コロナ禍の今
北九州小倉「ソレイユホール」のコンサートに行って来ました。
入場口では、マスク着用はもちろん、
手の消毒、チケットの半券は自分で千切って渡す。
コロナ対策も十分に~会場2階席へ
ここ北九州小倉「ソレイユホール」の客席はフルシートの盛況。
開演前の通路には、係員が、「客席での会話はご遠慮ください」の
プラカードを。
でも、あちらこちらで囁くような、でも、女性の声は静かな会場では
やはり耳障りな…
ブザーが鳴り、舞台が暗転すると~一瞬、会場のざわつきは止まる。
息を殺した静寂がしばらく続く。
真っ暗な舞台中央のグランドピアノにスポットライトが。
しかし、まだ静寂。
そして、本日の演奏者の姿が、ライトに浮かび上がると同時に
会場の全てが待ってましたというばかりの拍手。
そう、本日のコンサートの主役は
「イングリット・フジコ・ヘミング」
いつものようなドレス、無造作なヘヤースタイル?
おもむろに椅子を少し引き…鍵盤に手を添えて一呼吸。
静かに、指が動き始め、流れるように、踊るように、弾けるように
この時期の会場、待ちに待った今日の日、思いはみな同じ気持ち。
会場の視線は一点に集中している~
よほどの時間がたったのではと?
1曲目が終わると・・・・ため息とも、安堵感とも
集中して、肩がこる? そんな心地よい疲労感も。
彼女のコンサートも「東京」「博多」と足を運んだ。
ここしばらくは、ご無沙汰であった。
やっと、小倉での開催のめどが~
一躍、予約を、そして手に入れることが。
妙なもので、チケットが手元にあるだけで
気持ちが昂る…
購入の日から カレンダーを見る毎日~
フジコ・ヘミングさんとの出会い?は
かの名盤、「奇蹟のカンパネラ」からだった~
平成11年このCDを購入し、演奏を聴いたのが始まりだった。
クラシックフアンなら、きっと皆さん、この1枚は
手元になるのでは? と。
懐かしの1枚でもあり、今でも、
コーヒタイムには 折々聴いている。
本日のプログラムは
F.シューベルト
◆即興曲第3番 変ト長調 4つの即興曲作品90
F.ショパン
◆ノクターン 変ホ長調 作品9-2
◆デフード 変イ長調 作品25-1 「エリアンハーブ」
◆エチュード 新練習曲 第1番 ヘ短調 遺作
◆エチュード ハ短調 作品10-12 「革命」
W.A. モーツアルト
◆ソナタ 第11番 イ長調 「トルコ行進曲付き」作品331
第1楽章 主題と変奏ーアンダンテ・グラツイーソ
第2楽章 メヌエット
第3楽章 ロンド”トルコ風” ーアレグレットー
C.A.ドビュッシー
◆月の光 「ベルガマスク組曲」より 第3曲
M.ラヴェル
◆亡き王女のためのパバーヌ ト長調
F.リスト
◆ハンガリー狂詩曲 第2番 作品244 ハ短調
◆春の宵 作品568 ~原曲「シューマン歌曲Op.39-12~
◆巡礼の年 第1年 スイス「泉のほとりで」作品160
◆パガニーニによる大練習曲 第3番
嬰ト短調「ラ・カンパネラ」作品141より
手持ちの フジコさんCD(数枚)の中に ほぼ入っており
曲には耳慣れていたので ゆっくりと聴けたのは幸い。
しかし、CDと 生では、 まったく雰囲気が違うのは当然。
「ハンガリー狂詩曲」この曲は華麗な技巧が誇示される曲の一つ。
しかし、フジコさんによって演奏されるのは、華麗さよりも
静かに内面に訴えてくるかのような~息づくような
聴き手はこの腕の冴えに耳を澄ましているのだ。
「カンパネラ」は、もう言うまでもない。
何度聴いても、フジコさんのピアノを聴くと、その音と音の
あいだに音が聴こえてくる。
そう、「弾いて聴かせる」のではなく「話しかけてくる」ような。
ただの技巧じゃなく、彼女の内面からの「生きざま」みたなもの。
失礼ながら、「高齢のおばあちゃん」(現在88歳)には
尊敬は、もちろんなんですが、 親しみさえ感じます。
ブロボー!
以前東京にいるときに 彼女の「絵」を「銀座のギャラリー」へ
見に行ったことがあります。
多彩な彼女は、「絵」の方にも才能たっぷりです。
彼女に安らぎを与えたもの。
それは絵を描くことであった。
「ピアノでも、絵でも、誰もやってないことを目指している。
みんな違っていていいのよ。
違うことが、素晴らしいことなのよ」
~フジコ・ヘミング~
名言だね!
今回のプログラムにもこんな イタストも交えて~
↓ ↓
少し、彼女の絵を紹介しましょう。
どの絵も、 可愛い、愛情たっぷりの筆です。
どの線も 自然で 屈託のない 彼女そのもの?
色彩表現も、抜群の感性の持ち主
「天は二物を与えず」って、誰が言った?
極、当たり前のように 彼女は熟す。
そんなとこ 嫉妬心ではなく魅了を感じますね。
彼女、「猫」大好きなんですよ。
自宅で いっぱい飼っていらっしゃいます。
ずーっと「コロナ、コロナ」の虜になって~厭世観も充満状態
スカッとしました。 気分最高です。
ホールを出ると 夜のとばり
花金のはずだが、人通りには人影もなく~
駅までの道を 余韻に浸りながら 歩く。
この歩きが また 格別に思えてきた。
久しぶりの「プチ贅沢」 最高です!