黄昏どきを愉しむ

傘寿を過ぎた田舎爺さん 「脳」の体操に挑戦中!
まだまだ若くありたいと「老い」を楽しんでま~す

残念です!

2018-05-30 | 日記

残念!

 この方が この歳で

 

 私の歴史時代小説を愛読し始めたのは、九州から東京本社へ転勤になり

独身寮生活を始めた時 そこで衝撃的に出会った1冊

司馬遼太郎の「竜馬がゆく」だった。

 それから 今日 76歳まで 私の本棚には司馬作品が静かに再度、再々度、

さらにもう一度と~ 繰り返しページを捲って楽しんでいる。

 それから、戦国時代~明治維新までの 

「信長」「秀吉」「家康」に関する 本を好んで読破してきた。

 特に。信長が大好き!

 多数の著者の本により 信長像を 上から、下から、斜め、横、

 彼を取り巻く周囲の人間模様…時代を経ても 信長を書き尽くすことはない。

 それほど 信長は 作家にとって格好の対象なのだ。

 

 信長の最初は 司馬遼太郎の「国盗物語」(後編)

 これが きっかけでのめり込んでいく~

 「新史太閤記」「関ヶ原」へと連なる戦国三部作

 前編は「斎藤道三」後編が「織田信長」

 この後編、信長が主役に据えておきながら明智光秀の視点から「信長」を

 語る場面が多く…光秀が主役として登場  と言ってもいい。

 

  そして 歳を重ね 「信長」を重ねて読んでいく~

 

  津本陽に出会ったのも信長だ。

 これは 最高に面白かった。

 「下天は夢か」

 全五巻 一挙に購入 そして 一気に読んだのを今でも 覚えている。

 ちょうど「元号」が平成に変わり、1990年、世の中も大きく動いた~

 東西ドイツ統一もあった。 「激動」という言葉にぴったりの人物信長の物語なのですよ。

 

 読んでいて、う~ん、なかなかやるじゃない、凄いぞと。

 後日、彼の言葉の中に司馬遼太郎が出てくる… 司馬さんが好きだった。

 なんとなく私もそう感じていた…が、 やっぱりそうなんだ。

 また好きになったね。

 司馬さんが亡くなって~ もう 20年以上にも

 念願かなって、司馬さんの「司馬遼太郎記念館」に行った感激が

 また 思い出されて 懐かしい…

 こんな本も。

 

 

 

 その後、本棚には 次々と並べられていく~ 信長

 故人「山岡壮八」 

 故人 遠藤周作

 

 故人 「池宮彰一郎」

 

 個人の「加藤廣」さん 今年の4月 87歳でした。

 彼の「秀吉の枷」と 

「神君家康の蜜書」は 没後 すぐに購入  信長関連だから

 現在途中までのところ。

 

 元官僚、経済企画庁長官経験の  博覧会のプロデューサー  「堺屋太一」

 

 こちらも 異色の作家 「花村萬月」

 

 ちょっと変わった 評論家の「副島隆彦」

 

 「志野靖史」 若手の時代小説か だ。

  「絵師」の目線で見た語りなのだ。信長が魅力的に描かれていた。

  この時代の絵師の役割って とても 重大です。

  会ったこともない、武将の顔 それを知ることによって 戦略を考える…

  当時としては 生き写しの腕がないとね…バッサリ だからね。

 

 こちらも 従来の枠にとらわれない時代小説の若手

「霧島兵庫」

 

 そして最近 地元出身の直木賞作家「安部龍太郎」

 彼の筆力も魅力です。

 これから まだまだ面白い作品に出会えそう・・・・

 

 戦国時代に この「信長」が登場しなかったら…そして あの「本能寺の変」が

 もしなかったら…日本の歴史は その後、大きく変わっていただろうと。

 でも、この歴史に 明智光秀が その時代に居たから 面白い歴史物語が

 始まった とも言える。

 

 すでに 世は 21世紀。

 戦国時代と 現代では 何から何まで 大きな違いがあるのに…

 いまだに 新しく作家デビューする若手たちが 「信長」を筆にしたくなるのは

 それほどの魅力があるということでしょう。

 

 まだまだ 新説織田信長は 出てくる!

