黄昏どきを愉しむ

傘寿を過ぎた田舎爺さん 「脳」の体操に挑戦中!
まだまだ若くありたいと「老い」を楽しんでま~す

印象派で「近代」を読む

2013-12-24 | 日記・エッセイ・コラム

早稲田大学講師中野京子さんの著書はいつも興味深く

読んでいる。

「怖い絵」シリーズや、名画で読み解く ハプスブルグ家12の物語

今回の1冊は 印象派で「近代」を読む。

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昨晩から一気に読み切り・・・なるほど、なるほど。

 私を含めて おおかたの日本人は印象派を好む。

なぜ、日本人はこれほど印象派を好むか・・・・の彼女の説法だ。

まぁ、人それぞれだから・・・いろいろな「観方」でいいと思いますが。

こう文中にある。

「作品が明るく、わかりやすく 心を癒し 市民階級(まさに現代の我々)

の日常を肯定している。 という点が大きい。

何かを強く主張してこないので疲れない。」

・・・・・なるほど、なるほど。

私も、絵には興味 大いにあり。

美術館巡りもして、かなりの絵画には接してきました。

いつも、思うに「絵画には意味がある」 

だから、「その意味」が分からなければ・・・「その絵」を感じ取ること、

出来ない。

例えば、神話、宗教画・・・聖書が主な主題だから、どの場面?

ストーリーは? 色彩だって、使う色が決まっている。

 印象派は、主題より、感覚や印象を重視し、光あふれる自然を

謳ったのです。

マネ、モネ、ドガ、ルノワール、ピサロ・・・・セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンへと。

発端は、若手グループが出資してパリ市内の会場を借り、自作を持ち寄り

展覧・即売を始める・・・当初はさっぱり、絵も売れることはなかった。

しかし、これが印象派の歴史的だ一歩となる。

その時の1枚の絵 モネの「印象ー日の出」

 偶然ですね・・昨日の僕のブログ 「日の出」だったよ・・・・余談。

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朝霧の為、輪郭は絵具で流れ・・・画面から遠ざかると波に見えるが

傍で見ると荒いタッチの絵具の跡が・・・

遠くに見るのは・・・工場の煙突群、これも 筆でなぞってるようだが、

そのように感じられるのも筆力

全体が寒色なので・・・太陽の赤が 極めてくっきりと映える。

全体のタッチが素早く、端の方は塗りつぶしが残っていたり。

 伝統を重んじる 旧来の画家たちは「こんなものは絵ではない」と。

 

御存じ ルノワールの名作 「ムーラン・ド・ギャレットの舞踏会」

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貴族中心の文化、画家たちもその貴族におもねる時代が続く。

こうした中、パリにも庶民の生活にも余暇が。

そんな庶民の休日の歓びを描いたのがこの1枚

 一人一人の動きや、男女の顔の表情・・・特に着飾った女性は

歓びにあふれている。

この絵の モデルの多くはルノワールの友人たちが務めたという・・。

まだ、まだ多くの絵が紹介されていく・・・・。 

「ロートレックも、ドガも・・・

そして、強烈な ゴッホの、この「星月夜」

 これは 凄いと言うしか 言葉がない 1枚。

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1冊の本には ぎっしりと 名作が詰め込まれていましたが。

私の好きな1枚  それは、モネの「散歩、日傘をさす女性」

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 この主人公は、モネの奥さんと子供なんです。

陽射しの暖かい感じ・・そよ風はまるで見ている人にまで感じます。

足元の草の匂いも鼻先まで。

 親子の平和な日常が素直に感じられる。

そうだね、印象派って 何故好かれる?

答は、素直に、絵を見ていて 心を癒してくれ、これだぞ!って強調しない。

鑑賞する方も、明るくいい気分になれる。 

彼女(著者 中野京子さん)のおっしゃる通りです。

だから、私も印象派の絵は好きだ。

だからといって、他の絵が嫌いなわけじゃない。

先ずは、何でも鑑賞し、「絵を楽しむ」ことから入っていくことでしょうね。

その内に、いろいろ目が肥えてくる。

そこから、また 新しい発見があれば いいんですよ。

いや~、1冊の本で、随分楽しませてもらった。

昨日今日で、かなりの数の世界の美術館巡りをさせてもらったよ。

 いいプレゼントを頂きました。

 メリー・クリスマス!

 

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続 黄昏どきを愉しむ

 傘寿を超すと「人生の壁」を超えた。  でも、脳も体もまだいけそう~  もう少し、世間の仲間から抜け出すのを待とう。  指先の運動と、脳の体操のために「ブログ」が友となってエネルギの補給としたい。