おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

壮大な暇つぶし

2017-10-05 10:54:24 | 日記

 植村直己さんの冒険を記録した映画でもないかと探したが、見つからないので代わりに湯川豊さんが書いた「植村直己・夢の奇跡」を読んでいる。湯川さんは文藝春秋の編集者で、星野道夫さんの著作集でも全巻解説を書いている。「それは小さなことで、他人には全然わからないかもしれないけれど、本人からしてみたら、それをやるために自分の全力を注ぎ込んで、誰の制約も受けずに心から出たものだけでやってることです」と、植村さんは言うが、それは誰も真似のできないほど大変な偉業だった。

 植村直己さんのように、一生の間、普通の意味での仕事にはつかず、冒険に命をかける人たちがいる。反対に105歳で亡くなった聖路加病院の院長・日野原重明さんのように、患者と一体感を得るために一生を医療に捧げた人もいる。

 世の中には、自分の持てる力をすべて出し切って、何事かをやりきろうとする人たちがいるが、翻って自分の生活を見てみると、明日の食べ物の心配をして働いたり、時間が空いたから遊びに出かけたり、用事もないのに街中をプラプラしたりと、ただ時間の流れに身を任せている。まるで、人生を壮大な暇つぶしとして過ごしているかのようだ。

 いかんいかん、と反省はするものの、「小さなことで、他人には全然わからないかもしれない」ことに「自分の全力を注ぎ込んで」毎日を暮らすのは難しい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする