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黄昏どきを愉しむ

傘寿を過ぎた田舎爺さん 「脳」の体操に挑戦中!
まだまだ若くありたいと「老い」を楽しんでま~す

思うこと、想うこと・・・

2019-07-31 | 日記
この暑さは何だ!
 梅雨明けと共に、気温の上昇が凄い。
いままでの感覚とはちょっと違うかな? 
 庭仕事もままならぬ・・・いや、始めても暑さが尋常じゃない。
ニュースでも「熱中症」の事故多発だ。
 見習って、無理せず・・・さすがの私も、
この際と、「ズボラ」を決め込んでいる。
 もうひとつ、訳アリなのだ。

 暑さだからか、たまたまか。
 長い付き合いの友たちの動きがめまぐるしい~

 亡くなって、葬儀に顔を出すやら、入院と聞いて見舞に
 足を伸ばすやら・・・

 先月末、上京の際に、数人の友と一緒に過ごし楽しい
 ひとときを過ごしました。
  そんな中、長いお付き合いの友の一言。
  「私、検診に行ったら・・・癌と言われて~」
  ・・・・・えっ。 
 
  現在、2人に1人の割合での「癌」の時代
  いつかは自分にも・・・ 話は深刻に~。

 いや、昨年10月に妻が「肺癌」と言われ
 運よく、初期の段階だったので、すぐに手術をし大事にならず
 元気に過ごしていますが~先のことは。
 そんな経験の直後だったので、他人ごとではなく
 彼女はまだ若い(50にちかい)~一人暮らしの身・・・
 心配。 近くに居ないだけに、落ち着かない。

 その彼女からの連絡で、先週、無事手術を終え、
 リハビリ開始、そして昨日退院・・・の連絡をもらった。
 「よかった」 まずは一安心。

 「手術前の日々」~「術後」~「リハビリ中」
  独りで過ごす時間を思うと・・・
 察するに、本人の気持ち如何ばかりか~
 案じる日々でした。


 
  手が付かないと言うのは こんな時ですね。
  私の日々も、やっぱり変化が、気持ちの余裕がもてない
  でも、「退院」の報で・・・和らぐ。
 
 お互い老いの身です、「病気」になり、そして「介護」を
 受ける身になり、助けが必要になるの日も・・・きっと来る。
  それも 自然なのかもしれません、だから、これも自然に
 受け止め、自分の中で共有していくことの覚悟も・・・と。
  
 明日は もう8月だ。

庭の「シマトネリコ」の樹に早朝から 大合唱です。
   

  蝉は・・・懸命に羽根を震わし短い命を全うしようと・・・。

  「いろいろ思うこと~」   がんばろう!
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雨~洗う~この緑!

2019-07-13 | 日記
 ここ周防灘周辺も梅雨とはいうものの…
「雨」がご無沙汰です。
夕べから ちょっと降ったかな? 程度。
「おしめり」だ。

 それでも、木や花にはご馳走なのだ。
ぐったりとしかけた自分に この慈雨。
これぞ 天の助け・・・

我が家の庭の「樹」
そして端的にその表情を表すのが、「葉」
 洗われた後の樹の「葉」を追ってみました。

先日刈りこんだばかりの「蘇鉄」
  まだ葉は柔らかく~この伸び行く形状の面白さ
 「幾何学的」 斬新なデザインに使えそう・・・
 
 
  「羊歯」
  素敵でしょ。
これから夏に向かって、どんどん伸びていきます。
  これとっても使い勝手のいい「緑」なんです。
花を活ける際に・・・ちょっと、これがあれば 
 引き立て役にもなるんでね。
去年、垣根を取り崩した後、フェンスにしました。
  そのフェンスの元に1直線にこの羊歯を植え年中緑が
眺められるようにと。
 
 
  「初雪蔓」
  蔓性のこの花
年に数回、葉の色彩の変化を楽しみませてくれます。
現在は、緑が多く、白が出たり、秋には紅葉色へと~
庭の外灯を付けるために、この根本に支柱を立てていたら
 この花が どんどん上に這っていき~葉も茂り
芸術的な造形となり 思いがけなく楽しんでます。 
 

 「ユーカリ」
緑の葉に うす化粧をしたような、と。 気品のある色彩に
見とれています。
特に 優しい風が吹くときが、一番美しい姿が。
現在は、まだ成長期なので小ぶりな枝が支えているので
弱弱しい枝が、撓って 揺れる・・・その葉の動きが
 とても魅力的です。
太陽が当たると・・・真っ白になる。 「葉」
 時間の経過の中で、眺めていると、いろいろな変化が
これも楽しみ方ですね。

 

 太陽と言えば、梅雨空に現れる太陽は・・・やはり柔らか。
 上を眺めれば・・・
 「ニセアカシア」です。
 空の青と、葉の緑・・・でも、下から見ると・・「黒緑」?
 
  このアカシアの葉の シンメトリーな並び・・・
 思うに、植物は みんな 芸術家ですよ。

 さらに 美しい 模様の~
 「ジャカランダ」
 

  いいですね~ 清々しく感じません?
 ルソーや田村一村の絵に出てきそうな・・・
 この花はご存知の「紫」
 現在、日本でも 熱海の海岸沿い、長崎県小浜温泉
 宮崎県南郷で、大いにその豪華な花が。

 「エゴノキ」
 白い花が過ぎたら~小さな可愛い実が
  ちょっと気が付かない間に いっぱい
  

  「モミジ」
  新緑のもみじ・・・この表現もいいですね。
   俳句では、紅葉は、「秋」の季語ですよね。
   でも、今の時季の「もみじ」も 素敵なんですが
  1句詠む際には、緑のみみじは 季語にならないんでしょうか?
  雨に濡れた後の・・・姿と、何かの動きの表情を織り込めば・・・
  綺麗な1句ができそうなんですが。
  

  「椿」
   
 葉の表が、こんなに「艶」があるのは 
 この椿の葉ですよ。
 我が家には、椿も3種類がありますが
 この「藪椿」の花が咲くころは
 一番、和風の趣で、凛とした姿が素敵です。
  花が落ちた後でも~
 葉もめげずに花の時期の来るのを待っているようです。

 雨上がりの庭。

 花が無くても、静かな佇まいで・・・しっとりと
 週末のひととき。
 

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美術館巡りNO.9 今回、最後の美術館へ。

2019-07-10 | 日記
 美術館巡りも今日、この美術館で終わりです。
明日は早朝便での帰郷です。

 薄曇り、雨の心配は? そんな気配を気にしながら
ホテルを出て地下鉄で「竹橋」へ。
 皇居のほど近くです。
  交差点から 北の丸の石垣を見ながら

 すぐ傍 美術館へ 

   

 所蔵作品展「MOMATコレクション」
手にした作品展のリスト、前期(6月4日~8月18日)をチェックしながら
展示室1室から1室まで200を超える作品との勝負? です。

 いつも気にしていた美術館なのですが、今回訪れることができ
楽しみに。
 
実はここが日本最初の国立美術館だった。
 横山大観、菱田春草、岸田劉生らの重要文化財を含む
13,000点を超える 国内最大級のコレクション。
 会期ごとにえりすぐりの約200点を展示する所蔵作品展。

このコレクションは100年を超える美術の歴史を一気に鑑賞できる。
 そんな展示です。

冒頭から、重要文化財に指定されたこの絵から
原田直次郎 「騎龍観音」
     

 油彩による観音像・・・趣の変わった観音様?
中村彝  「エロシェンコ氏の像」 (重文指定)


わが国に亡命し各地を放浪していた白系ロシアの盲目の詩人
 ワシリー・エロシェンコ
     

藤田嗣二 「五人の裸婦」
   説明の必要もない、巨匠フジタ
   この独特な胡粉の「白」と、微妙な線の表現・・・
     

萬鉄五郎  「裸婦(ほお杖の人)
      

長谷川利行 「岸田國士像」
     

三岸好太郎 「雲の上を飛ぶ蝶」
      

「蝶」って、雲の上まで 飛ぶのかな?
花から、花へ・・・と、飛ぶのは 知っているけれど~
     
アンリ・ルソー 
 「第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神」
     
  あのルソーです。 中央はライオンかな?
  彼、動物が好きだね・・・ 

ハウル・クレー 「破壊された村」
     


 ◆狩野芳崖 「桜花勇駒図」(おうかゆうくず)
     

熊谷守一  「半裸婦」

   暗い! まさに 半分しか見えないよ・・・
    良く見てよ~
             

青木繁  「運命」
     
     

吉田博 「パリ風景」
    

佐伯祐三 「ガス灯と広告」
   
 大好きな画家の一人です。 
    

安井曾太郎 「安部能成像」
    

福田平八郎  「雨」
  この作品大好きなんです。
   じっと眺めていて・・・雨の雫が、瓦に・・・
  時間の変化を 自然の現象を、 感じる1枚です。

    

◆徳岡神泉  「仔鹿」

 いいなぁ、 
  こんな可愛いらしい表現を 写実でなくて
   凄い 筆力 感服です。
    

時は、今・・・ 光秀とは違いますよ・・・
来年は「東京オリンピック、パラリンピック」

 これほど有名になったオリンピックのロゴ あったでしょうか。
亀倉雄策 「東京オリンピック」
   1964年 のロゴマーク
 聖火の「火」と 「太陽」を重ね合わせたデザインで・・・
    
 
 あれから・・・55年を経過しました・・・また あの感動が

 私の記憶の中で強烈に残ってる1枚のポスターがあります。
  この瞬間を 躍動を・・・ これです。
   *これは展示されてはおりません。 私の「思い出」として。
    
 

◆今村紫紅 「絵巻物模写 伴大納言絵巻) 其一、其二

 四大絵巻「鳥獣戯画」「源氏物語」「信貴山縁起」「伴大納言絵巻」
 があり、伴大納言物語は、国宝として「出光美術館」蔵。
 時に応じて企画展で出品されております。

 物語は、応天門の変による大納言伴善男の陰謀を描いた作品
 展示は、絵巻物ですから 巻物は.一部のみ開いて 公開…
 「 放火され、炎上する応天門
  舎人の子供の喧嘩から真犯人が発覚
  伴善男をとらえる検非違使の一行 」  
 * 私、ブログ 2016・6・27 東京美術館巡り(その8)にも。  「伴大納言絵巻 特別出品」をアップ

  これは、今村紫紅 模写の一部
  

 


さぁ、最後の作品を。

和田三郎   「南風」  (重要文化財指定)

        

「日本人離れした、筋肉隆々の体つき。
理想的な人体を描こうとする西洋絵画の思想が、当時24歳の青年であった
和田三郎にもしっかりと浸透していたことがわかります。
 描かれるのは、遭難した船乗りたち。
そんな事態に遭遇しながらも勇壮な男たちの姿は、日露戦争後の高揚した
気分に合い観衆の評判を呼んだと伝えられます。
 第1回文部省美術展で最優秀賞を受賞しました。 」 *美術館の解説から

  館内を出ると すっかり晴れ間・・・
展示の部屋を歩くこと12室、 あまりの凝視に ひどく疲れました。

 もう 満足も いっぱい いっぱい!

 充実した 「美術館巡り」でした。

 この感動を糧に、また 次回の愉しみを 明日に残して~

 
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美術館巡りNO.8 山種美術館「速水御舟」生誕125年記念

2019-07-09 | 日記
リタイヤして趣味の「油絵」を思い切り描こう・・・
なんて思っていたのですが
これがなかなかスタートできず・・・
ある時、隣の市で、高齢者向けの大学が開講されており、その中の
科目に「園芸」「絵画」が見つかりました。
 田舎生活を始めたばかり、家も小さいながら建て、引き継いだ庭も
広く、これから手を入れようと思ってた矢先です。
 いいきっかけだと、まずは「園芸」の勉強を2年間。
さらに、「水墨画」を選択し2年間。 
気分にもゆとりが出たので、筆をとる時間も出てきました。 

 もともと親父が若い頃、日本画家を目指していたので、絵に対する
血は流れていた? 
姉も、南画を習って自分の部屋に春夏秋冬、
季節感のある軸を飾っている。

まぁそんな家系なので生活の中に「絵」に常に囲まれ、
親しんでおります。

やはり「日本画」は、心の癒しには欠かせない・・・
じっと眺めているだけで~。
 語り掛けてくれる・・・そんな名画に触れることは
 ゆとりにもつながります。

今日はその日本画を鑑賞します。

上京すると、「山種」「根津」「静嘉堂文庫」「五島」「出光」「国立博物館」
 「国立近代美術館」等 
 これぞ! の企画展があれば欠かさず 
 足を伸ばすことも多い。

 山種美術館の顔である「速水御舟」
彼の生誕125年記念と銘打った企画。 
そのコレクションの全貌が鑑賞できる・・・これは絶対見逃せない。

山種美術館の創設者は御舟の芸術に心から愛し、その作品を蒐集し、
自宅の床の間にかけて楽しんだという・・・

そんな思いから、彼は 旧安宅産業コレクションの御舟作品105点の
一括購入を決断、現在国内外最大の御舟作品を有している。 

JR恵比寿駅で降り・・・
小雨交じりの中、緩い勾配の坂道を10分程度歩き
道路沿いなんですが~しっとりと佇んでいる瀟洒な美術館です。
      
一番乗り? いえいえ、既に数人方の姿も~雨の土曜日なのに。
      
このチラシの絵
御舟の最高傑作といわれる「炎舞」 
もうひとつ「名樹散椿」
ともに重要文化財の作品が、そして御舟作品全点120点が
見られる・・・10年ぶりなのだ。
  リスト NO.1 ~NO.120
      
この時季の上京で本当にラッキーでした。

作品は「絹本・彩色」「墨画」「墨画淡彩」「紙・鉛筆・淡彩」
「コンテ」など 特に「素描」「写生」の数は多く、同じ題材に
対して、これでもかと徹底的に  写生を繰り返す~
古典的な日本美術の技法や表現を土台に西洋的な写実を
融合させた。
彼は、渡欧することで日本画の長所、画材や和紙、墨の特色を
より生かす絵も描き続けた。

◆ 鏑木 (大正2年) 19歳の作品 
   えっ、19歳でこんな見事な絵を。
     

山科秋 
     

桃花
    

春昼
    

供身像
     埴輪でしょうね・・・
    

翠苔緑芝
    
  
  
   

ということで・・・全体の屏風絵をパチリと
 
   

さらに 紫陽花の花びらの筆使い、 果物の枇杷の葉・・・
     とことん集中して観察し、表現しているのが分かります。  
   
 
  
ほら、この兎の表情・・・ 絵の中で 「くつろいでいる・・・」
細かい描写、よ~く、絵を 見ていないと気が付かないよ。
       

 さぁ、この1枚の登場です。
◆炎舞  (重要文化財)
       

 御舟31歳の時の作品
同年の夏、軽井沢の洋館を借りて家族で滞在している間、
毎晩のように焚き火をしては集まる蛾に見入り、
写生していたという。
のちに、この絵を描こうと思ったきっかけは? と問われ
「別に理由はなく、ただ見ただけです。炎を描いてみたいと
思ったひとつの習作のようなものです」と。御舟は語っている。
 炎の写生は残されていないが、緻密な蛾の写生は
多く残されている。
一方、炎には、伝統的な仏画や絵巻物に描かれる不動明王の
火炎光背のような様式が。
        

      

とにかく、傍に近づいて眺めていても、その凄さが分かります。
炎の上で、蛾が舞う・・・(実際は無理でしょうが) 
抽象的な美に昇華され、 見るものを惹きつける・・・
特に、背景の闇の色、印象的です。
 
御舟自身
「もう一度描けと言われて、二度とは出せない色」
と語ってる。

この作品の1年後
昆虫二題のうち「粧蛾舞戯」を。
     
 
    「蛾」  好きなのかなぁ~普通は、「蝶」の方が、いろいろだね。

◆ 「春地温」
     

紅梅・白梅
     

百舌巣
     

 こういう優しい絵を見ていると、日本画って いいなぁ~
 ・・・思いません? 

 渡欧中 イタリアのフィレンツェで・・・写生を
フィレンツェ アルノの河岸の家並
    洒落た すてきな1枚です 
  インクで描き 淡彩仕上げ・・・軽いタッチの妙
    

塔のある風景(写生)
  いいですね~ きっと明るく賑やかな街
  塔から鐘の音まで流れてくるような ♪♪♪ ・・・

    

オリンピアス神殿遺址
    
 何かこの絵見ていると・・・平山郁夫さん、思いだすよね。
    「線」の動きの素晴らしさ~
  

そして もう1枚の 銘品 
名樹散椿(重要文化財)
     屏風で

     平面で

  椿の部分 左手手前下の 花を拡大して 
    

  椿の部分  右手 幹から枝へ その中の椿
    

これはもう 「琳派」の美  装飾的な色彩と構成・・・
金地でしょ、これは、説明によると、「金箔」ではなくて、金の砂子を
竹の筒に入れて何度も撒いてはすりつぶすといういう作業を
繰り返した「撒きつぶし」という技法によるもの。
一般的な箔の約10倍もの金箔が必要なんだって・・
この絵の 「椿」にもエピソードが
実は、京都・地蔵院にあった樹齢約400年、5色の八重散椿は、
加藤清正が朝鮮から持ち帰り、秀吉に献じたものとされる
古木なんです。
 あの太閤秀吉が 愛でたという誉れ高い名樹


最後に、写生の中でも 一際、展示数の多かった「牡丹」17点も。
これは、展示会場でしか。

これは 逸品です。
 牡丹花(墨牡丹)  紙本・墨画彩色
      
   
  いいなぁ~ 墨の濃淡  何度見ても飽きない・・・

如何でしたか、「日本画」の美しさ・・・ 
日頃のストレスも、梅雨の鬱陶しさも・・・
気分すっきりになったのでは?

1枚の絵に出会う・・・絵は、よく分からないと言いますが・・・

分かろうとしなくてもいいんです! 
じっと、眺めていると「絵」の方から、あなたに声がかかってきまよ。
 感動も、感激も・・・心の中にあるもの。
それを 引き出してくれるのが 「1枚の絵」なんです。

  ちょっと説教じみて すいません。
  齢を重ねると、ついつい愚痴ってしまいます。
 
 

  
こんな絵を 最後に。
 日蓮上人像(模写)
      
  
彼の教えは、「来世を考えるのではなく、「今」を生きることの大切さ
を説いた・・・ 
私、喜寿を過ぎ、思いっきり「今」を生きる大切さを感じています。

さぁ、この美術館めぐりも 明日のNO.9 
「東京国立近代美術館」 所蔵作品展 MOMATコレクション
で終わり。   
 
    
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美術館巡り NO.7 印象派への旅 海運王の夢

2019-07-07 | 日記
「美術館巡り」での、電車、地下鉄の乗り換え、連絡通路への
階段歩行もこの歳になると流石に疲労が出てくる。
 1日、1万5千歩は優に歩いているのですから。
とくに、田舎者にとって階段の多さには参ってしまいます。
 愚痴っても始まらない・・・好きなことするには、それなりの覚悟も。
と、言う訳で今朝もホテルを出て・・・地下鉄乗車。
 「渋谷」へ。
昭和40年に初めて東京へ~以来、何回かの転勤を重ね
東京勤務は3回を数え、都合、22年間。
 人生の濃い思い出のある「渋谷」です。
しかし、この近年の渋谷の変化には・・・驚くばかりです。
 昔の面影が・・・どんどん無くなってしまう。

世界のテレビの画面に映るのが、例のスクランブル交差点。
 そこを渡って~ちょっと小雨まじり、朝の道玄坂を歩き~
東急本店のある Bnkamura ミュージアムへ。
  

 パンフレットに
 「産業革命期に英国随一の海港都市として栄えたスコットランド・
グラスゴー出身のウイリアム・バレルは、若くして家業の海運業を手伝い
後に、船舶の売買などで大成功し、「海運王」と称された・・・。
 彼は1920年代に、都合30年もの間に画商アレクサンダー・リードから
作品を購入し、同時に古今東西の美術工芸品の収集にも意欲を燃やした。
 そしてコレクションの何千点もの作品をクラスゴー市に寄付し、それが
美術館「バレル・コレクション」となりました。」

 今回、収集作品9000点もの中から、近代絵画を中心に、計80点の
作品の紹介です。
バレル美術館、初来日! です。
    
   

 まずは、彼、 ウイリアム・バレル氏
   

 彼のコレクションを市に寄付した時の契約書サインのご夫婦の様子。
   

  グラスゴー市にある
  バレル・コレクションの建物外観
   
 

早速、入場するとすぐに目に飛び込んでくる絵

 ◆画商 アレクサンダー・リード氏
 なんと、この肖像画はあの フィンセント・ファン・ゴッホ
の描いたものです。
 さらに、このリード氏はゴッホの弟で、画商の、テオと一緒に
暮らしていたこともある。
   
 どうですか、ゴッホの筆使い・・・。

 この初上陸も、新聞に大々的に・・・
   
 
  バレルは言ったー
   「リードは良質な絵画とそれを愛でる心をスコットランドにもたらした
     功労者である。」            (パンフレットより)

  早速リストを見ながら・・・
   


 
 ◆ヤーコブ・マリス 「若き芸術家」 水彩画
  
   

 ◆ポール・セザンヌ 「倒れた果物かご」
   
   (*ケルヴィングローヴ美術館蔵)
 ◆エドゥアー・マネ 「シャンパングラスのバラ」
   


 ◆アンリ・ファンタン・ラトゥール  「春の花」
   
   



展示作品の目玉のひとつ。 表紙にも。
 ◆エドガー・ドガ  「リハーサル」  
   

   ドガと言えば・・・踊り子 
   生涯かけて、踊り子の 動きを追いかけ・・・
   数えきれない作品を残した。

 知られざる初期の作品です。
 繊細かつ大胆な構図と色彩の妙

 門外不出の名作が、このチャンスしかなかった・・・
   

 ◆アンリ・ル・シダネル  「雪」

   幻想的な風景  これは朝でしょうか~ 
   夕べよりの降り積もった雪が すっぽりと辺りを・・・
   

 ◆ピエール・オギュスト・ルノアール  「画家の庭」
   
    *(ケルヴィングローヴ美術館蔵)
  やっぱりやさしい筆ですね。
   光と影の表現は どの絵にも・・・

 ◆ヤーコブ・マリス  「ペットの山羊」
   


 ◆ポール・セザンヌ 「エトワール山稜とピロン・デュ・ロワ峰」
   
    (*ケルヴィングローヴ美術館蔵)

 ◆ウジェーヌ・ブータン   「ブリュッセルの船着場」
   

 ◆ベルナルト・ブロンメルス  「浅瀬を歩く」  水彩

とても可愛い~ 少女と波の動き…一瞬をキャンバスに
   
    
 ◆キュスターヴ・クールベ  「マドモワゼル・オーブ・ドゥ・ラ・オルド」
   

◆ウジェーヌ・ブータン  「ドウルーヴィルの海岸の皇后ウジエニー」

   

◆ウジェーヌ・ブータン  「ドウルーヴィル、干潮時の埠頭」
   

◆ウジェーヌ・ブータン  「ドーヴィル、波止場」
   

◆カミーユ・コロー  「船舶(ル・アーヴルまたはオンフールール)
   

 80点  もう二度と会うことはないでしょう~ 
おかげであまり人も多くなかったので 静かに、ゆっくりと 
そしてたっぷり時間をかけて 楽しむことができました。

満足、満足・・・もう、足も限界・・・ホテルに戻りたい感じだが・・・   
 まだ、残っている・・・ 時間が足りない!  頑張るぞ!

すぐ傍の「ドウ・マゴ・パリ」で ちょっと休憩して 
   
  
次の美術館へ  
  明日は 美術館めぐりNO.8 
  山種美術館 生誕125年記念「速水御舟」 アップです。
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美術館巡り NO.6 ウィーン・モダン クリムト、シーレ世紀末への道

2019-07-07 | 日記
 再びクリムトとの出会い。

 新国立美術館へ 向かいます。
  
 雨も止んで・・・薄曇り。 
 企画展の看板も特大で 工夫を凝らして迎えてくれています。
 
ここで お詫びを・・・
今日のこの美術館で開催中のクリムト作品をNO.3で間違えて
アップしていました。 同じ画家の作品なので混同していました。
新国立美術館で開催中の話題作。
 「エミーリエ・ブレーゲの肖像」 なんです。
  改めて ここで 紹介しておきます。
  記憶に新しいと思いますので・・・
  
この作品は会場で撮影許可がありました。
さすがの作品なので 人だかり~なかなか正面が空かず・・・
時間がかかりました。

さて、こちらのクリムト、シーレ、ウイーンの至宝。
と銘打っての企画ですが、ウイーン文化の黄金を代表する各界の
芸術家が総出演?
絵画、建築、グラフィック、工芸、ファッション、音楽、写真、等
その展示作品の数の多さは圧倒されました。

ただ、個人的にはその方面の関心が少ないので、
少々飽きちゃった・・・
いや、でも、それぞれは実に見事なものばかりでした。
とにかく、作品リストは細かく、400点以上なんですから~
ぜ~んぶ集中、できませんでしたね。
 小さなポストカード、 モダンスタイルを作ったデザイナー集団
 「ウイーン工房」の豪華な銀食器や日用品の数々、
彫刻、建築の図面と ポスターの数々・・・
もう 溢れるばかりでした。

やっぱり、絵画を中心として ご紹介します。

先ほどの目玉作品のほか、まずは クリムト作品を。
 
  画家を紹介するときは、普通は「自画像」をアップしているんですが
 このクリムトは 自画像をほとんど描いていない・・・
 しかし、写真は多く残している。
 こんな顔  ちょっといかついね。
 彼の作品は、生きる歓びを 描いた黄金の画家。
 ここでも、華やかに

 ◆ クリムト 「パラス・アテナ」
      
1897年に分離派を立ち上げ、翌年11月「分離派会館」のオープンに
際し、この絵を描いた。
「芸術と学術の庇護者女神パラス・アテナは、手に
「ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)」の化身を持ち、首には恐ろしい
風貌のゴルゴンを纏った姿で描かれています。
 
 「ヌーダ・ヴェリタス(裸の化身)」は 東京都立美術館クリムト展で
 紹介しています。 が・・・ これです。
      

 ◆愛(「アレゴリー:新連作」のための原画NO.46)
   
      

 本展ではクリムトの「素描」作品が多く展示されていました。
  女性を対象とした「裸婦」が多く、その線の柔らかさはさすが~。
 
 他の画家の作品も・・・
 会場で ぱっと目に飛び込んだ1枚
◆マクシミリアン・クルツヴァイル 「黄色いドレスの女性(画家の妻)」
    美人ですね~ のびのびと・・・   
   

◆カール・モル 「朝食をとる母と子」  
    いい雰囲気ですね・・・静かなひととき
   

◆ヨーゼフ・エンゲルハルト 「ソフィーエンザールの特別席」

  何とも言えないこのポーズ…
  こういう構図って、珍しいでしょ。 
  会話が聴こえてきそう~前の老紳士に何をおねだりかな?
   

 音楽分野では、シューベルトやシェーンベルク、オッペンハイマーも
  
 ◆ ユーリウスシュミット
  「ウイーンの邸宅で開かれたシューベルトの夜会
    (シューベルティアーデ)
   
   中央でピアノを弾いているのが シューベルト…
   
    
   写真でお馴染みの この顔
      

 ◆フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー
    「バラの季節」
      
 ◆ハンス・マカルト 
     「メッサリナの役に扮する女優シャーロット・ヴォルター」
    綺麗な肖像画です。
    他にもありましたが・・・画家のプリンスと呼ばれるだけあって
     素直なタッチで、心地よい。
     


   カラーリトグラフやポストカードからも・・・
 ◆ヨーゼフ・ホフマン 「ウイーン工房ポシトカード」
    

 ◆ オスカー・ココッシュ 「{夢見る少女たち」&少女リーと私}」
   
   
◆エゴン・シーレ {第49回ウイーン分離派展ポスター}
   
   
 そう、ここで この企画展のもうひとりの主役が
 「エゴン・シーレ」でした。
  看板にも大きな顔で登場!
   
   

   
  そう、ごついですよ。

 彼の絵、ちょっと凄すぎて・・・かなり危険な・・・変態画家?
 展示作品、会場だから まぁいいか・・・裸婦像、モデルの動き
 ちょっと恥ずかしいようなポーズの数々・・・
 ここでアップするわけには、 申し訳ございません。
 
 
 

 作品の多さと、人の群れ(ほんとに「群」です。 部屋は途切れることなく
 人が押し寄せてきます。
 ゆっくり鑑賞するなんて・・・とても、とても。
  ひたすら、作品に食いついて、それも瞬間で。
 リストのチェックもままならぬ。

 ああ、疲れた!

  外気が吸いたくなったところで…出口に到着です。
  
  明日 美術館めぐり NO.7は、 懐かしの「渋谷」 
  Bnkamura ザ・ミュージアム へ。
   「印象派の旅 海運王の夢 -バレル・コレクション-」
   
  

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美術館巡り NO.5 (国立西洋美術館その2)

2019-07-06 | 日記
松方コレクション展のニュースにこんな一文が・・・
 「あるうららかな日ざしの秋の日に、パリのシャンゼリゼの大通りを松方さんに連れられて散歩しながら、その日、非常な上機嫌であった松方さんからこういうことを聞いた。「日本に何千人の油絵描きがいながら、そのひとたちはみんな本物のお手本を見ることできずに、油絵を一生懸命に描いて展覧会に出している。私はそれが気の毒なので、ひとつわしがヨーロッパの油画の本物を集めて、日本に贈って見せてやろうと思っている」 
 こんな彼の壮大な想いが・・・・今日、私たちの目の前に、こうして手軽に出会えることになったのですね。 私自身も、常より「何でも「本物」に触れる機会があれば、何よりの勉強だと思っております。 足しげく、こうして本物の絵の前に自分が立つことによって・・・歴史・文化・芸術の「かけら」を自分にものにできる~
 そんな思いもあります。

 さぁ、今日も 部屋を廻ることにしましょう・・・

 この記念展の作品のほとんどが西洋美術館所蔵のものですが、
 この企画展の為に、いろいろな美術館からも協力を得て、日頃鑑賞することの
 ない作品も展示されていました。 また、近年購入し初披露となる作品も。

 その中で、フランス、オルセー美術館所蔵の
  ゴーガン 「扇のある静物」

        

   ポール・セザンヌ 「調理台の上のポットと瓶」 水彩
        
     
 バーゼル美術館所蔵の
  マティス 「長椅子に座る女」
        

 初披露の
  レルミットの大作 「牧草を刈る人々」
        
 レルミットは写実主義の画家で、ミレーに傾倒し、農民の生活をよく描いていた。

 東京 ブリジストン美術館蔵
 アルフレッド・シスレー 「サン=マメス六月の朝」
        

  エドゥアール・マネ  (自画像)
        
    
         「ブラン氏の肖像」 )  *国立西洋美術館所蔵
          

 倉敷にある 「大原美術館」からは、
    モネ 「積みわら」
        
「北九州市立美術館」からも、
  あの バレーを題材にした画家の こんな作品が・・・ 
  エドガー・ドガ 「マネとマネ夫人像」
        

   さて忘れてならない画家  異彩、天才?  ゴッホ 
 この画家の1枚の絵  見慣れた作品も 今回 オルセー美術館より
   「アルルの寝室」 が出展
       

 ゴーガンとの共同生活を夢見ていたアルル時代の作品。
 画家自身の寝室です。 この「アルルの寝室」は3点あり、 ファン・ゴッホ美術館
 シカゴ美術研究所に所蔵。 ゴッホ自身「安らぎを暗示して描いた」と。
 空間は微妙に歪んでいますが、 不安感を与えはしない・・・

   落ち着いたゴッホが語り掛けてくるようだ・・・

 「西洋美術館所蔵」の作品
  こんな可愛らしい「ゴッホ」の作品も  

     「ばら」
        

  ◆ ポール・シニヤック 「漁船」    
         
       
             「クロワ」
        
          
    ◆カミーユ・ピサロ  「収穫」
             

    ◆エドヴァルト・ムンク  「雪の中の労働者」
        
     
      *個人所蔵のもの美術館に寄託のもの。

   ◆ ポール・セザンヌ 
      セザンヌの水彩画なんですが、300点以上を描いたと。
       これは もう抽象画かな?   と思わせる・・・
       彼の最晩年の作品
        「何であるか・・・分からない」 
       でも、巨匠の絵って・・・これでいいの?

     ◆ 「水差しとスープ容れ」
          
            
     ◆ 「舟にて」
          

  松方コレクションの「顔」とも言える この1枚を 

   ◆ピエール=オーギュスト・ルノワール
      「アルジェリア風のパリの女たち<ハーレム>」
        

   ・・ある解釈は 、パリのオリエント風売春宿のワンシーン…とも。
    奥の女性、中央左手の女性は 何やら驚いた表情を~
   おそらくは 男性の来客?

   この題材のもと・・・ウジェーヌ・ドラクロア 「アルジェの女たち」
       

    構図において違いがあるの分かります・・・
   まぁ、当時のパリの女性は こうした処で・・・・

  いよいよ 最終 是非ご覧いただきたい 「モネ」の作品集を。

  ◆ 「陽を浴びるポプラ並木」
        
   
   ◆ 「芍薬の園」
         
   ◆ 「舟遊び」
        
    
   ◆ 「ウオータールー橋、ロンドン」
        

  最後に登場するのが パンフレット、入場券、各種の紹介に出てくるこれ。
             「睡蓮」
        
 
  最後の部屋に入りましょう
          
   
   ここに「睡蓮」の作品の物語が・・・
  「睡蓮 柳の反映」は、松方コレクションのひとつとして存在は知られており、長らくわからなかった作品ですが、2016年にフランスで発見され、翌年、フランス政府から松方家に返還。そして松方家から国立西洋美術館に寄贈されました。
発見後、画布の上藩寸を失うなどの損傷を受けており、美術館では作品の保存修復を進めております。
 作品の修復作業では、失われてしまった部分までは取り戻すことが出来ませんが、現在、作品の全図が写ったモノクロ写真や残存部のの科学的調査などを頼りに、最先端のデジタル技術やAI技術などを駆使したデジタル復元によって、失われた部分も含めた全体像を現代によみがえらせた。
  このデジタル画像の公開が 今回の超目玉でもあったのです。

 「柳の反映」は 現在、フランス、オランジュリーモネ美術館に 壮大なスケールで展示されています。 その中の一部であるとも・・・

 ◆修復作業を
   
   「修復前」
   
    上半分が損失している 下は 睡蓮が描かれている・・・

   
   専門家による修復作業・・・ひとかけらも、失えない・・・緻密で辛抱強い作業

   
    展示されている 修復後・・・上半分は取り戻せません。

   その挑戦が始まったのだ。
  クロード・モネ <睡蓮、柳の反映>のデジタル推定復元プロジェクト」
   クラウドファンデイング

    下の分は、科学的に分析し、絵の具の色、筆使い、構図を、世界のモネの
   絵を分析し、AIに記憶させ・・・デジタル化した~

    これが デジタル化された 「柳の反映」なのだ。
      
       
   おお、凄い!
    AI技術の素晴らしさ・・・

   近年、世界的に埋もれた絵画の作者名 新発見も続く・・・
  科学的調査の結果で、今後、驚きの逸品が世に登場するかも・・・

  そんな期待を込めて、 たっぷり浸った今回の企画でした。
  いやぁ~ もの凄く疲れましたよ。 喉も乾いた。

  さて、楽しみのランチは どこへ?

   明日の 美術館巡り NO.6 は 国立新美術館
   「ウイーン・モダン クリムト、シール 世紀末への道」

   
   
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美術館巡りNO.4 「松方コレクション展」へ

2019-07-05 | 日記
 壮大なドラマをたっぷりと味わった余韻を残しながら・・・
足はすぐ傍の美術館へ。
東京在住を含めてどれほど通っただろうか この西洋美術館。
企画展のあるたびにここを訪れ、1枚の絵との出会いを楽しんだ。
 
古い話になるが、強烈な記憶にある企画展は枚挙なし。
その中でも、「モナリザ」「ミロのヴィーナス」「ツタンカーメン」
展は  将に、この美術館ならではの企画でした
(当時は、大企画展を開催できる力は、国立西洋美術館だという事も)
 
赴任先から上京し、信じられないような入場者の波にもまれて、
ベルトコンベヤーのごとく押し出されたのも、いい思い出です。
 
幾多の名品を世に紹介し、美術愛好者にとって至福の時間を
提供してきた当館。
今回の企画は、開館60周年記念・・・
西洋美術館フアンとしては、何が何でも 行かなくちゃ! 
 
 この美術館の歴史、作品のドラマチックな流転~
 名画を また 心ゆくまで鑑賞したい・・・
  
 
  見慣れた外観、コルビジエのこの建物も文化遺産に…
 
 館内前の庭は既に大勢の人だかり… あの有名な「地獄の門」の
前には賑やかな修学旅行生の声も~
 
  
 
 
 
 
 
 ロッカーに荷物を預け、一汗拭いて
 さぁ、入場!
 
 西洋美術館を語るには、松方幸次郎氏の作品に対する慧眼と
 美術を愛す心、作品の激動のドラマと共に記憶に留めておきたい。
 
 まず館内最初に、開館60年に際し
 国立西洋美術館と言えば この絵だ!
  そう、モネ の「睡蓮」 この1枚から スタートです。
 
 この睡蓮に関して、今回の企画の目玉…を最終章に
 
 
 
 
 松方幸次郎氏の自画像から ご挨拶です?
 
 
 
 
 
 
  作品リスト  
 
 
 
  プロローグ… 
    1.クロード・モネ     睡蓮
    2.フランク・ブラングィン 松方幸次郎の肖像
 
    ~以下 今回の展示作品数は  約160点や歴史資料と共に、時代の荒波に
  翻弄され続けたコレクションの100年に及ぶ航海の軌跡なんです。
 
  ゆっくりと、たっぷりと 作品に浸って 時間を過ごしたいと思います。
 
 
  どれも 名画ばかりなので、詳しい説明は省き、ご紹介したいと… 2回に分けますが。
  それも 私が選んだ作品となりますが お許しを~  
 
 
  この美術館い入る前に庭園があります。
  普通、美術館と言えば、「絵画」鑑賞と。
  でも、 この美術館には 世界的な彫刻家ロダンの名品が目白押しなんです。
  先ほど、冒頭の 「地獄の門」「カレーの市民」等は
  爽やかな、空気、緑の中に 佇んでいます。
  館内にも ロダンの作品「考える人」をはじめ 数多く展示されていました。
 
  その中で 庭園の
  「地獄の門」
          
  
  「カレーの市民」
              
 
  先に 館内ロダンの作品を
 
 
  「考える人」

        
 
         
 
  「接吻」              「瞑想」 
 
             
 
 
  力強さや、優しさ…彼の腕の冴えは 他を許しません。
  また、その観察力の見事さ…
  彫刻って 美しいものなんですね。
 
   彫刻刀の冴えにも勝る…デッサン力  珍しいデッサン画が
   「裸の女たち」
 
   
 
   「立つ女」
   
 
   「剛」の力 は彫刻刀…その前の 優美さを表現するには「柔」
   このデッザンから理解できますね。
 
  
  
   第1章は 古典もの 聖書ものが多く…やはり日本人には少し苦手?
   西洋絵画の鑑賞には、この聖書の物語をよく理解していないと
   なかなか難しい ところがあります。
 
   50点近くの作品が展示されていますが…若干、縁が薄いところかな?
 
