黄昏どきを愉しむ

傘寿を過ぎた田舎爺さん 「脳」の体操に挑戦中!
まだまだ若くありたいと「老い」を楽しんでま~す

名画に酔う~美術館巡り その5

2018-06-30 | 日記・エッセイ・コラム

 これから行く美術館は昭和の実業家細見家が蒐集した

コレクションを展示している私立美術館です。

 

  この美術館の周囲 「京都近代美術館」「京都市美術館」

  「京都市動物園」と、大勢の人が お出かけしていました。

 今回は企画展を。

  早速ですが、入館券もユニークです。

    

  ブログアップ中に気が付きました。

  その日は 「金曜日」でした(6月22日(金))

  この 下の英文字  FRI. に。

 館内は 吹き抜けで

  Cafe やこじゃれたレストランも

    

  江戸時代の「判じ絵」という 珍しい企画展なんです。

 

   つまり 「なぞ解き」です。

 「絵」に置き換えられた言葉を当てる遊びです。

 題材はいろいろ。人名、地名、名所、動植物、道具類など…

 問題として描かれた絵は、「音」が通じるだけのまったく無関係なものが

 組み合わされているものが中心。

  まぁ ちょっとご覧ください。

 

            顔の「ほう」    蝶々    答えが

  この役者絵

   上の部分の絵を見て

    「金千両大当たり役者はんじ物」

    人名のはんじ物

 

  道具の判じもの 

 

   虫を集めたもの

 

 

 

 あなたも やってみる  答えは 爬虫類(昔の分類)

  

  

  いかがですか このくらいなら簡単ですがね…

 1.カマキリ(釜を切る)   2. ヤモリ(矢の子守り)

 3.スズメ (鈴に目)    4. 蛙 (川に 洲に濁点)

 

 まぁ、こうして たくさんの作品を読み解く~ なかなか大変

 

 ちょうど昼時なので、この館の中の

 「Trattoria en」でパスタをいただきました。

 お洒落な店ですよ。

 美術館の中ですが コンクリート吹き抜けの斬新なデザインの

  階段を下りて…

 

 

 

 美味しかったで~す!

 

 さぁ次の美術館へ 

 都会はどこも目的地に行くには、

 「ルートの確認」「乗り換え」「階段」に苦労ですね。

 特に、上下階段利用は歳を取ると…

  「やれ、やれ~ どっこいしょ」

 いえ、好きなことをやるなら、頑張らなくちゃ~

 地下鉄今出川で降り、同志社大学を見ながら…

 「相国寺承天閣美術館」へ。

 この寺は古く明徳3年(1392年)夢想疎石を開山とし、室町幕府

 三代将軍足利義満によって創建された臨済宗相国寺派の大本山です。

         

        館内 義満の肖像画 展示されていました。

 600年余の歴史により、中近世の墨蹟、絵画・茶道具を中心とした

 多数の文化財が伝わっています。

   

  

    看板の この絵     丸山応挙   「薔薇文鳥図」 

   

 

  今回の展示には、鹿苑寺(金閣寺)、慈照寺(銀閣寺)の国宝、重文の

  展示も多くありました。

  

   伊藤若冲 「牡丹百合図」双福 慈照寺蔵

 

       牡丹猫図  土佐光起  相国寺蔵

 

   これは以前から見たかった…丸山応挙

     「牡丹孔雀図」重要文化財 相国寺蔵

 

 

  名画 
 金閣寺大書院の襖絵であった伊藤若冲の「葡萄小禽図」一部 重文 

 

  この絵の展示は (パンフレットより 写真)

   

 

   同じく 伊藤若冲 「月夜芭蕉図床貼付」一部 重文 

 

   展示は

   

 

 茶室 夢中庵

 

  床の間の掛け軸は 夢想疎石墨蹟「別無工夫」

   

 「別に工夫なし。放下すればすなわち是なり」とは、何も心に

構えたり、計らったりすることはない」

 構や計らいを捨ててしまって、コトにあたればいい…という

ほどの意味。

 あれこれ考えず、心を空っぽにして、一生懸命やるべきコトを

 やればそれでいい…

 「随所に主となれば、立処みな真なり」という言葉がある。

 どんな環境にあっても、自分と言うものをただ一生懸命に投入し

 行動すれば、真理から離れることはない…と言う意味。

 それが、たとえ意に沿わない場所であったとしても、腐ったり

 そこから逃れる算段などせず、その場、その場で一生懸命やる

 ことこそ大切…

  禅には いい言葉がありますね。

 

 何だか、自分の日々 「いま、ここ」を生きているだろうか?

 

そうそう ここには もっと凄い銘品がある…

今回の展示には なかったが。 収蔵品の中に

 宋時代の 茶器 吉州窯 天目茶碗があります。

    

 この「夢中庵」で この国宝の「天目茶碗」で

 お茶など点ててもらえるならば… ありえない!

  *普通の茶会はできるそうですが。

 

 ああ 今日も歩いた 歩いた…

 今日の京のお宿は 四条河原町 繁華街のすぐそばで。

 

 さぁ、明日は、 山崎の「アサヒビール 大山崎山荘美術館」から

 ~神戸へ 「兵庫県立美術館」開催中の

 「プラド美術館展」なのだ。  

      続きは その6でお会いしましょう。

   

 

 

 

 

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名画に酔う~美術館巡り その4

2018-06-28 | 日記

 京都市内バス 100系統で岡崎公園まで

バス停の正面 久しぶりの平安神宮の 大きく鮮やかな鳥居が

目に飛び込んでくる。

 しばし、平安の昔を味わいながら歩いてみた。

 

 

 すぐそばが「京都近代美術館」

 「生誕150年横山大観展」 これも今回の目玉です。

         

 昨年、東京の横山記念美術館へ足を向けたが、そこには作品は少なく

 今回の企画は、全国美術館の横山大観収蔵作品や個人蔵のものまで

 明治、大正、昭和の時代に区分され かってない企画展。

 

 年代別に展示されており今回は「前期」の展示期間だった。

 作品60数点。

 

 横山大観を説明することもなかろう…じっと画面に向かって至福の時間を

 味わえばそれでいいのだ…

 この絵は 誰の絵なのか? と、分からなくても日本人なら一度は見た。

 大観 明治30年の作品 「無我」 

  

  しかし今回は 「後期」の展示だった…残念!

          これで我慢なのだ…

「切手」の…  

 

 明治31年  「屈原」

 

 明治31年  「秋思」

 

 明治32年  「井筒」

 

 明治35年  「迷児」   

        

 明治39年 「ガンジスの水」

   ヨーロッパ遊学中の作品 契約したロンドンの画商へ帰国後送った作品の一つ。

    墨の中に ガンジスの夕日?  いい雰囲気の1枚です。

 

  

 明治41年の作品 「白衣観音」

 

 

 明治43年に地球に近づいたハレー彗星を水墨画で描いた作品。

  こんな時代に、これをモチーフにするなんて…

  発想も若いですね~

 「彗星」

       

 

  明治は遠くなりにけり…でも、この時代の大観 冴えわたる筆。

 

 いよいよ大正期に。

 何といっても 最大の名作 「生々流転」

  水墨画の集大成 全長40mを超す の本一長い画巻

 全部は無理なので…一部を 細切れにして~

   山の頂から 雨 雪 積もって 最後は海に流れていく

  

  

 

さぁ、絢爛たる 昭和の時代に…

  昭和4年   「夜桜」  

 

  昭和14年   「春園之月」

 

 昭和27年 「或る日の太平洋」

  なんて構図の取り方なんだろう…大胆不敵 

    葛飾北斎も…波に飲み込んでしまいそう ~

 

 昭和28年  「霊峰飛鶴」

  こんな高い処…鶴 飛びますか? 

    夢の中の絵見たいだ。

 

 

 酒飲みの大観 絵を描くときでも 盃を傍に…

  これは余談ですが…

 広島に赴任してる時、三原の酒「酔心」を訪ねたことがあります。

 併せて「大観記念館」の絵も鑑賞してきたことは言うまでもありません。

 その際に、こんな話を。

 「大観とこの酔心の交流が始まったのは、昭和初期の頃。

 当時の東京神田にあった酔心支店に、頻繁にお酒を買いに来る上品な女性

 がいたそうです。店の者が訪ねると、大観夫人だったという、

 興味を持った「酔心」の3代目・当主山根薫氏が、その後、大観の自宅を

 訪ねて酒造りの話をしたところ、大観とたちまち意気投合。

 「酒造りも絵を描くのも芸術だ」と大観に言わしめました。

 感動した山根薫氏は、一生の飲み分を約束しました。

 そのお礼が「大観記念館」に所蔵されている作品なのです。

 

 いやぁ~、絵画鑑賞ってのは、酒を飲んだ後のような…

 酔った 酔った  「いい気持ち」

 

