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子どもの諸能力には、発達時期がある  文科系

2022年09月22日 00時20分16秒 | スポーツ
 前から書いてみたかった標記のことを、老い先も短いと感じている今、まとめてみました。
 我が子を育てる場合も、孫の面倒を見る場合も、標記のことがあると押さえておくのは大事なことと思います。「この能力」はこの時期に最も育ちやすく、「この時期を逃すととても難しくなる」という事態があるからです。

 三歳までは感覚、知覚が育ちます。感覚、知覚の説明は長くもなるし難しくて、一言で言えば「周囲の(具体的な)物事への感じ覚え」と言うしかありません。より広い世界で、体をいろいろに使った体験からこれが豊富になっていきます。そして、「これの豊富さを土台としてこそ」その段階以降の言語も育っていく。ただ、この段階の言語は、まだ抽象的なものは苦手で、具体的な領域の言語が主となります。
 この「具体的言語世界」に抽象的なものが本格的に入ってくるのは、8~10歳から。つまり3~4年生からです。ちなみに、この発達構造が解明され始めたのは20世紀後半になってからで、その要点はこんなことです。「他人の立場、目でも物が見えるようになり始める」と。これについては、大人でも電話で道順を教えるのは難しい人がいるのですが、このことに必要な能力というものを考えてみてください。「誰にでも分かる」、「目印」「東西南北や距離」が必要なはずです。
 なお、この時期以降の作文は、人の気持ちとかの内面の表現や抽象的言語などが増え、豊富な接続詞なども使われ始めるということから、低学年のように自分の体験だけをいくらずらずら長く書けても良い作文とはいえなくなります。人間内面の表現(言葉)や接続詞などは、目に見え手で触れる対象の表現ではないから難しいのです。

 本当の学力に必要な豊富で論理的な言語能力とは、以上すべてがその基礎になるものです。


 次にいろんなスポーツ能力に関して観てみましょう。
 そのスポーツに合わせた巧みさ、手足を含めた身体のこなし方、その正確なアジリティーは小学校までほどに身につくもので、サッカーなどではこの時期を黄金時代と言われて来ました。そして、次が有酸素運動能力ですが、これは中学時代が黄金時代です。大人のサッカー選手などにもよくいる「超上手いのに走れない人」がプロになれず消えていくのは、この時期を失したということです。他方、わゆる筋力は、高校生以降20歳過ぎても十分に付いていくものです。

 以上のスポーツ能力で、サッカーを例にとって面白い話を少々。
 中村俊輔は体の成長が晩熟タイプでマリノスユースに上がれませんでした。ただ、この晩熟タイプというのは言い換えれば、上記の身のこなし、正確なアジリティーを養う黄金時代が長いということだし、「筋力は後でも十分間に合う」という事も含まれていることになります。こういう身体発達理論を踏まえることになったからこそ、俊輔はあれだけの選手になれたと思うのです。中村憲剛もこの晩熟タイプに見えますし、彼の場合は「優れた言語能力で体(や仲間)を導く」力もすごかったと思います。個人プレーをいくら磨けても、言語能力がなければチームを強くできる人にはなれませんから。
 ガンバのジュニアユースの同期家長がユースに上がれて本田が落ちたのも、本田の体の強さに相対的な問題があったと言われたいました。その後の本田は、これをものすごく鍛えたはずです。これも、「筋力は高校生以降でも十分間に合う」という事実を示していると思います。

 代表監督ザッケローニが当時までの日本の最優秀FWに三浦カズと岡崎慎司をあげているのですが、その岡崎らについても面白いお話をお一つ。
 彼は決して足の速い選手ではありませんでした。つまり、走るアジリティーはサッカー選手としてけっして優れているとはいえなかった。ただ、中学時代に育つ有酸素運動能力は十二分に育っていたと分かります。プロの清水エスパルスに入って間もなく彼が急に化けたのですが、元オリンピック短距離選手、杉本という人の元に通って「走り出し方」の修練を積んだからでした。
 ただ、いくら走り出しが早くなっても、岡崎のように1ゲームに50回以上も規定のダッシュができるというのは、FWで攻守に走れるというすごいこと。日本のプロダッシュ回数平均は30もないと思いますから。この「規定ダッシュ」の定義は、時速24キロ(400mを1分で走る速さ)で1秒以上走るというもの。
 この岡崎以上に、速さもダッシュ回数も世界のプロ中でもダントツと話題になり始めたのが、前田大然。彼の得点能力はまだまだ上がると、スコットランドで大きく騒がれ始めました。伊東純也が久保建英を押しのけているのにも、あの速さこそ不可欠のはず。彼も、小中学で両様の走りを極めていたということでしょう。この伊東のすごさがつい最近また欧州に鳴り響いています。ネイマールとメッシに次いで、クロスを含む良いスルーパスが五大リーグでここまで3番目に多いと発表されたそうです。あれだけ何回も何回も相手をぶっちぎることができれば、余裕を持って良いクロスがあげられるという話でもあるのでしょう。名古屋の相馬にも同じものを感じます。彼が代表候補に選ばれているのも、伊東と同じ理由だと観てきました。

 以上、サッカー選手でも小中学校時代に筋力以外の後の成否が決まっていて、後になっては遅いというその内容を述べたつもりです。 

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