徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

レベル7の不安と恐怖いつまで―福島原発事故・東電の大罪―

2011-04-16 10:00:00 | 寸評

東日本大震災、福島原発事故から早くも1カ月がたった。
東電福島第一原発は、いまでも放射能が漏出しており、予断の許さない危険な状態が続いている。
現地の必死の復旧作業を、日本中が見守っているが、見通しは決して明るくない。
事態は、終息へ向かうどころか、現在進行形なのだ。

これまでの原発「安全神話」は、ここにきてもろくも完全に崩れ去った。
福島原発を、かつて考えられないほど‘安全’と絶賛したのは誰だったか。
地震と津波が予想以上だったからといって、それで済ませる問題ではない。
想像以上のことが起きた結果については、当然設計側としての責任もある。
想定外など、あってはならないと言いたい。

今回の原発事故で、原発依存のエネルギー政策は破綻した。
放射能が漏れ続けても、直ちに人体に影響はないというが、何をのんきなことを言っているのか。
本当に危険な情報が、おそらく公表されていないのではないか。

現在進行形の原発事故は、これは杞憂であってほしいと願うばかりだが、もしかすると最悪の事態を迎えつつあるのかもしれない。
それは、かつて人類が経験したことのない大惨事につながることだ。
もしものことがあると、内陸であれ、海洋であれ、当然放射性物質でおおわれる。
放射能は、数十年という単位で海と地上に残るとされる。
そうなったら、野菜も魚も安全なものなんて激減する。
本当の汚染は、これから始まるからだ。
放射能の測定は、今後100年にわたって続けていかなくてはならない。
最悪の結果だけは、何としても避けたいものだ。

汚染水の海洋への垂れ流しなど、たとえそれしか方法がなかったにせよ、ひどいやり方だ。
世界の国から、怨嗟の叫びが聞こえないか。
日本の信用は、ガタ落ちだ。
どう見ても政府はお手上げ状態だし、完全な対策など何もない。
呆然自失の状態だ。

世界から、日本は重大な情報を隠しているとみられている。
もちろん国民にも・・・。
‘福島’から流出した放射能物質のすべては、偏西風に乗って拡散する。
そして、それはやがて北半球を覆い尽くすといわれる。
いまや、日本だけの問題ではなく、地球規模の問題だ。

遅きに失した感は否めないが、1865年のチェルノブイリ原発事故と同じ、「レベル7」という最悪の評価になってしまった。
これだって、大震災から3日後にすでにこの数値だったというではないか。
そのことをずっとひた隠しにしてきた、東電、政府の責任は大きい。
いま各地で、原発見直し、廃止について論議が巻き起こっている。
当然のことである。
それで、原発政策を続けるのか。
とんでもない話である。

新聞、テレビなどのマスコミは、放射能の危険に踏み込んだ記事や発言を、ことさら避けているように見受ける。
このことは、おそらく間違いないことだ。
いたずらに、国民がパニックに陥らないようにとの配慮(?)かも知れないが、それだけではあるまい。
実に不謹慎だ。
原子力研究の専門学者によれば、原発の危険性に触れる話になると、その分はカットされ、放送もされないというではないか。
テレビ局は、東電批判については消極的だ。
鋭い論評で知られるある著名なジャーナリストは、東電の批判をした途端に番組降板を知らされたと、週刊誌やインターネット上で暴露している。
ひどい話だ。

マスコミも信じられない。
政府や、官房長官の談話もどこまで信じてよいものか。
原発の、今後の行方が大いに心配だ。
現地で、被爆を覚悟で、必死で作業を続ける人たちは命がけだ。
誰かがやらねばならない。
だから、やる。
頭が下がる。
ひたすら、安全を祈らずにはいられない。

ここへきて、計画停電はいまのところ小休止だ。
ほっとする。
でも、夏場はまた心配の種だ。
節電、これはやれば出来る。出来なくはない。
どうして、こんなことが今まで出来なかったのか。
まだまだ、無駄な電気の使い方をしているのではないだろうか。
今ほど電化に囲まれた生活は、かつてなかったからだ。
何から、何までが電気だ。
それは、便利さ、快適さを求めた結果の、人間の贅沢(?!)というやつだ。

