栄町の住宅です。
瑕疵担保責任保険と、地域型住宅グリーン化事業のグループ内による構造躯体の検査です。
2機関によるダブルチェックです
瑕疵担保責任保険の検査は、提出図面と照し合せて間違えがないかチェック。
しかし、図面で表現していない部分や、そもそもその設計自体に対しての疑義はナシ
あやし~ベタ基礎などが、未だにスル~されているのもこのため
対して、弊社が加入している地域型住宅グリーン化事業のグループの事務局はM's構造設計さん。
つまり、こっちの検査は構造設計そのものにより深い所までのチェックが入ります
一つ例としては
非常に重要だが、図面には一般的に表記されない「小屋部分」の鉛直構面。
1階の構造図には、「1階の耐力壁」(鉛直構面)
2階の構造図には、「2階の耐力壁」(鉛直構面)と「2階床構面」(水平構面)
小屋の構造図には、「火打ちなど屋根構面」(水平構面)
※小屋の鉛直構面に関する記載はないことがほとんど。
これら全ての「面」が連続して初めて構造として成り立つのですが
実際には、現場ではこの「面」がつながっていないケースが結構多いとの事。
この現場では、
2階にスジカイがあり、その上段のX印には合板で耐力壁ができています
(スジカイでも可ですが、実際には金物が対応できないケースが多いです)
これは、2階床構面と屋根構面をちゃんと耐力壁(鉛直構面)でつながっています。合格
しかし多いのは、耐力壁上段のX印の部分には何もなく、開口になっているケースだそうです。
スキップフロアによる床の段差や、1.2階の間くずれプランで構造が成り立たないのも
この構面の力の流れを意識したプランニングができていないからです。
木造では、鉛直の柱と水平の梁などの「軸」さえあれば、一応カタチにはなります。
しかし、耐震性を持たせるには、「面」(スジカイも含む)で構成しなくてはなりません。
床面、壁面、屋根面、といった面どうしが、シッカリと力を伝えられるように
プランニングすれば、必然的に耐震性能は高くなります。
たびたび言いますが、弊社では耐震等級はMAXの「3」が標準です。
(ここは思いっきり自慢)
また、基本的なスジカイについても
一般的に良く使われている「2倍スジカイ」、これは許容応力度計算では、引張り側で1.5倍、圧縮側で2.5倍、平均で2倍の計算です。
つまり、片スジカイが1ヶ所だけだと、引張り方向では1.5倍の耐力しかないのです。
片スジカイの場合は、同数の逆方向の片スジカイがないと、2倍の計算にならないのです。
(これも意外と知られていない)
さらに、熊本地震でも多くの被害がありましたが、このスジカイの破断。
この原因は座屈。スジカイに圧縮力が働いた時に、力が横へ逃げ、ポキッと横折れする現象です。
非常に危険な壊れ方です。
スジカイの長さが長いほど、この座屈は起こりやすくなります。
許容応力度計算を行ううえで教科書となる「木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2008年版)」
いわゆる「グレー本」にも
サラッと書いてありますが、シングル(片スジカイ)の場合、横折れしないように間柱などにもシッカリ止めましょう。という意味。
では、ダブル(たすきスジカイ)の場合は? 確かに間柱はかわいそうなくらい細くなっています。
でも、その場合の記載はなくとも意味合いさえわかれば対処できます。
スジカイ同士をシッカリ緊結すれば良いのです。 こんな感じ↓
こんな事も瑕疵担保責任保険の検査ではスル~。
せめてアドバイスくらい・・・と、思いますが、必要最低限以上の話はありません。
ちょっと専門的な話になったけど、ブログ更新を楽しみにしている構造マニアの施主様はニヤリとしてくれるかな
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瑕疵担保責任保険と、地域型住宅グリーン化事業のグループ内による構造躯体の検査です。
2機関によるダブルチェックです
瑕疵担保責任保険の検査は、提出図面と照し合せて間違えがないかチェック。
しかし、図面で表現していない部分や、そもそもその設計自体に対しての疑義はナシ
あやし~ベタ基礎などが、未だにスル~されているのもこのため
対して、弊社が加入している地域型住宅グリーン化事業のグループの事務局はM's構造設計さん。
つまり、こっちの検査は構造設計そのものにより深い所までのチェックが入ります
一つ例としては
非常に重要だが、図面には一般的に表記されない「小屋部分」の鉛直構面。
1階の構造図には、「1階の耐力壁」(鉛直構面)
2階の構造図には、「2階の耐力壁」(鉛直構面)と「2階床構面」(水平構面)
小屋の構造図には、「火打ちなど屋根構面」(水平構面)
※小屋の鉛直構面に関する記載はないことがほとんど。
これら全ての「面」が連続して初めて構造として成り立つのですが
実際には、現場ではこの「面」がつながっていないケースが結構多いとの事。
この現場では、
2階にスジカイがあり、その上段のX印には合板で耐力壁ができています
(スジカイでも可ですが、実際には金物が対応できないケースが多いです)
これは、2階床構面と屋根構面をちゃんと耐力壁(鉛直構面)でつながっています。合格
しかし多いのは、耐力壁上段のX印の部分には何もなく、開口になっているケースだそうです。
スキップフロアによる床の段差や、1.2階の間くずれプランで構造が成り立たないのも
この構面の力の流れを意識したプランニングができていないからです。
木造では、鉛直の柱と水平の梁などの「軸」さえあれば、一応カタチにはなります。
しかし、耐震性を持たせるには、「面」(スジカイも含む)で構成しなくてはなりません。
床面、壁面、屋根面、といった面どうしが、シッカリと力を伝えられるように
プランニングすれば、必然的に耐震性能は高くなります。
たびたび言いますが、弊社では耐震等級はMAXの「3」が標準です。
(ここは思いっきり自慢)
また、基本的なスジカイについても
一般的に良く使われている「2倍スジカイ」、これは許容応力度計算では、引張り側で1.5倍、圧縮側で2.5倍、平均で2倍の計算です。
つまり、片スジカイが1ヶ所だけだと、引張り方向では1.5倍の耐力しかないのです。
片スジカイの場合は、同数の逆方向の片スジカイがないと、2倍の計算にならないのです。
(これも意外と知られていない)
さらに、熊本地震でも多くの被害がありましたが、このスジカイの破断。
この原因は座屈。スジカイに圧縮力が働いた時に、力が横へ逃げ、ポキッと横折れする現象です。
非常に危険な壊れ方です。
スジカイの長さが長いほど、この座屈は起こりやすくなります。
許容応力度計算を行ううえで教科書となる「木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2008年版)」
いわゆる「グレー本」にも
サラッと書いてありますが、シングル(片スジカイ)の場合、横折れしないように間柱などにもシッカリ止めましょう。という意味。
では、ダブル(たすきスジカイ)の場合は? 確かに間柱はかわいそうなくらい細くなっています。
でも、その場合の記載はなくとも意味合いさえわかれば対処できます。
スジカイ同士をシッカリ緊結すれば良いのです。 こんな感じ↓
こんな事も瑕疵担保責任保険の検査ではスル~。
せめてアドバイスくらい・・・と、思いますが、必要最低限以上の話はありません。
ちょっと専門的な話になったけど、ブログ更新を楽しみにしている構造マニアの施主様はニヤリとしてくれるかな
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