 やめられないなぁ

 その大きな役割を担った 津本陽に感謝を。

 黄泉の国で きっと 信長とゆるりと話をしているのかも・・・・

 

 

 

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愛嬌のある姿です

2018-05-29 | 日記・エッセイ・コラム

今朝は朝から雨

 もう梅雨に入った?

雨も久しぶり~ 

ザアザア…ビショビショ…ならぬ、音もなし、静かな雨がいい。

ベランダの直ぐ前に この朝の静かな雨に濡れて、キリッと咲いている。

 今 起きて顔を洗った?  まだ 顔を拭いていない…というような姿 

とっても愛嬌のある花姿です。

この花の名前「ホタルブクロ」と言います。

梅雨から、夏のはじめの短い時間に姿を見せる…野草なんですが

 我が家の庭の 今の時期 心和ませる 花になっています。

 キキョウ科  花は釣鐘状 がくは大きくV字に、 まるでナスのヘタのよう。

 淡紅色と白

  キリッとしていますよ、案外。

 強い太陽に弱いのが 残念。 ほんのひとときの顔見世です。

 でも、なんとなく落ち着きますね。

 これも、名前の由来かな?

 子供がこの花でホタルを包んだから…

 提灯の古名「火垂る袋」が転んだ名前など諸説~

 トーローバナ チョウチンンバナ チョウチン フクロバナ ツリガネソウ などの別名あり。

 

 梅雨が過ぎれば…「お盆」 いろいろな行事が待っている~

 チョウチンバナ とは言ったものだ。

 なんとなく 心静かなに なるのも不思議ですね。

 

 夏の「ホタル」も連想させ、「火垂る」という古名なんて とっても素敵です。

 仮に、この花の芯に「小さなLED電灯」でも 入れてみたら…

 きっと 素敵な 「火垂る」になりそう…

 

 別名から やっぱり 夏の しかも お盆に因んだ 花なのかも。

 このチョウチン 雨にも負けず 愛嬌を振りまいてくれています。

 

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「薪窯」のピッツア を賞味

2018-05-24 | 日記・エッセイ・コラム

 昼過ぎの陽ざしは強い!

 山の風は山口ダムの水面から吹き上げてくるので涼しい。

庭を囲む周囲の樹々は、新緑の真っ盛り…

 久しぶりの訪問

 

 これ、ここの主のお手製もの。 

 素人の腕にしては~  ほんと、ご立派というほかない 出来栄えです。

  本日は本格的な薪を使っての「ピッツア」をご馳走に。

 

  窯に火を入れて 炎が落ち着くまでには時間もかかる。

 きっと、準備には朝から、そして計算しながらの準備だったでしょう。

 ゲストを「おもてなし」するには、本当に大変なこと。

 感謝・感謝です。

 

 この薪も、自分の山の樹を切り倒し、乾燥させ、そして薪割りをして積み上げる。

 ここまでの一連の作業だって大変なことです。

  火付けのための小枝もいるし。

 とにかく この亭主、器用この上ない 腕の持ち主です。

 今日の この宴を盛り上げるために…

 みんなが座るテーブル  椅子 これ、お手製です。

 

 生地を捏ねる 調理台も。

 

 いや、格好がいいのは 店? の看板 (将来は、店をという夢は持っているそうですが)

 大木を削り 器用に店の名前まで もう 出来上がっています。

 「保貞庵」 これ 夫婦の名前の一文字を使ってとのこと。

  

 

 そして、本日のメニューは、 「ピッツア」の醍醐味を味わう 味見の会

お品書きまで ちゃんと用意されていました。 なんと、5種類も。

 もう 営業気分です…「店主」と書いておりますからね。

 

 生地を捏ねて、延ばし、形を整え、具材を載せ…窯に入れる…

 一連の動きも 手慣れたもの~ テーブル席では 乾杯! と 本日御呼ばれした面々

 「ビール」「ワイン」「日本酒」と贅沢な

 おつまみは、リコッタチーズ、他 珍しいチーズの数々を。ポテトサラダ、フルーツと。

  ピッツアは 窯に入れれば もう、すぐに 焼きあがる~

 

 最初は 「マルゲリータ」 一丁 上がり~ 威勢のいい店主の声が響き

 テーブルまで運んできて さぁ、これも パホーマンス

 

  いいですか、カットしますよ!

   小道具も ばっちし 決まってます、

  

 

  中はふわふわ トロトロと舌に絡み  外はカリッ カリッ 歯ごたえ満点

  …チーズの溶け具合いも絶妙です。   モッツアレラ&ブルーチーズのミックス  

  飲み込んだ後に ワインをのどに流し込む ~言うことなし!

 

  さらに、周囲の緑と風が 美味さを 押し上げてくれる~ 

   

 

 

 

 「贅沢」って、こんな時間を過ごすことでしょうね。

 昼酒 まさに、身体中に駆け回る ワイン、ビール、日本酒…

 腹も 普段と違って 「別腹」だ。

 こんなに一度に パクツク ことなんてなかなか 

 美味いもの喰って、 飲んで、自然の佇まいの中で ほろ酔いになる。

 もう、言葉もありません。

 

  眺めは 目の前に 静かなダムの水面 等覚寺周辺の 緑の競演

  遠くには延々と続く 平尾台の姿。

  心なしか、こちらを気にしているのか? うっすらと煙っている山肌が。

 

   窯の煙が きっと 目に沁みたのかも?

 

  

 

  帰りの車は 「すいません」 アルコールを遠慮していただいた方の運転で…

  私、もうすっかり 出来上がっています。

  登りの「坂道」が 眠りを誘っています~

 

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母の日

2018-05-13 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「母の日」

毎年、兄弟からの母の日プレゼントが届けられる。

 必ず 母の日の当日に宅急便の配達は欠かさない。

長男・次男とも在東京。

本当に感心です。

「母は強し」ですね。

 しかし、私、「父の日」は 忘れているのか?

頭の中にないのか~世間もあまり騒がないので

さほどの関心を示してくれません。

 たまに「いやぁ~ ごめんごめん 忙しくって…」と

 理由をつけて電話してくる。

 もう慣れてますので 

「心配しなくても大丈夫だよ…」ってね。

 

 まぁ、世間も大方そうでしょうね。

 特に息子ともなれば?

 息子、と言っても もうすぐ50の声 だしね。

 

 但し、「誕生日」には欠かさず贈ってきます

 それで十分満足です。

 

 子供って、 母の温もりこそが「思い出」の一番です。

 記憶の底から抜けることはありませんね。

  私も やっぱり 母の思い出は 「温もり」ですもの。

 

 今朝の朝日新聞「天声人語」に

 「きょうは母に感謝する日であり、母を思う日である。

  でも、お母さんが自分をねぎらう日であってもいい、

  頑張ってるね。あるいは昔を振り返り、

  よくやったねと」

 

 ほんとに 夫の私からも 昔を振り返り「よくやったね」

 そう声をかけてあげましたよ。

 母であり、妻であり …忙しい日々でした。

 夫は「外」で頑張り、妻は「中」を取り仕切る。

 まぁ、考えてみれば、私も「中」のことはほぼすべて

 妻にまかせぱなし…

 「ごめんなさい ご苦労かけさせましたね、ありがとう」と。

 「母の日」の常套句?

  声かけも 心から感謝・感謝です。

  さて、兄弟からのプレゼント 計算したのかな?

  「花より団子」を

  今年は 兄が「花」を。

    フラワーアレンジメントで

 

弟が「団子」を。

 虎屋のもなか

 

 私もご相伴に預かり 楽しませていただきます。

 

 「父の日」 なにも 心配しなくていいんだよ~・・・・

 

  

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「彩」を楽しむ

2018-05-08 | 日記・エッセイ・コラム

 連休が終わって、人の動きは普段に戻った ぞ。

 と、思って それなら ぼちぼち 動き出そう…

 おまけに 今日は雨 こんな日は人の動きは少ないはず だと。

  5月2日~20日まで みやこ町「みどり館」で開催中の美術展

 車を走らせ みやこ町の「「みどり館」へ 向かう。

 着いたとき、強い雨が 玄関前のシャクナゲが目に入る 薄ピンクが印象的です

 自動ドアーが開くと

 妻と、その友人の3人 正面の階段を上がり、まず右側の部屋から

 えっ、誰もいない…駐車場には車が沢山止まっていたが…奥の部屋で食事か喫茶だろうか。

 あら 嬉しや~ 気兼ねなく 鑑賞できるぞ。

 今回もちょっと失礼させていただき「撮影ご遠慮下さい」を。

 毎度、ブログアップするのは、絵の好きな方へ 是非 足を運んでもらいたいから…

 *失礼の段は 平にお許しを 🙇 

 

  水彩画 の領域って 広がってま~す。

  「作品Ⅲ」

   赤の使い方 インパクトありますね。 好きです。

 

  なんか やっぱり一味違いますね。 この筆使い…

 

 この絵 雰囲気がとってもいい~

  「白い南仏」 浮かんできます 街の風景が…

 

 

 新聞の欄でも 紹介されていた 1枚

 「今は亡き母」 

  かなりの齢とお見受けしますが…

  母親への愛情が滲み出て…

 

 

 毎回、この方の1枚を楽しみに 

 「里の祈り」 80号の大作です。

  いつ見ても 素敵!

  国東には 素敵な絵のモチーフが いっぱいあります。

  私も 大好きな 石仏です。

 

  *ぼろいデジカメ おまけに室内 電灯の反射も画像に入るので

   折角の絵も 台無しですが。

 

 

 「森のコンチェルト」

  これも 上段に照明が入ってしまって…雰囲気を壊してしまいました。  

 

 これって森の中ですね。

 「コンチェルト」 協奏曲

  ラテン語で<競い合う> イタリア語で<協調させる> という意味がある。

 独奏楽器とオーケストラ 両者の対比と調和を構成しつつ独奏者の演奏技巧を

 発揮させるように作られた楽曲とある…

 森の奥まで並んで聳える樹々~ これが オーケストラ

 白い細道が浮かんでいる これは ステージの オーケストラと

 独唱者の境界線? 

 

  中央の大きな樹が 独奏を担当する役割

  指揮者が 力強く振る  奏でるのは 

  それは ヴアイオリンか…

  絵の 小さな枝が きっと 腕をかまえ 弦を弾いているのだ…

  曲は、 バッハ ハイドン、モーツアルト…

 

 私は ちょっと 洒落た ジャズと協奏曲とが合体した

 ユニークな作品 

 ガーシュウインの「ラプソデイ・イン・ブルー」のメロデイーが

 流れてきた~のだが? 

 絵筆を振るった方は(画家の指揮棒ですよね)

 どんな曲を イメージしてタクト振ったのでしょうか。

 

 

 こんな静かな 一般的に目がいく 素直な作品も。

 「南阿蘇の春」

  いいですね~ ず~と このまま いつまでも 眺めていたい 阿蘇の空気と共に。

  

 

 心清々しい…この1枚

 

 いつも思います。

 「豊かさ」って こんな時間を持ち、そこに浸っている時。

 1枚の絵を見ながら、自分の世界で 想像し 自分流に創造して

 「そうなんじゃやないか なぁ~きっと…作者も 」と 

  的外れな想像であるかもしれないが 自分が納得している。

  館内の 短い時間で そんなことを噛みしめて…

 

 5月20日まで 開催中です 是非是非 「みどり館」まで。

  あなたにも 感動の瞬間が… 

 

  

 

 

 

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花からいただく…潤い。

2018-05-07 | 日記・エッセイ・コラム

 今朝はニュースの通りの「雨」

それも少し冷えびえと感じる憂鬱な気分の

 

GWの異常な賑わいも終わって

元の喧騒に戻り いつもと同じ生活が始まった…世間。

 我が家は老夫婦の生活、特に変化もなく淡々とした時間が

同じように流れていく。

 花壇の花たちも精一杯笑顔を振りまき?

 楽しませてくれ、順次、咲く花の交代劇もちょっと

 一休みです。

 鉢植えの花の後始末や、植え替えの準備が今週から

 次の仕事。

 

 草取りも、最初の場所には既に勢いよく成長する

 雑草君との戦も待っている。

 草刈りもしなければ…いやはや のんびりもしておれない。

 

 その合間の部屋でちょっとばかり一休みを。

 生きている花を花壇で見るだけでなく部屋にも花が必要。

 生きているとはいえ、「切ってしまえば」

 寿命はさらに早い! 

 なければ殺風景になるし…でも、生のものでないと

 雰囲気も出ないし。

 ちょうど今、こんな風景です。

 

 これはちょっと素敵な感じですよ

 「白とピンクのカスミソウ」

 豪勢にいっぱい枝切りをして飾ってみました。 

 バックのカトランの絵の「赤」とベストマッチングです。

 

 こちら側は「緑」で

  もう我が家のリビングに腰を下ろして 20年以上にも

 なくてはならない まさに「シンボルツリー」のパキラです。

 2m40㎝の天井に一番上の葉が届き 曲がり始めました…

  このコーナーにもカトランの小品が「緑」と「赤」でマッチングです。

 

 その下には 窓際に

 「スパティフラム」が 「白」の花と、 白が終わり「緑」に代わっていく 二つが

 

 玄関口には 「芍薬」のピンクが もう満開で こぼれる寸前です。

 この花 ちょっと珍しい品種…

  壺の「青」と油絵(阿蘇)の青と ぴったしです。

 

 キッチンの明かり取り窓には ビオラの花を鉢から拝借?

 

 

 やっぱり「花」がある生活には潤いがありますね。

 これからますます暑くなる季節

  負けずに ぼちぼち 庭仕事 続けていくことに~

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昨日の続き「風神雷神」

2018-05-02 | 日記・エッセイ・コラム

この本の主役はもちろん「宗達」ですが

 主役は3人のような…

「本阿弥光悦」に「烏丸光広」だと。

 この3人の見事なばかりの組み合わせなくして「宗達」の

「絵」も 脚光を浴びることにはならなかった。と。

 

 話は 昨日より少し戻りますが、彼(宗達)のデビュー?は

烏丸光広の声がかかったのがそのそもの始まり。

 それが「養源院」という建物の内装画から~

 この養源院 話せば これまた壮大な物語・・

もともとは、秀吉の側室淀殿が実家・浅井一族の菩提を弔うために

建立した寺。 

 ご存知のように、淀殿父は 浅井長政、母はお市の方。

 そのお市の方は織田信長の妹…。

長政とお市の方の間に三人の娘

 長女お茶々(のちの淀殿) お初、お江(おごう)

この三人の人生は、また数奇な運命をたどる~

 ここは 省きますが~失火により焼失した養源院再建の話が出て

 時の2代将軍秀忠の正室となったお江が執り行うことに。

この寺の物語だけでも 十分に面白い…。

 さて、その養源院の内装画依頼までには、数々の曰く因縁が起きるのですが

ここでは飛ばしまして…宗達が引き受けることに。

 その指定されたものは? 戸板四枚…

 縦180㎝ 横125㎝

これまで宗達は扇を中心に、掛物や短冊、絵巻といった、

こまごまとした画面ばかり~これは異例ともいうべき大画面。

 何を描くのか? 助言もなし…そこで光広が

 「睨む いうのはどやろ?

 宗達いろいろ考え、図柄を探し、頭の中で…

 こんなの、 唐獅子と、白象図は、どうどしゃろ?

        ・・・・

 それでいこか。

 杉戸という不慣れな素材に描いた 完成品がこれだ!

     養源院 白象 俵屋宗達

       

            唐獅子 

 

  この 白象 唐獅子図 「動きを出すために」宗達はこれまで

 使ったことのない極太の筆を用い さらに、薄い墨で輪郭線を描く

 「彫り塗り」の技法を~

  見事な仕上がりに。

 

 その後、宗達四十を過ぎての結婚、京で評判の絵屋「俵屋」も順調!

 そして 源氏物語から「蔦の細道図屏風」(前回掲載)の完成 

 宗達の身 大きく変わる。

  「法橋」の位を得た。烏丸光広が後水尾天皇にはたらきかけた結果だ。

 

 「*「法橋上人位」 僧位の第三位 法位 法眼に次ぐ。

 中世以後、医師、仏師、絵師、連歌師などに僧位に準じて与えられた称号。」

 

  法橋宗達お披露目の席に飾られた六曲一双の屏風絵 「松島図屏風」

 *現在は アメリカ ワシントンDC 「フーリア美術館」にある。

 もしアメリカに輸出されなくて 日本に残っていれば、間違いなく「国宝」に

  指定されていただろう と 言われる作品。

  次に手掛けたのが「西行法師行状絵詞」 (前回掲載)

 

