松美の言絵(いえ)

私は誤解されるのが好きだ。言い訳する手間が省けるから。

和時計、まだ元気。

2015-01-23 12:19:33 | 日記・エッセイ・コラム

 いわゆるクラフトマガジンというジャンルがある。創刊号が半額とお買い得となっているやつで、今CMで見るのはF14トムキャットとジッポーライターだ。蒸気機関車や戦艦ヤマトなど、おとながハマりそうなものを、うまく宣伝している。今まで唯一購入したのが和時計で、完成したのが2年前。

 和時計の魅力は、語れば長いので、要は生活のリズムがオレと同じだということだろう。おてんとさまが昇れば目が覚めて、陽が沈んだら寝る。これですよ。絶対、からだにいい。ところがこれが動いてからが大変だった。日没に、ちょうど6回鐘を鳴らすために(暮れ六つに合わせるために)天符の分銅を調整するのだが、うまく合わせたと思っても、日没の時間は変わっていく。でも1年目は、そうやって昔の江戸時代のカラクリ時計職人が行っていた同じ苦労をしている実感があった。さすがに2年目に入ってめんどくさくなってきた。そばに置いて、寝起きを共にしているもんだから、湿気はあるし、日光は当たるし、だんだん不正確になってきて、ついに止まった。良く動く天符の軸に油を差したら動いたが、それからは寒暖差の少ない空き部屋にした。ただ動いていてさえ、くれたらいいと考えるようになった。それでも手の掛かる時計なのだから。動力用と時打ち用の2本の錘があるからだ。これを一日2回、戻し錘を引っ張って、揚げてやる。

 大抵のシリーズは、ミニチュアで、本物を作るわけにいかない。これは本物とは言えないかも知れないが、限りなく本物を忠実に再現した「復刻版」だ。そして時間の経過と共に貫禄が出てきた。 なお、銅線をくるくる巻いているが、これは天符の動きを制限するための苦肉の策で、本当ならガンギ車の歯を一枚一枚削って調整できるのだが、私はあいにくそれほどマメな人間ではない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする