民主主義(国家制度)については、人類史上最初にこれを生み出した国の20世紀の首相・チャーチルの有名な言葉がある。因みにこの国、イギリスは戦後、世界に持っていた大半の植民地を手放すことによって、「トゥキディデスの罠」「超大国の悪足掻き」を民主主義的に避けて見せた珍しい世界史例をも作っている。こうせざるをえない国際的諸条件が当時あったにせよ、ゴルバチョフ・ソ連の「冷戦は負けた」と国際的な悪足掻き大過を作らず大国から降りた例(連邦解体にも足掻かなかった)とともに、国際民主主義の名において評価すべきものだと思う。
チャーチルの誰でも知っている有名な言葉はこういうものだ。
「民主主義は最悪の制度だ。が、(人類国家制度史上で)これよりましな制度は無かった」
この意味は、こういうことだろう。選挙に基づく民主主義国家は衆愚政治になったり、時には独裁制国家になったりもするが、これは国民の質次第。でも、国民が決めた選挙という道をとるしかないのである、と。
ところが、大マスコミ、ラジオやテレビが生まれてからは、ある為政者達がその国民を大きくマスコミ操作できるようになった。ヒトラーも東條も、ラジオの広がりによって生まれたこのマスコミ操作を通さないでは生まれなかった政権であると言われてきた。この「操作」、この大小はどこで分かるか。その答えがこれである。それが「反対派への攻撃、暴力」であって、その出発点が主権者国民の一部を為政者がヘイトし始め、やがてこれを煽り始めること。国の主権者・国民の公僕である政権がその国民を一部でもヘイトすることは、例えどれだけ選挙で勝った政権でも許されることではない。これは、民主主義国家というものの基本(理解)に関わってくる問題である。
最後に、民主主義(理解)に関わって、安倍「反日」言動を否定している、こんな有名な格言もある。
「私は貴方の意見には反対だ。が、貴方が発言する権利は、命を賭けても守りたい」
こういう思考、態度が少しでもあれば、国会で嘘や誤魔化し(例えば、まともに答弁しないで、延々とした関連発言で答弁時間を潰してしまう)を連発したり、野党の発言権を抑えたりはしないものだろう。こういう態度と「反日」発言とは、民主主義を捨てて権力志向だけに傾いた政権の特徴だと思う。国会でまともな議論を投げ捨てているという意味において。