  その中で 目に飛び込んできた作品が
 
   ジョン・エヴァリット・ミレイ  「あひるの子」
  
   
 
 
   ダンテ・ガブリエル・ロセッティ  「愛の杯」
 
 
 
   ロセッティは、画家であり、詩人。
 
    ラファエロ以前の素朴な芸術に立ち返ることを目指しラファエオ前派を
    創生した。
       彼の描く女性の顔の表情には 独特のものが…
   
 
 
 
  松方コレクションは、第一次世界大戦に造船需要を背景に事業を拡大しつつ
  1916~27年頃のロンドンやパリで美術品を買い求めます…
 
  その時代の 戦争をテーマにした作品群も数多く 展示されていましたが
 
   Ⅱ 第一次世界大戦と松方コレクション
 
  戦争の悲惨さ、空しさは~ 最後は こんな表現に 
 
  リュシアン・シモン 「墓地のブルターニュの女たち」
 
   
 
  Ⅲ 海と船 
  
   ここでも こんなニュース性のある 1枚が
 
  ウジェーヌ₌ルイ・ジロー  「裕仁殿下のル・アーブル港到着」
 
 
 
  
 
 
 
   さぁ、いよいよ花のパリへ 華やかな時代に生きた画家たちの 
  私たちに馴染みの作品の数々をたっぷりと鑑賞しましょう。
 
  「ミレー」といえば…
 
  誰もが、ああ知っているよ。 あの「種をまく人」をはじめとして農民を
  描いた画家…だと。
 
  この絵は 珍しく、そうした自然や農民を描いたミレーの初期の古典的な作品。
 
  ジョン=フランソワ・ミレー  春「タフニスとクロエ」
 
   神話の中の物語
    
 
    この美術館に来て このルノワールの前に立つと…ホッとする。
  懐かしさ、優しさ、可愛らしさ…何とも言えぬ感情が。
 
  ピエール・オーギュスト・ルノワール 「帽子の女」
    
 
   
 
 
  もう1枚  これも ここに来たら この絵を見なきゃ~
 
  大海の荒れる大波、 押し寄せる圧倒的な迫力
  この筆力はどこから来るのか…
 
   ギュスターヴ・クールベ   「波」
 
 
  
  
 
   松方コレクション 前編 は ここまで。
 
  明日は 「マネ」「ピサロ」「モネ」「ゴッホ」「セザンヌ」「マティス」
 
   まだまだ 見応えの作品ばかりです~ 乞う ご期待!
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美術館巡りNO.3 「待望のクリムト展」へ

2019-07-04 | 日記
 さぁ 今日は待ちに待った「クリムト展」へ。
箱根湯本~小田原 新幹線に乗り換えて 東京
上野公園口に降り立ったのが10:00前
平日の朝なのにすでに大勢の人が公園内を移動している。
お馴染みの国立西洋美術館(後で入館します)前を通過し、まずは東京都美術館へ。
 「クリムト展」
    
  大きな看板は、人目のつく角々に~
   
 何だろう? テントが張られている・・・マイクの案内で・・・「テロ対策」のため
 お客様の荷物検査をさせて頂いております・・・ 凄いね。
 入場する前なんですよ。ここでもう行列。
 入場口に向かうエウカレーターも こんな状態。
 人の流れが絶えません・・・
 以前、もう25年も前の話ですが、大阪から東京本社へ転勤になった社員が
 渋谷のスクランブル交差点の人の波を見て・・・
 「今日は何かのお祭り?」と。
 そんな東京の人、人、人  そして 何でも「行列」を余儀なくされる。
 これが東京なのだ。
 これだけでホント。疲れちゃいます。
  館内にも  
 そして 入場券を買うにも 行列 しばしです。
 買いました・・・入場口で またまた 入場整理が
 流れで順次入場は出来ません・・・待機し、ころ合いを見て、 「どうぞ」の声で。
 もう、これだけでご高齢の方(自分も含めて)お疲れです。

 クリムト・・・本展の紹介文にこうある
「貧しい金細工師の家に生まれながら、20代の若さでウイーン画壇のスターとなる。
 やがて、金色にきらめく女性像を描いて、新しい時代の代弁者となった。
(頽廃芸術)のレッテルを貼られて誤解されたが、それは「美」を追求した結果に過ぎない。肉体に陶酔することこそ”永遠”があると信じた画家は、55年の人生をかけて
生きる歓びを描いたのだ。」
  引用させて頂きます~
 もう 言葉を加える必要もない あとは 作品を鑑賞するだけです。
 ご一緒に~
 作品の展示は 「クリムトとその家族」から始まって・・・最後 「生命の円環」まで全8ブロックに分けての展示作品 (写真、油彩、水彩、彫金、リトグラフ、鉛筆、等)
 作品数では120点を数えます。
 クリムト自身の作品がなんと50点以上にも・・・

 まず  この作品から 「ヘレーネ・クリムトの肖像」
            
  この絵は、クリムトの弟エルンストの娘、 姪にあたる。
ヘレーネが生まれた翌年、エルンストが急死。クリムトは残された母子を預かる身となり、ヘレーネの法律上の保護者となる。

 そう、「クリムト」って こんな顔です。
          ちょっと厳つい感じだね。

 
「オイゲニア・プリマージの肖像」
         

 今回の目玉 パンフレットにも、掲示板にも、雑誌の表紙にも・・・
 この企画展が始まる1年も前から・・・日本中を席巻した1枚の絵です。

     「ユディト Ⅰ」
 クレムト 「黄金様式」時代の代表作の1つ。油彩画に初めて本物の金箔を用いた作品。 額縁 (よく見て下さいね)はクリムト自身のデザインなんです。
 *美しい未亡人ユディトは、祖国を救うために敵将ホロフェネスの首を切り落とした。  という主題。

 
  恍惚とした表情・・・匂い発つような官能性・・・抗しがたい魅力を放つ女性として表現されている。
  もうこの作品の前は、動きが止まって、そして人だかり・・・
 部屋の暗闇の中に 浮きたつような~ 不思議な時間でした。

 
 「女の三世代」
 主題の通り・・・生まれた子、母、そして老婆~ 何を問いかけているのでしょう。


        
 こんな1枚も あった~ よ。
   「アッター湖畔のカンマー城Ⅲ」  

 
 

 「ヌーダ・ヴェリタス<裸の真実>」

 これも今回の目玉
 彼の言う、生まれたままの裸こそ 真実。
 足元に蛇を巻きつかせ、右手に鏡を・・鏡は、古来より「真実」のシンボルとされてきた(そうな・・・) 彼はこの作品で新たな芸術運動の理想を示す。
 「大衆の批判には迎合しない反骨の芸術」 

 思いますに~ 芸術家って、やっぱり普通の考え方じゃ、「いい絵」が描けないのでしょうね・・・普通という解釈もいろいろですが。
 凄く情熱的、偏屈、変質、異常、そして女性好き・・・

 このクレムトも負けてはいません・・・何が?
 彼は 多くの女性と肉体関係を持ちました。しかし、本当に愛したのは誰だった?
  画家として重要な意味をもつこの作品に描かれた・・・
  「エミーリエ」は、弟の妻の妹。
 この女性エミーリエを生涯クリムトは愛します。

  「エミーリエ・フレーゲの肖像」
         
 エミーリエの顔、リアルに描いています。
 良く見て下さい、この絵 平面的でしょ。
 奥行がなく、平面的に描くことで、独自の肖像画様式を確立したのです。
 それを表現した重要な作品だそうです。

  これが本物のエミーリエの写真
   自分で出会印したドレスをまとい、モデルとして活動していた
   35歳ころのエミーリエ 
       

 

  どうです・・・顔の表情はそのまま  リアルですね。
  眼の動き、 頬のふくよかさ、ポーズ・・・今、完成した 絵のような・・・
 
       その頃の二人
        


  「丘の見える庭の風景」
       

   「家族」
       

    「白い服の女」 
       

  今回 会場には、 
 主題「ベートーヴェン・フリーズ」を原寸大複製により展示されていました。
 ベートーヴェンの交響曲第9番を「物語」にした全長34mの巨大壁画。
 *フリーズとは、横長の壁お上部を飾る装飾の事。
  コの字形の壁面で

 左面は騎士が旅に出る      正面            右
             

      この中でゴリラのような怪物は、神々でさえ勝つことができなかった
        神話の巨人チュポーエウス。
       その右側に立つ3人の娘は、病や狂気、淫欲を表す。
   
           

  如何でしたか・・・
  迫力ある作品の数々~ 
  
  まだまだ続きます。
   次は 国立西洋美術館で開催中の
    「松方コレクション展」をアップします。


  また 
  国立新美術館で開催中の「ウイーン・モダン クリムト、シーレ世紀末への道」
   でクレムトをご紹介します。(同じ時期でラッキーでした。)
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美術館巡り NO.2

2019-07-03 | 日記・エッセイ・コラム

 さぁ 今日も 「ポーラ美術館」

 

 

 名画の鑑賞ですよ。

 普通の絵画展の会場(出品されている方には大変失礼な言葉)では

 70数点ならそんなに時間は掛かりません。

 でも正直、今日は 1点1点 じっと眺めているだけで

 じわ~っと 迫ってくるのです。

 言うならば、「絵」の方から 問い掛けてくるみたいな…

 近寄って見たり、下がってみたり、長椅子が用意されていれば

 そこに座って、また しげしげと見直したり~

 どっぷりといつまでも浸っていたい。

 そんな感情です。

 

   マティス  この筆のタッチの軽やかさ…

  

  

  ロートレック お馴染みな画家です。

  私は、彼のポスターが最初の出会いみたい?

  こんな 素敵なやつ

   

   一度はどこかで ご覧になったこと ありませんか?

  そのロートレックは ひろしま美術館から

  この作品 「アリスティド・ブリアン」

 

 

   彼の作品の底に流れる「観察力」でしょうね。

  人間描写が鋭い。 作品の多くがこの人間描写です。 ポスター1枚でも その人物の

  「動き」が見るものを引き付けますね。

  彼の言葉に「人物だけが存在するのであって、風景などはその構成要素にすぎない」と

  この絵の主人公は キャバレーの経営者、歌手、詩人。

   トレードマークの、鍔広帽子、黒マント、赤いマフラー。  

   その彼のためのポスターを4点も制作しています。 上の1枚もそうです。

 

 

  

  チラシに大きくデザインされた「ゴッホ」の作品です。

 

  そして 今回 もう1枚 ゴッホの作品を紹介しましょう。 

   ゴッホ 「アザミの花」

  

  この絵は 死の2か月前、オーヴェル=シュル=オワーズに

  移住したゴッホが、精神科医ガシエの家で制作した作品。

  

      この絵 良く見て下さい…アザミの葉 鋸歯状、

   花瓶の同心円状のタッチ、そして背景のタッチ。

   さらに、この背景の「色彩」表現…

  なんという色なんでしょう? ぴったし! 

  筆の荒々しさの中に 計算された表現が。

  厚塗り効果で エネルギッシュに…

  花の描き方にも 白と青の絵の具が混ざりあって、

  瑞々しい~ 

   これは下の絵の具が乾ききらないうちに、絵の具を重ねる

  ことで複雑な色の効果を得ることができる。

  あのアザミの 花の表現

  ツノが立ったような描き方も特徴的です。

 

   絵って、細かい筆使いをよく見るのも…面白いですよ。

  モネの作品も10作ほど展示されていましたが やはり

   シリーズの作品から

  モネ 「国会議事堂、バラ色のシンホニー」

  

  

      モネ 「睡蓮の池」
  

 この睡蓮については 次回以降の「国立西洋美術館」編で。

  とにかく 絵の鑑賞もエネルギーがいりますね。

  お腹もかなり ? という訳で グルメの方も。

  今回、企画中に合わせて 館内では こんな企画も
  
   レストラン「アレイ」にて 「プロヴァンス美食紀行」
  ちょっと興味がありでしょ?
  まず、プロヴァンス風って・・・フランス南部プロヴァンス地方の
  伝統料理。
  ニンニクとオリーブオイルとハーブを味付けとして頻繁に使うのが
  特徴。
  食材は、ラム肉 魚介類、トマト、山羊のチーズ等。
  まず 
  <オードブル> マグロのカルパッチョ ハーブとスパイスの香り
   檸檬やオリーブでマリネし、サラダに
  <メーディッシュ>
     
  子羊のコートレットとモモ肉のロティ プロバンス風
  子羊の背肉とモモ肉をローストしバジル、トマト、オリーブ
  ガーリックを使い これが プロバンス風・・・

 <デザート>
     

   メロンのムース ヨーグルトのシャーベット
    マカロンの3種のデザート
   ムースの緑が、ゴッホの「草むら」をイメージだ そうな?


   美味しかったですよ。
   レストランから ガラス越しに箱根の山々が見えて
   清々しい 気分に・・・

   さぁ、雨も少し小ぶりになって  本日集合のホテル急ごう!

   というのも、毎年、この地箱根で 以前の会社のOB会があり
   それを利用しての私の「美術館巡り」も

   さぁ、明日は 東京へ そう、あの「クリムト」展が待ち遠しい!
   
  
  

 

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続 黄昏どきを愉しむ

 傘寿を超すと「人生の壁」を超えた。  でも、脳も体もまだいけそう~  もう少し、世間の仲間から抜け出すのを待とう。  指先の運動と、脳の体操のために「ブログ」が友となってエネルギの補給としたい。