 さて、「その5」は すぐ近くの 「細見美術館」へ

 ほんの少しばかり 歩いて行ける ユニークな企画の美術館。

  さらに、 同志社大学の近くの

 「相国寺承天閣美術館」に。   ああ大忙しです。

 

 

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名画に酔う~美術館巡り その3

2018-06-28 | 日記・エッセイ・コラム

 宴会明けの朝は早い。

琵琶湖の水面が見える部屋には既に朝の太陽光線がまぶしく

射しこんでくる。

 琵琶湖の朝の活動も早い~湖面には小さな釣舟が何艘も浮かんでいる。

 きっと釣り狂達であろう…

  ここでは何が釣れるのかなぁ~ 大いなる釣果を期待しておきましょう。

 

 朝食後、送迎バスで「雄琴温泉駅」へ。 京都に向かう。

 まず最初は、「京都国立博物館」へ。

 今朝、開門と同時(9:30)一番の入場者に。

  きっと珍しい…後続車がいない…このままずっとの期待をしながら

 ゆっくりと周囲を眺めながら、入口に進む。

 特に、特典はありませんが、朝の空気が清々しい…

 最初の作品を ゆっくりと独り占めできるのが「特典」

 

 歴史あるこの建物はレンガ造りの「明治古都館」(特別展示館) *重要文化財に指定

  

 この期間は、平成知新館(平常展示館)で「特集展示 新収品展」の開催

 展示は、時代の分野も多岐に渡っており、古墳時代から、鎌倉、江戸、現代まで…

 国宝、重要文化財の数々~

  今回の企画は 同館が7年間分の新たに購入、寄贈によって収集した文化財の展示なのです。

  

国宝に指定されている、最古にして唯一の「漢書」(漢書楊雄伝第五十七)

   …何て書いているんだろう~ 流石の紙も ボロボロに…よくここまで保存できたもんだ。

 

 

 陶器の展示においては 重要文化財「さび絵寒山拾得図角皿」 光琳、乾山の兄弟の合作

    尾形光琳 画            尾形乾山作

    

 

  これは傑作の一つ

  重要文化財「正親町天皇宸翰消息 蘭奢待云々 九条稙通宛

 

 これには面白い伝えが~

  「蘭奢待は香木で、東大寺正倉院にある」

   これを切りとるには天皇の勅許が必要なのです。

        

 

  今回出品の作品。

  蘭奢待を信長に下賜した際天皇が九条稙通(たねみち)に宛てたもの。

 「1574年(天正2年) 織田信長は蘭奢待から2片を切りとり

 1片を手元にとどめ、もう1片を正親町天皇に献上したが、この

 蘭奢待を切り撮った人物は歴史上限られる。

  今までに

  室町幕府将軍

  足利義政   足利義満   義教(よしのり)

   

  土岐頼武(美濃国の守護大名) 天下人 織田信長

                

  

明治天皇     6人。

 どれほど凄いものか…

 この正親町天皇の云々は

「天皇は{不慮に勅封をひらかれ}と手紙に記し

 信長の強引な要請に応じて天皇家ゆかりの正倉院を

 開けざるを得なかった無念さがにじむ という。

 当時の信長は周囲の敵に囲まれ「四面楚歌」これを打開するために

 「俺に刃向かうことは、天皇に刃向かうこと」 

  どうしてもこの蘭奢待が欲しかった…

   天皇の権威を利用するだけが目的であった~

 

 歴史の中には、こんな出来事は世の中には知られていないが~

 残された1通の書簡から…歴史の窓が開かれる。

 

 ほぼ、独り占めでの鑑賞には大いに満足・満足。

 

 ここを出て、次は以前からどうしても行きたかった場所。

 「智積院宝物館」へ。

 東山随一の名称庭園と長谷川等伯の障壁画なんだ…

  

 宝物館は、金壁障壁画が国宝に指定されたことを受けて造られたもの。

 一歩足を踏み入れたら…中央の奥に、左右の壁いっぱいに~

 大きな絵だ! 目を、身体を動かして 移動し、後に下がって眺め。

 また、移動する…まるで自然の中に一緒にいるような感じ。

  この不思議な空間、思わずためいき…

 ここもまた幸いなことに、数人の客しか、今 いない。

 そんな偶然が、さらに心地よい 時間だった。

 

   この絵が本当に見たかったのだ… この力強い筆の勢い~

     幹が中央部分に しっかりと根を下ろし、ゆるぎない 力を  この迫力。

     まさに貫禄十分。

       国宝 長谷川等伯 「楓図」

 

       国宝 長谷川等伯「松に秋草図」

    これはまた 楓図とは趣を変え~ 風のそよぎが感じられる 柔らかい…

 