 「伏見醍醐寺」 真言宗の古刹である。

  よりも、あの太閤秀吉 前代未聞の観桜の宴「醍醐の花見」

 と 言った方が分かりやすいでしょう。

 その醍醐寺三方院座主覚定よりの依頼

  父 義演の折、応仁の乱以降 荒れ果てた寺の再建に 

 秀吉に接近し再建に成功する。

 その覚定から「源氏物語」のフアンであるので 是非にと。

 しかし、お寺であるために 全編 色恋物語の源氏物語です

 そのままの場面を描いた屏風を寺に置くわけにはいかない。

  本根と建前。

 分かりやすく表現すれば、今日的には「グラビア写真集」を部屋で

  眺めていたい~ そんなところでしょうね。

  …女を入れず、人を入れてほしい …

 宗達考え 選んだのが 「光源氏と女たちのすれ違いの場面」に。

 ★光源氏と空蝉がすれ違う「関屋」

 ★光源氏と明石の君がすれちがう「住吉詣」(「澪標」)

 こうして完成したのが

  「関屋澪標図屏風」

 

 

 俵屋の名前が上がり 商品価値が上がったことで宗達に冒険する余裕ができた。

 金銀泥をふんだんに用いた豪奢な色紙や短冊もいいが… 

   墨で描いた掛物や屏風も見てみたい~ という声も聞かれるようになった。

  「あれこれ試してみよう…」と思ったのが、さぁ 大変。

 いろいろ筆使いを試してみては、納得して見たり、これはアカンか~

 墨のにじみ具合に一喜一憂、 周囲のみんなも作業場を覗いて

 顔を見合わせる始末。

 水を得た魚のごとく、宗達は自在に泳ぎ始める・・・・

 ここでまた烏丸光広とのコラボレーションとなった「牛図」

  小品で縦95㎝ 横45㎝ 二幅対の掛物。

 

 右幅の座った牛の上に 光広の画賛

  ”かな文字”を見事な散らし書きに…

   「  身のほどに 思へ世の中 憂しとても

         つながぬ牛の 安き姿に    」

 

  また時は流れ~ 光悦の死

  宗達の衝撃は大きい 失ったことで、光悦の存在がいかに大きかったかを

  改めて思い知った。

 

  

  ドラマは なかなかユニークな膳立てで

    「俵屋」をみしらぬ女が 訪ねてきた・・

   「俵屋」の主・宗達はすでに亡くなったと聞くと、女は言葉を失い

  呆然となった。 

   そうなんです、このドラマの最初と最後に登場するのが

   「出雲の阿国」 

   盛り上げてくれましたよ 最後の最後に。 

この本の終局は お馴染み彼の大作 「風神雷神図」に

 誰からの注文なのか?  何を意味するのか?

 遺された二曲一双の金地屏風に描かれた「鬼二匹」

  右隻に風神 左隻に雷神

 「 黒雲に乗って天空を踏み、いままさに地上に風を吹きおろし

      雷を投げ下ろさんとする鬼たちの姿だ。」 

   宗達が死んだあと、仕事場に唯一残っていたのが

   この屏風であった。 印はない。

   どこを探しても見当たらない。

   ただの「宗達」とさえ記されていない。

    無印無署名の金屏風だ。

               (本書・作者の文より引用)

 

 

  金屏風 

 私のゴールデンウイークに相応しい~ すてきな本を読むことができました。

 

 

   GW 後半は 同じ時代

   「信長」と「秀吉」にまつわるもの

    この2冊が ページを開いてくれるのを待っているようなので

   「信長の棺」 信長の遺骸は なぜ 本能寺から消えたのか… 歴史ミステリー 

   「秀吉の活」 歴史本ではなく あの秀吉の一生は コミックに読めそう…

 

  

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GW 前半の収穫は この本にあり

2018-05-01 | 日記・エッセイ・コラム

黄金週間、誰が命名したのだろうか?

 黄金を発掘するために荒野を走り抜け~

なんて昔の物語ではないだろうし、「休日」が連続し

何かを「見つける」チャンス

 それはそれぞれの心に秘めた時間の使い方にあるのであろう。

私にとっての前半GWは 今年はこの柳広司の「風神雷神」の

風の章、雷の章の2冊が黄金になった。

 

 この数年、ちょうど美術展の企画展などで絵師を狙って

足を運んでいたのでその興味と勉強の為に選んで読破してきた。

「若冲」(澤田瞳子)「狩野永徳伝」(神部眞理子)長谷川等伯」(安部龍太郎)

「松林図屏風」(萩耿介)墨龍賦{海北友松}(葉室麟)

そして「俵屋宗達」(柳広司)と続き~

その絵師に関わる周辺の人物「利休」「織部」にも目を凝らし読破

 まだ まだ 追いかけるのだが。

 

