアイデアや社会の変化に対応することは鈍くなる。

 日本社会の低迷が叫ばれるようになって久しい。日本人に一番必要なのは、体力でも記憶力でもなく、新しいことに挑戦することを厭わない意欲なのではないか、とそんなことを記事を読みながら考えた。
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