 

  この楓図に並んで、等伯の長男久蔵の「桜図」が。  これも国宝。

   この絵の背景の金箔が 反射し 光が~ まず 目を奪う

    筆の妙です、 小さな桜の花びらの 1枚 1枚 陰影が それは 胡粉が重なってました。

    ほんとに凄い、こんな細かな芸を と。 うなる。

 

 

  左右から 正面を。

 この絵は 宝物館に再現された書院にそのままの配置で展示されている。

  等伯作 

 「松に黄蜀葵(とろろあおい)図」  隣に「松に立葵図」

   

 部屋の採光はほの暗い…この正面は 少し 薄暗く 

 松の力強さと、花の繊細さ よ~く 近づいて見ないと…。

 

 解説の一説に…

 ここ智積院の障壁画には 秀吉が好んだ「松」が多く。

 これは、つまり松は豊臣家を示すものと考えられています。

 松は「豊臣」 葵は「徳川」

 風に揺れる葵の花を、まるで圧迫するかのように上から松の木が枝葉を

 広げている~ これは「豊臣が徳川を抑えている」

 つまり、天下は豊臣のもの という意味を暗に示している と。

 そんな向きもあったとか。

 

 さて絵を堪能した後は、名勝庭園で 静かな時間を過ごしてきました。

 ただ、ただ、「無」の境地で、眺め 静かに 疲れを癒しました。

 池と 滝と 築山…一体となり この遠近感もどっぷりと。

 さすが国の名勝に指定されただけはある。

 「ツツジ」の時期が過ぎてた のが ちょっと残念でした。

 さぁ、みなさんも ごゆっくりと。

 書院へ ~ 靴を脱いで 大広間の 正面、左側に 襖絵が

 

 

 

  庭園を眺める為に、縁側に陣取る

 

 

 

 背景の築山との調和も ごく自然に。

  すぐ隣の講堂から、法話の声が 流れてくる 聴こえはしないが~耳に 

  「静かさや」 この時間が 秀逸です。

 園内を歩く   大きな赤松だ。

  こんな大木も。  

 

  あちこちに智積院の寺紋にもなっている「桔梗」が植えられていた。

  この桔梗紋 秀吉子飼いの武将の一人

  加藤清正の家紋に由来しているという。

   

 さらに奥へ行くと 「あじさい」だ。

   

 

 

 この時間には 温度は上昇…汗だくに。

 そんな折の 静かで 涼しげな 庭園。 まさに一服の清涼剤でした。

 

 さぁ、次は 「横山大観」を見るのだ…。 その4へ。

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名画に酔う~美術館巡り その2

2018-06-26 | 日記・エッセイ・コラム

 名古屋市美術館を出て、地下鉄で金山駅まで。

 駅を降りるとすぐ右横に 大きなビルが…

 コンコースを歩いてもう目の前に目を見張るほどの看板が。

 

    

          この急な階段を上り 正面

     

           

            入場券です。

   企画展の作品リストです。

 

  今回の展示は

 Ⅰ.異国を旅したボストニアンたち 

   1. 古代エジプト美術

 2.中国美術

 3.日本美術

 Ⅱ.「グランドツアー」ヨーロッパ美術を集めたボストニアンたち

 4.フランス絵画

 Ⅲ.アメリカンドリームー自国の美術を収集するボストニアンたち

 5. アメリカ絵画

 Ⅳ.同時代の美術へー未来に向かう美術館

 6.版画・写真

 7.現代美術

  この7分野にわたる珠玉の80点

 

 このボストン美術館の特徴は、コレクション収集家たちが世界を旅し

 自分の心眼で見極め、そして持ち帰り~のちにその貴重な美術品を

 美術館へ寄贈する~ 絵画も素敵ですが、収集家たちも魅力です。

  その中でも アーネスト・フランシスコ・フェノロサ

              

         (日本人より 日本を愛した…)

 「明治期に来日し、東京大学で教鞭を執る傍ら、モースや、ピゲロー、

  岡倉天心らと日本忠を旅する中で1,000点以上の絵画コレクション

  を築いた。1890年には、ボストン美術館の日本美術部の初代部長に就任

  している。」

 

 

 まさに重厚な思みある企画展でした。

 思い起こせば、 このボストン美術館に初めて行き、あまりのボリュームに

 ついつい時間を忘れ~ 

 勉強そっちのけで(企業の研修旅行中でした滞在3日間)

 午後の時間をすべて投入して美術館通いをしたこと。

 今から すでに四半世紀前のことでした。

 その 感動が 日本で再び~ と思うと…

 矢も楯もたまらず 足が この地に。

 神が この機会を与えてくれた 運命の時、感謝・感謝です。

 

  1. エジプト、古王国時代

    メンカウラー王頭部   砂岩の「ツタンカーメン王頭部」

   と、11点

  2.中国美術は 北宋、南宋時代の図巻が 6点

    徴宗  「五色鸚鵡図巻」 北宋、1110年代頃 絹本着色

 

  2.日本美術では

   英一蝶  「涅槃図」

 釈迦の入滅の様子を描いた、仏画の大作…圧倒されます!

  画面 高さ2.9m 幅約1.7m 表具を含めれば高さ約4.8m 幅2.3m

 一蝶の力の入りようが伝わってきます。

 この作品、本展での公開に際して、画面の折れや、亀裂、汚れ、糊離れなど

 改善するために約170年ぶりに本格的解体修理が行われた。

 (同館でも25年以上 公開されていなかった)

 フェノロサが購入し、海を渡ってからその作品を実際に見た人はごくわずか。

  今回は貴重な出会いでした…。

    

 

     曽我蕭白「風仙図屏風」 1764年頃 宝暦14年  6曲1隻 紙本墨画

 

 

   喜多川歌麿  「三味線を弾く美人図」 文化元~3年頃

   歌麿晩年の作品

  やっぱり色っぽいね…

   三味線を引く際、左手で調弦するしぐさ、右手の腕の動き…

  鋭い観察眼だと思いませんか…こんな細かい処まで~ その筆使いもこまやかですね。

 

 

  他 14点

 

 4. フランス絵画

    またまた ココデモ、お馴染みの巨匠たちの登場です。

   ミレー、シスレー、ブータン、ピサロ、モネ、ルノアール、クールベ、セザンヌ、ゴッホ、ドガ

   日本人なら 誰もが一度や二度 耳にした画家たちではないでしょうか。

   そんな画家の素晴らしい競演でした。

 

   ドガ 「腕を組んだバレエの踊り子」

 

   素晴らしいタッチ 

 

  もうお馴染みのゴッホ 「郵便配達人 ジョゼフ・ルーラン」

 

 

   同じく ゴッホ 

  「子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン婦人」

 

 

 カミーユ・ピサロ  「ポントワーズ、道を照らす陽光」

    なんとも 清々しい~  筆も軽やかに

 

 

   クロード・モネ  「くぼ地のヒナゲシ畑、ジヴェルニー近郊」

 

  セザンヌ 「卓上のブドウと水差し」

   

 

 理屈なしに作品の前に立ち、眺め、納得し、感動しました。

 

 アメリカ絵画は、出会いがあまりなく 10点ばかり~

 次の「版画・写真」も近代、いや、つい最近の作品でした。

 

 次の現代美術コーナーでは、現代ポップアートの巨匠

 「アンディ・ウオーホル」 

       

  今回は「ジャッキー」シルクスクリーン

  かのケネディ大統領夫人。

  

  作品の前には大勢の人だかりでした。

  彼の作品では 「マリリンモンロー」があまりにも有名ですよね。

  彼女を作品にしたのは数多く美術館、画商の元へ…。

  本展には作品はありませんでした。 残念!

  60年代 美術界に衝撃が走る!

  この作品が 彼を認識させた1枚なのだ。

  

  

 古代エジプト文明から 現代のポップアートまで ~

 息つく暇もないくらい 作品に目を凝らし…再会の喜びを味わった貴重な時間でした。

 

 「至宝展」 よくぞ このフレーズ…

 

 さて、ころは 昼時

 名古屋に来れば…食べるものと言えば? 「ひつまぶし」

 と言うことで ちょっと奮発して

 

  「まぶす」は 混ぜるから。

 お茶碗に移して食す、これがいいね。

 最初にそのまま鰻を食べ。

 次に、ごはんと鰻を一緒に口に入れ 

 ワサビ、小葱、海苔、吸い物、お新香も楽しみ。

 次に お茶(出汁味がついている)をかけて

 サラサラと。

 

 アートとグルメ…今回の始まりの食事が

 なんと、「尾張」から始まった…おそまつ。

いや、ご馳走様でした。

 

 14時過ぎ 新幹線で「京都」から 雄琴温泉へ~

 

 今宵は、100余名を超すOBの連中の集い 

 これは 凄いことになりそうだぞ。

 

 

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名画に酔う~美術館巡り

2018-06-25 | 日記・エッセイ・コラム

今年もこの季節がやってきた。

 毎年、元の会社のOB会に参加している。

今年は「関西地区」の担当で、雄琴温泉での開催。

 さて、これも例年のようにOB会の前後に

私の趣味「美術館巡り」を入れての4日間の旅に

さぁ、出発!