いまから思えば昔(?)の話になる。
夏でも、街の映画館に冷房のなかった時代があったし、今のように家庭にエアコンのない時代があった。
いまでも、エアコンなしで扇風機で夏を乗り切っている人だっている。
深夜の街に煌々と輝くネオン、終夜テレビや飲食店、鉄道の駅の証明はもちろん、誰かがいみじくも言っていたパチンコ店や自動販売機は1000万キロワットもの電力を消費しているといわれるし、どうしても娯楽に電力が必要だというなら自家発電という手だってある。
生活するために、電力が本当に必要かどうか、見直す時だ。
豊饒な時代を生きていると、なかなかその生活から脱け出せないものだ。
それは不幸なことだ。

原子力による電源に頼らなくても、豊かに暮らすための知恵を絞りたい。
日本は、世界に名だたる地震国だ。
原発は、この国にはなじまない。
福島原発事故は、起こるべくして起こった明らかな人災だ。
2002年8月に、原子力安全保安院から福島県庁に、恐るべき内部告発文書が届いていた。
それは、福島第一原発と第二原発で、「原子炉の故障やひび割れを隠すため、東電が点検記録を長年にわたってごまかしていた」というものであった。
保安院は、この告発を2年も前に受けていながら、何の調査もしなかったうえに、この内容を当事者である東電に横流ししていたというではないか。
今回の原発事故も、重要な情報を隠蔽、管理することで、私たちに知らされていない何かがあるのではないか。

今回の原発事故は、東電の体質といい、経産省、ひいては自民政権の原発エネルギー政策にさかのぼってまで、起きるべくして起きた人災だ!
まことにもって、許されざる、政府、東電の大罪と言っても言い過ぎではない。
つい最近の調査で、国内にある原発の大半が、いずれも難点を抱えていることが判明した。(今頃になってである!)
くどいようだが、原発の安全性には大きな疑問がある。
安全性に問題がある限り、原発はもう沢山だ。
100%安全など、絶対にあり得ない。

人類が作り上げたもので、人類が滅ぶ・・・。(?!)
だとすれば、そんなものはいらない。
・・・いま、まだ余震が相次いでいる。
もしまた、一部予想されるように、スマトラ並みのM8級の最大余震が来たらと思うと、怖ろしい。
何もかもが、今はまだ進行形だ。
あらゆる面で、いまより、まだまだこれからを十分に警戒したい。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
日本の不幸は (霜葉)
2011-04-16 10:59:56
リーダー不在の現政権により悲劇が拡大されつつあることです。重大な危機と認識していないような政治パフォーマンスの数々、1ヵ月後の余震で再び電源遮断され、それから高台に設備を作るという信じられない対応、その後「原発事故対策計画を提出するよう東電に指示した」とよそごとのように言う総理。リーダーシップが全く見えない無能な政府には不審・不安が高じます。水蒸気爆発でも起きて手のつけられない事態にならないよう祈るだけです。
返信する
原発事故の・・・ (Julien)
2011-04-17 17:41:01
終息に向けての、東電の発表がやっとありました。
これから数か月はかかりそうですが、それだけで済むのでしょうか。急いでほしいものです。

霜葉様。
本当に、おっしゃる通りです。
この国難の時に、国会議員は700人以上いるはずですが、何処で何をしているのでしょうか。自衛隊の人たちは、現地で汗水たらして奮闘していますが、過労で亡くなった方もいるといいます。
政治家は、身命を賭して国民のために尽くすと誓って、選挙で選ばれたのではなかったですか。

民主党の挙党一致は、この危機的状況下でこそものをいうはずではなかったのかと・・・。
的確な指示もなければ、リーダーシップも取れない、ただ地位にしがみついているだけの総理には即刻退陣していただかないと、国民は不幸です。国をも滅ぼすことになる。
震災復旧についての成果も、まるきり見えません。現地視察など、避難している人たちにただただ迷惑なことがわからないのです。
総理を辞めてもらいたいと思っている人が、全国民の7割だというのに・・・。
もう、尋常ではありません。

あまりにも情けなくて、腹立たしくて、救われようのない、この世の地獄とはこのことでしょうかね。
「もう、やってられねえや!」という怨嗟の嘆きが、地上に満ち満ちてきています・・・。(本当ですよ)
返信する

コメントを投稿