松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

イスラム国を作ったのは、アメリカ。

2015-01-30 08:33:49 | 日記・エッセイ・コラム

 宇宙から眺めると、国境は見えない。唯一、南米に森林保護の政策の違いから、くっきりとそれと分かる国境線があるらしい。これは例外中の例外だろう。中東の砂漠地帯に、宗教の違いを超えてまとまっている国があった。それがイラクだ。フセインは独裁者だったが、それでもスンニ派、シーア派、それにクルド人が、一つの国を作っていた。しかも中東の優等生と言われるほど、進学率が高く、小学3年生から英語を学び、ユネスコから表彰されるほどの教育立国だったのだ。

 アメリカは最初はイラクに手を貸していたが、核を持つようになるとそれを許さなかった。核を持っていい国は決まっているのだ。大量破壊兵器はなかったという査察団の報告を無視し、アメリカは軍事行動に踏み切った。日本はこれに追随した。イラクを民主化するという、内政干渉に等しい単なるエゴのために結局、内戦状態にし、アルカイーダの武装勢力の侵入を許し、テロ組織が活躍する下地を作って引き揚げた。

 イラク戦争がなければ、今のイスラム国はなかった。すべては身から出たサビなのだ。グローバリズムがもたらした貧富の差。その底辺にいるアメリカ人も自分の国に愛想をつかし、進んでイスラム国に合流する。2重3重の意味で、今のISISはアメリカが作ったも同然なのだ。

 宗教が違うと、価値観も異なる。価値観の違いは意見の相違を生み、対立をもたらす。対立はやがて戦争へと発展する。9.11の時から、テロは国家に対する攻撃とみなし、報復を報復で返す限りない殺し合いになった。

 アメリカはベトナム戦争から何も学んでない。自ら進んで敵を作ってきた。今回も小林よしのりの予言どおり、果てしないテロの拡大を生んだ。きっと彼の分析は当たっているのだろう。アメリカに巻き込まれた日本はどうすればいいのか。どうすれば日本という「国柄」を守れるのか。伝統を守れるのか。本当の保守とは、何をいうのか。この際、じっくり考えてみる機会にしたい。安倍さんについていくと、どういう日本になるのか。日本人はいつも総理大臣に裏切られてきた。小泉さんが開いた、地獄へのドアを、さらに広げることになるのか。タカタのエアバッグのように、こつこつと積み上げてきた繁栄を、ヤクザのようなやり方で、根っこから持って行く。そういうことを繰り返して一億総中流と言われた中間層が、貧困層に変わるのか。集団的自衛権も危ない思想だが、経済面でも我々は落ちぶれて行くのだろうか。

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