 21日の早朝 小倉発のぞみ2号で 楽しみの旅はスタートです。

一挙に「名古屋」へ。 列車から地下鉄に乗り換え

 足は「名古屋市美術館」にまっしぐら。

 企画展「モネ それから100年」

 

 面白い企画で  「モネ」大好き人間たち。

 いや、モネの絵に触発されて、モネのその後を 画業に心血をそそぐ画家たち

 の企画展なのだ…。

 だから モネの作風? 中には 全然、理解できないものもありました。

 理解できないのは、「見る」方の立場であって…

 今回出展している画家は、モネ なかりせば 今がない。

 そして これからも~

 日本、世界の画家たちの競演です。

  特に日本のこれからを期待される気鋭の画家たちの1枚、1枚は

 現代アートの逸品として 全国の著名な美術館から出品されていました。

 また、「個人蔵」の絶大なる協力もあり、この名古屋美術館開設30数年記念

 に色を添えるようでした。

  以外に、個人蔵に銘品がありますからね。

 こんなチャンスでなければ…なかなかです。

  美術館は街の中心部 静かな講演の中に。

 

 造形的にも斬新なスタイルの佇まい

 

  本企画展 主品数 95点 内 モネご本人の作品が 29点とかなりのボリュームです。

 

 

   

  私の目に止まった1枚は これ。

   「テムズ河のチャリング・クロス橋」  メナード美術館から

 

 

  よく似た 筆使い…

  「霧の中の太陽」    個人蔵

 

 もう1枚  「わらぶき屋根も家」  上原美術館から

  

 好きなモチーフの「積みわら」シリーズも。

 「ジヴェルニーの積みわら、夕日」    埼玉県立美術館から

 

  「海辺の船」  東京富士美術館から

 

  「サン=タドレスの断崖」  松岡美術館から

 

 モネ 「柳」  (個人蔵 国立西洋美術館に寄託)

 

 ご存知「睡蓮」は6作品にも そのうち

  「睡蓮」  吉野石膏株式会社(山形美美術館に寄託)

 

 「睡蓮、水草の反映」 モナコ ナーマッドコレクション

 

  まぁ、私も 数多くのモネの作品を いろいろな企画展で見る機会を重ねてきました。

 以前、新国立美術館開館記念企画展で 圧倒的ボリュームの「モネ展」を含め

 一体、何作品くらいを~

 日本人は「印象派」が好き。

 そして 「モネ」が圧倒的人気!

 「光」を生涯追いかけて~ また どこかで 繰り返し モネに合うことでしょう…

 

  この「モネ それから 100年」

   名古屋開催 なので 私の 記事も これで「尾張」に。

  また 明日。 明日は「ボストン美術館の至宝展」

   名古屋ボストン美術館へ行ってきた     …のだ。

 

 

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オリーブの樹を

2018-06-17 | 日記・エッセイ・コラム

 5月の高校の同窓会に久しぶりの顔が。

 随分長い間会っていなかった…

彼は現在博多で、「オリーブ」の普及の仕事をしている。

その彼がお土産に「オリーブ油」の一瓶をもらった。

 この普及協会で加工・販売もやっているとのことなので

 我が家はかなりオリーブは消費しているので、1缶を注文。

 また 話が発展し、「この庭にオリーブの樹植えたら?」

 と、その後、彼から苗木のプレゼントを。

 

 以前から、植えてみようかなぁ~と思案していたところなので

 ぐっとタイミング…

 

 贈られてきた品種が「ノチェラーラ・・デル・ベリーチェ」

 「サンタ・カテリーナ」 ???

 よく分からないが イタリアの食用品種だそうだ。

 合計 4本も。

 

  今朝 水やりを終えて…

 

 

 数年たてば…オリーブの実の塩漬けでも味あうことかな?

