棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

宮沢賢治の詩

2010-05-13 08:50:54 | 山郷の暮し
昨夜読んだ賢治の詩を思い出しつつ、冷やっこい空気のなかを散歩をする。
すばらしく透明な桔梗色(賢治が良く使う)の空。鳶が甲高い鳴き声をあげ、大きく旋回しながらあがってゆく。
「あんな高い空から見たらどんな風に見えるのかナーー」と思った瞬間、賢治は鳶そのものになって語っていたのだときずく。
同時に思い浮かんだのが(具体的ではなく)アメリカ・インデアンの詩であり、アイヌの詩だった。
共通して感じることは、詩には作者の・・人間の・・目ではなく、あくまでも鳶やカエルや岩石なのだ。そこがすごいことだ。
私の表現は、写実にしろ抽象にしても心象風景世界の展開である。
現次元から異空間・異次元に飛び、現光景を観る心象風景だが、そこにはいつも私が存在している。
そおいう心象風景なので、賢治の心象風景と次元が違っていた。
解説者による「心象風景」ということに惑わされ、曲解をしていたことに気がついた。
賢治の詩には己の存在意識ではなく、詠われている者に成りきっている事である。・・私はそこまで至っていない・・
鳶の一声 只管の一撃だったかもしれない。

ryusun

つぶやき

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