失敗は成功の母

　テオの絵に続いて、アンの絵に取りかかっていた。80％くらいまで描き終え、いよいよ仕上げにかかろうとしていた。白く残したいところにマスキングテープを貼っていたので、それを取ってから鉛筆の跡を消しゴムで消して行く。

　ところが、いつもはマスキングテープを貼った後は、すぐに剥がしていたのだが、今回はずっと張りっぱなしにしておいた。その方が画面が汚れないと思っていたからだが、これが大失敗だった。マスキングテープを剥がそうにも、しっかりと紙に張り付き、ゆっくりめくっても紙の表面ごと剥がれてしまう。どんなに慎重にしても剥がれないので、ついに諦めて一から描き直すことにした。

　なぜ今回だけこんなに剥がれないんだろうと調べてみると、テープといえどノリや接着剤と同じで、時間が経つほどに粘着力が増すのである。そういうことか。さっさと剥がしておけば良かった。

　で、紙もなくなったので文房具店に出かけ、イラストボードを数枚買ってきた。ついでにドラフティングテープというのも購入した。これは製図などを書く時に使用するもので、仮止めにも使われる。粘着力の弱いテープらしいのだ。マスキングテープをネットで調べる際、マスキングインクの存在も知ったので、これはネットで注文しておいた。ゆるい液体ボンドみたいなもので、これを画面に塗っておき、後で消しゴムで消すことで白く抜くことができるというものだ。

　さて、これで準備が整ったので、再びアンの絵に挑戦するつもりでいる。が、その前に呼吸を整え、新たな気分で描き始めたいと思ったので、朝からランニングに出た。明日から寒くなるというので、路面が凍る前に走ってこようと思ったのだ。



　途中、ちらちらと雪が舞う時間もあったが、本格的に降るところまでは行かなかった。明日からは確実に天気が荒れそうなので、家にこもってアンの絵を描く予定だ。一度失敗しているので、次は少しはマシなものが描けるだろう、と期待している。