 先の楽しみが~増えた。

 

 

 庭の出番は「アジサイ」 (一部分のみ)  

 柏葉アジサイも元気で~す。

 この何とも言えない…ほのかな「白」が優雅です。

 ガクアジサイも

 今年も肥料をやっていないので…色が悪い…

   

 

 こんな 新しく 華やかな品種は 絵になります。

  今、 超人気の品種 「ダンスパーテイ」

  ガクアジサイとアメリカの品種を掛け合わせての誕生

 

  八重の花びらと ガクアジサイのかたち どうです…

  

 

 花壇では 今 この 「ルドベキア」

 「ひまわり」のような強烈さで…

 

 顔を近づけると~ 反射して、眩しいくらいです。

そして 「シマトネリコ」の白い花が咲き始めました。

 これが 満開になると…香りが凄く…小さな蜂が 集まってきます。

 

 空に向かって 伸びる 伸びる~

 

 でも、この花が散り始めると、また これが大変です。

 辺りは、粉が散って…掃除に追われる…

 花も 見るには素敵だけど、 花後の始末が 待ってるのが 難題ですね。

 

 でも、この鬱陶しい時期…やっぱり「花」だけが 

 元気回復の 強い味方 ? たより になります。

 

 

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雨の今朝は、「緑」のグラデーション

2018-06-08 | 日記・エッセイ・コラム

雨の今朝です。

 断続的に~ 「強く」、「柔らかく」

叩きつけるように降ったかと思うと…音もなく?静かだったり

梅雨の雨にしては、表現力がありすぎる。

ガラス越しから眺めから、思い切って全開にして外の景色を愉しむ。

 天気のいい日とは、違った趣の景色になります。

それぞれの「樹」の葉が、いきいきとしているんです。

遠くから飛んできた、埃、細かな砂…こびりつているのを

雨が落としてくれる。

 普段よりも格段に、綺麗に見えるんです。

 

これが雨の朝の 正面から眺められる庭の樹々~

 「緑色」の競演です。

  同じ「緑」でも、樹によって、個性の違いを表現しているのです。

  その競演を眺める「こちら側」では、見事な緑のグラデーションなのです。

 

 今は 雨の中ですから、太陽の光線を受けていません…

 太陽光線は、その力で 対象物の「色」を変えていきます。

 まさに、「七色変化」の演出者なんですから。

 この画像からでも、緑と言っても、唯の緑ではなく、「白」が目の中に飛び込んでくるでしょう…

 時間により、角度により 変化していくのです。

 この変化が また 楽しいのです。

 この画像の中に いったい 何種類の「樹」があるのだろうと~ と。

 ちょっと数えてみました。

  「ニセアカシア」「欅」「シマトネリコ」「ハナミズキ」「つばき」「サンシュウ」

「更紗ウツギ」「蘇鉄」「羊歯」「ヒメウツギ」「レンギョウ」「柴」「コデマリ」

「紅花トキワマンサク」「ユーカリ」「ネズミモチ」・・の樹

 その傍に、「ルリマツリ」「蛍袋」「クリスマスローズ」「アイリス」

 「ミズヒキ草」 こんなにもの種類で この庭も 賑わっています。

 

 特に、雨の中で 際立って 目に飛び込んでくる のが

 白い粉を吹いたような 「ユーカリ」の葉

 綺麗ですね~… 細くて白い茎の線 これが効いています。

 次に 右側の「ハナミズキ」の花が散った後、葉が変色していきます。 緑から暖色系に。

  「緑」の中に ひとつだけ これって存在感ありです。

 

 造形的に いいのが~ これ。 「レンギョウ」 

  整列した「葉」の見事さ!  茎の赤との対比も素敵です。

 

 そして 何より これから夏に向かって 伸びて 伸びて いく 「ニセアカシア」の葉

 夏になるまでには、この周辺を 覆ってしまいます・・・・

 グリーンカーテンなのです。

 去年までは 木の枝が多すぎ 日差しをまったく感じさせないほどの葉の茂り方だったので

 思い切って、ばっさりと枝を落としました…

 その結果、周囲の樹や、花たちが 大きく成長し、花を咲かせる結果にも。

 「葉」の太陽光線を遮る力って 凄いものですね。 

 そんな アカシアの葉です。

 

 アカシアの雨に 打たれて~ そのまま 死んでしまいたい ~ 

   昔懐かしい 西田佐知子さんの  あの 詩が 聴こえてきませんか?