 それぞれ 時間を忘れさせる筆力の持ち主の展開は

 この年寄りでも興奮が止まない …

 

 この風神雷神に登場する人物は 宗達本人(俵屋伊年)と

宗達を取り巻く重要な役回りが 紙屋宗二 角倉(与一)素庵

 そして「本阿弥光悦」公家「烏丸光広」

 さらには狂言回し?の出雲阿国までも 顔を出し

ストーリーを面白くさせる。

 

 まず「絵」には「紙」が必須条件

その紙について深く勉強ができた。特に加工にあたっての技法

これは 絵師や書家にとっては作品の成果にも大きく影響するから。

まずは、宗達 最初の出会いは「光悦」

 本阿弥光悦と言えば、時代を代表する能書家、家業の刀剣ばかりではなく

工芸美術品にも精通し、万能の文化人…

 宗達が光悦の和歌色紙を見た瞬間から 始まった。

「こんな文字はみたことがなかった」

文中より…文字ひとつひとつが色紙の中で息づき、跳びはね、駆け出し

 足をとめ、羽根を伸ばし、また 跳びあがる。

 あるいは文字同士が互いに声を交わしているかのようだ・・・・

 

 時を経て~「嵯峨本」へと。

*「嵯峨本」は、木製の活字を使って印行された書物で、近世後期

  (18世紀から19世紀後半)に刊行された、いわゆる「古活字本」

  に分類されている。

  このキーパーソンは、角倉素庵、本阿弥光悦、俵屋宗達である。

 この「嵯峨本」の人気が高まるにつれて光悦のもとに

 さまざまな依頼が舞い込む。

  つまり「光悦の書」「宗二の料紙」「宗達の下絵」の組み合合わせ

 が始まる~ 「書」が先、「絵」が先 どちらともあり。

  書に合わせて、絵を。 書の空間に合った絵であり。

  絵の空間に合わせた書であったり~

 そして 双方の筆使いや、外題に合わせての「料紙」が求められ

 三人の関係性がその力量を上げていくことに…。

 宗達下絵 光悦の書 「鶴下絵和歌巻」 一部分

  絵と書によるセッションである。

  すべての絵は…立つ鶴二九羽 飛ぶ鶴百十羽。 金銀泥のみを用いて、連続する鶴の姿

   なのだ。

  

  

  彼は 京の町から 田舎 鷹峯に居を移す~一族郎党・知人・工人・職人らを呼び寄せ

  みなが自由に仕事ができる環境を整えたいと…隠棲した。 処世術のひとつであろう。

   *本当のところは、時の天下はいまや並ぶものなしの権力者徳川家康。

    天下統一後、手を緩めることなく、秩序を乱すものの駆逐をすすめていく。

    その標的に「文化人」も。

    「織部好み」と呼ばれる独自の意匠をを流行させた「古田織部」

     ”織部の美的センスはカブキに通じる”   のち切腹に。

     光悦も、 同じ道をたどっていた可能性は極めて高い…

     

  実は 「宗達」も当初は一緒に鷹峯に…の思いはあったのですが~光悦から話が合ったその時

  何故か断っている…そして 本業の俵屋の「扇」に。

   そのころ天下人 秀吉がなくなり 大きく時代のうねりが始まる

  そして 稀代のペテン師? 公家の「烏丸光広」との出会いで 大きく変わっていく。

  相国寺「蔦の細道図屏風」 六曲一双の屏風絵 宗達。                

 

   あら不思議 左右どちらに並べてもつながる 

 

 

  次に手掛けた大作 「西行法師行状絵詞」 

   平安時代の歌人、西行法師の行脚と詠吟の生涯を描いた伝記的絵巻物だ。

   古くから絵巻物表現の最高峰のひとつと謳われてきた。

   その模写を自分のものにしたい…。詞書は烏丸光広が。 下段は第1巻のもの。

 

    現在 東京出光美術館蔵  宗達の模写 絵には宗達の印はないが 

                光弘詞書(下段)に署名花押アリ

 

   まだ、まだ 続きますが また明日に。

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続 黄昏どきを愉しむ

 傘寿を超すと「人生の壁」を超えた。  でも、脳も体もまだいけそう~  もう少し、世間の仲間から抜け出すのを待とう。  指先の運動と、脳の体操のために「ブログ」が友となってエネルギの補給としたい。