一級建築士事務所 サトウ工務店

自然素材を使い省エネと快適性をデザインする 新潟の家

付加断熱・らせん階段・ストレストスキン

2013年10月09日 | 月岡のゼロエネハウス


月岡のゼロエネハウスの建て方です。

LDK棟は5m近い長柱を使った平屋構造です。体育館の様な独特なスケール感です。

Pa093229

長柱の場合、柱を座屈させない工夫が必要です。


またこの物件は、高性能グラスウールのアクリアを、屋根には350㍉、壁には210㍉充填する付加断熱工法で超高断熱仕様となります。 

屋根には予めタルキ間に210㍉充填しておきます。まるでお布団みたいですね。

Cimg0331

後で下から更に140㍉を内側から付加断熱します。


後にブラックペイントされる鉄骨のらせん階段もセット。 

Pa093225

可能な限りシンプルで部材は最小限のサイズで作ってあります。 機能とデザイン、ギリギリのバランスです。


そして、ガレージ棟は2階の床が7.2mもスパンがとんでいる 木造では普通ありえない広さの間口のガレージとなります。 軽自動車も含めれば3台横並びも可能です。

Pa093224

当然、大きな梁が必要になってくる。 梁が大きければ大きいほど自重も大きい。更にクリープというやっかいな変形も考慮しなければならない。 初期の変形は小さくても時間の経過とともに変形が増大するのだ。

そこで、まず計算上十分にクリアできるサイズの梁を選択したうえで、更にストレストスキン効果を期待して 梁上に張る厚い構造用合板を接着と高耐力のビスで一体化。 

Cimg0348

梁とその上の合板が一体化すれば断面二次モーメント(I=bh?/12)が大きくなる。計算すると1.8倍以上にもなる。 たわみの公式が(5wl?/385EI)なので、たわみが1/1.8以下になる計算。

他にも外周壁に面材を張る事によるウォールガーダーの様な効果や、後に補強されるスチールブレースによってたわみや揺れがウンと低減されます。

他にもトラス構造や張弦梁を使うといった方法もありますので、建物の間取りや意匠によってこれらを使い分けします。


ちなみに我が家の2階ホールは張弦梁。

P8010006


構造が分かれば、安全を確認したうえで 大胆で自由なプランが可能になってきます。

この月岡のゼロエネハウスは、構造から仕上げまで施工難易度の高い建物です でも出来上がりは超シンプルに見える予定です。

Pa093235


ランキングの応援お願いします。クリックしてね。
にほんブログ村 住まいブログ 住宅設計・住宅建築家へ