 

 「雨」って、 どしゃぶりや、洪水まで 成長するのは 勘弁ですが…

 しっとりと、静かに 緑色を いろいろと変化してくれる こんな雨なら 

  「雨」も素敵ですね。

 

  山の端から 雲が上りはじめました…もうすぐ 雨も止みそう。

 

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返ってきた二つの「備前焼の花瓶」

2018-06-04 | 日記・エッセイ・コラム

このことは、「かなしい」ことでもあり「嬉しい」ことでもある。

 でも 小さな物語なんです。

 

そうなんです これは 是非大事に使って楽しんでもらいたい。

という、私の強い想いを込めてプレゼントした二つの花瓶。

 

 当時私は、広島に赴任し、支社務め さらに数年後再度の赴任。

その間に一番熱を上げたのが 倉敷の 大原美術館と「備前焼」

特に備前焼の深さに魅せられて、窯元を訪ねることもしばしば…

地元の窯元、直売所、民芸品店、で眺めるのが楽しくて~

その時分はまだまだ薄給の身

これは と、身を乗り出して 見つけた作品の値段に絶句

ただただ 眺めるしかない 自分でした。

しかし、小品から 少しづつ買い求め 分相応の楽しみで

壺、花瓶は花と共に~ 器類は 料理の友として

生活の中に 自分流に取り入れ 悦に入って過ごしてきました。

私の転勤生活の中で特に印象深い個所が「札幌」

冬季オリンピック開催、翌年に大阪万国博という一大ベントの頃

大変お世話になり、かつ 生涯のお付き合いの先輩との出会いでした。

札幌は僅か3年。 しかし離れても、この夫婦との長い長い重厚な

お付き合いは続きます。

月日は流れ、東京に居るとき 夫婦で訪ねてこられ、一緒に過ごした

帰りに 是非可愛がってくださいと この備前焼花瓶を贈りました。

  1面から見て 

 

  1面の裏から (灰釉部分)

 

 物語はここから  あれから 数十年後

 ご主人の悲しいい訃報が届く。れ、少し時間が経過した際に

 奥様から こんな言葉が

  「俺が亡くなったら、この花瓶は彼(私に)に返して…と」

 長い間十分に楽しませてもらいました、人間は終わりを告げますが

 この花瓶を元の方に帰れば、より愛しみ、楽しんで、

 花瓶も生きながらえる…

 その言葉の重みを感じ~ 現在 私の手元で輝いています。

 

 

 もう一つの花瓶は、私の姉に贈ったものです。

 1面 灰釉部分

  火襷き部分

 先日 部屋の掃除を手伝いに行った際に

 姉の言葉「私も なんだかんだ身の回り綺麗にしたいの~

  もう 82歳 だから 軽くしたいの…

 そして、この花瓶。

 水を入れて花を生ける際に 持ち上げるのにも力が。

 そう、なんだか、落とさないかと心配で。

 だから、今のうちに あなた(私に)返したい…」

 

 その花瓶も 現在 我が家で 輝いています。

 こんなことって あるんだ。 不思議な気がします。

 これも「縁」なんのでしょうか。

 贈った方に大事に扱われ、楽しんでもらい。

  その方から離れ また 元に戻る。

 これこそ「運命」なのでしょう。

 さぁ、次は 誰にこの花瓶の運命を託すことになるのだろうか。

 

 サラリーマンの私の世界とは違って 別の世界では。

 

 

 歴史の中にも 一つの器が数奇な運命に翻弄され…

 数百年の時間を経て 今日 美術館に その「美」を後世に残そうと

 静かにたたずんでいる銘品も現実にあるのですから…

  天下三大肩衝の一つと呼ばれた 茶器の一。

 徳川将軍家伝来の陶器茶入れ 

 重要文化財指定名は 唐物肩衝茶入銘「初花」 東京徳川記念財団所蔵 

   

   凄いよ~ この初花にもこんな物語が

 「日本に伝来する前は唐の楊貴妃の油壷?」 日本に渡り

 足利義政 から茶人村田珠光の門人鳥居引拙の所持 

 永禄12年に織田信長へ。

 その後、嫡男信忠へ、 しかし本能寺の変で 行方不明?

 経緯は不明だが松平親宅が所有、その後徳川家康 に献上。

 賤ケ岳の戦いの戦勝祝いに羽柴秀吉へ贈られる。

 特に秀吉は茶会に初花を使用し信長の後継者でだと周囲に示した。

 秀吉の死後、また家康に戻り、大坂の陣で戦功のあった松平忠直に恩賞

 として与える。その後も次々と持ち主が変わり、江戸幕府に献上に

 現在に~。

   「よくもまぁ、あの戦国時代に 生き延びた? 銘品

     これは運命としか言いようがないですね」

 

   

 

 

 

 

 

 

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続 黄昏どきを愉しむ

 傘寿を超すと「人生の壁」を超えた。  でも、脳も体もまだいけそう~  もう少し、世間の仲間から抜け出すのを待とう。  指先の運動と、脳の体操のために「ブログ」が友となってエネルギの補給としたい。