「重大な異常事象」発生だ。
大変なことになってきた。
福島第一原発から、高濃度の放射性物質の汚染水が漏れ出した。
確かな原因もわからず、対応も遅れている。
タンクには、25メートルプール800杯前後、33万4000トンもの汚染水がたまるといわれるが、その総計は驚くなかれ2京7000兆ベクレルという、想像もつかぬような巨大な数字になる。
その汚染水が・・・。
あれから2年半、福島第一原発はいまだにトラブルが頻発し、事故は収束しておらず、東電は嘘という嘘をつき続けてきた。
原因究明もままならず、その対策もずさん極まりない。
しかも放射能汚染水の漏れといえば、原発事故発生以来ずっと続いている、そのさなかにまたである。
これは、決して想定外の事故ではない。
貯蔵タンクの多くは急ごしらえの一時しのぎのもので、5年が耐用年数だといわれる。
5年後に、またタンクを急ごしらえするのか。
同型タンク350基にも、漏洩の恐れが出てきた。
こんな状態では、汚染水は永遠に増え続ける一方だ。
これを、完全に処理することは不可能だろう。
そして最後は、高濃度放射能汚染水は大量に海に流れ出すだろう。
待ったなしである。
日本近海の漁業は、やがて立ち行かなくなる。
もはや、人間の作った原発もひとたびの事故で、人間の手には負えない事態になってきている。
チェルノブイリ原発は、たった一基の事故で廃炉まで100年以上かかるとみられている。
東電も、完全に手詰まり状態で期待できない。
それで今頃になって、国が前面に出る方針を固めたが、いかにも遅い。遅すぎる。
これから体制作りなんて言っているが、汚染対策の解決の糸口さえ見えてこない。
そもそも、タンクの貯蔵というこの一時しのぎの「最後の砦」も、いつかは崩壊の危機を迎える。
事態は極めて深刻だ。
核と人間は、共存できない。
完全なる安全などあり得ない。
これほどの汚染水流出問題なのに、日本のメディアは、何故かあまり大々的には取り上げていない。
海外では、異常な危機感をもって報じられているのに・・・。
福島沖を中心に、太平洋の汚染が進み、漁協などでは試験操業を中止した。
回遊魚のカツオ、マグロをはじめ、スズキ、イワシ、ヒラメ、アサリなど安心して食べられなくなりそうだ。
危険度の高い魚は、青森沖から房総沖まで泳いで回遊しているからだ。
今回の汚染水の流出で、浅いところで泳ぐ魚もかなり危ないといわれている。
専門家は、今後子々孫々10世代先まで、太平洋の魚を安心して食べられる日はないとまで断言している。
この先どうなることか。
日本の政治は、「改憲」などにいたずらにエネルギーを空費している。
憲法問題や消費税論議よりも、人の命に関わるこの汚染問題こそ緊急の最優先課題ではないか。
本当に、どうにかしないといけないのだ。
政治家は、国家、国民のために政治を行うために選ばれたのではなかったのか。
国民の命、人間の命を守る。
政治家は、いま何をしなければならないか、自らの生命を賭けて政治をしっかりと見つめなおしてほしい。
姑息な議論をしている場合ではない。
最近、本州を脱出して沖縄や屋久島へ移住し始めた人の話を、よく耳にする。
このままでは、日本列島は人の住めない国になる。
何としたことか。
そんなことは杞憂であってほしいのに、少しずつ現実味を帯びてきた・・・。(?!)
安心安全だからといって、産めよ増やせよと強引に原発を推し進めてきた自民政権の、万死に値する大罪とはこのことだ。
それで、性懲りもなく再稼動だと叫んでいる。
ここはきっちりと、国家国民のためにこれまでの責任を取って頂きたい。
「福島」を考えたら、ゴルフ三昧、海外旅行など、のうのうとしていられる場合ではない。
最新の画像[もっと見る]
-
川端康成 美しい日本~鎌倉文学館35周年特別展~ 4年前
-
映画「男と女 人生最良の日々」―愛と哀しみの果てに― 4年前
-
文学散歩「中 島 敦 展」―魅せられた旅人の短い生涯― 5年前
-
映画「帰れない二人」―改革開放の中で時は移り現代中国の変革とともに逞しく生きる女性を見つめて― 5年前
-
映画「火口のふたり」―男と女の性愛の日々は死とエロスに迫る終末の予感を漂わせて― 5年前
-
映画「新聞記者」―民主主義を踏みにじる官邸の横暴と忖度に走る官僚たちを報道メディアはどう見つめたか― 5年前
-
映画「よ こ が お」―社会から理不尽に追い詰められた人間の心の深層に分け入ると― 5年前
-
映画「ア ラ ジ ン」―痛快無比!ディズニーワールド実写娯楽映画の真骨頂だ― 5年前
-
文学散歩「江藤淳企画展」―初夏の神奈川近代文学館にてー 5年前
-
映画「マイ・ブックショップ」―文学の香り漂う中で女はあくなき権力への勇気ある抵抗を込めて― 5年前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます