振り返れば、昨年3月の西松建設事件を発端に、世論の支持を受け、高まりつつあった政権交代のムードに、検察が介入し暗い陰がさした。
検察が、である。
あれは、そもそも、総選挙で民主党に政権を取らせたくなかったからではないのか。
しかし、結局西松事件では何も出てこなかった。
・・・あれから一年、検察は焦ったのかどうか知らないが、小沢氏の資金管理団体の土地購入疑惑に手をつけたのだった。
どうも、そこから水谷建設側の証言をもとに、裏金が使われたかのような(?)筋書きとなった。
それを、マスコミと自民党が躍起となって後押しする。
ここに、恐るべき世論‘捜査’が生まれる。
しかも、一週間前の日経新聞、読売新聞の夕刊が、石川議員から押収した手帳に問題の5000万円の授受があったとされる場所についての記事でも、供述による日付が一致しないという大誤報で、両紙は翌日ひっそりと訂正記事を掲載し、当該部分を取り消すという赤っ恥をかいたのだ。
土地取引疑惑だって、現金で土地を買うようなケースでは、購入日と所有権移転登記の日付が1年ずれたって、何ら問題はないはずだ。
発行日から3ヶ月以内の売主の印鑑証明が得られれば、足りることだ。
そんなことは、売主と買主の事情で、不動産取引ではよくあることだ。
それから、定期預金を担保に銀行からわざわざ借り入れをするのも、預金が多ければ多いほど銀行サイドでは解約など進言しないものなのだ。
銀行は大歓迎だ。
商売人は、いつだって運転資金を手元に置いておきたいものなのだ。
金があれば、すぐに返せる。だから、金利なんて、少々高くてもどうということもない。
金持ちには、金持ちのちゃんとした常識がある。
庶民が、ローンでマイホームを購入することとは、全くわけがちがうのだ。
それを、普通の感覚では到底理解できないとか何とか言っているが、それこそ業界の常識なのだ。
何も変ではないし、おかしくもない。
マスコミまでが、的外れなことを言っているだけだ。
2月4日で、逮捕されている石川議員の勾留期限が切れる。
この日が、事件の第二幕の始まりとなるのか。
新聞という新聞は、どれもこれも、小沢氏が幹事長を辞職し、離党となって、民主党政権へ決定的なダメージを与えるというようなことを、連日書き連ねている。
以前から、検察は小沢憎しだから、これは検察の描く当たり前のシナリオだ。
そうなったら、民主党はどうなるか。
剛腕の司令塔が消えると、政局はおかしなことになる。
政治主導、脱官僚は絵に描いた何とやらで、旧態依然の抜け殻みたいな政権になる。
かつて、マスコミによって(?)日本が戦争へと駆り立てられ、太平洋戦争へと突き進んだのだったが、あのときのようにはなってほしくない。
政権は、国民の民主主義で選ばれながら、これを否定する勢力に潰される。
どこか、戦前と似たような、嫌な構図が見えてくる。
一行政機関である検察の、勝手横暴な強引捜査はきっと行き詰まるのではないか。
民主党は、取調べの可視化法案や、検事総長人事を国会承認案件にすることに積極的だ。
このことは、検察や警察は避けたいのが本音だ。
もし、民間人が検事総長になったら・・・。
元大阪高検の公安部長の言っているように、検察と小沢氏の捜査は戦争みたいなもので、検察は積極的にマスコミに情報をリークし、あらゆる策略を使って捜査を自分に有利に進めようとするだろう。
民主党小沢幹事長は、一連の事件について、「近々決着する」と自信を示しているが、さあどうなるか。
昨年の西松事件直後に、大物検察OBが、捜査の舞台となった西松建設に天下っていた事実もあるのだ。
これだって、驚きだ。
いま、そんな政治とカネの問題より、国民がもがき苦しんでいるのはデフレ不況のはずだ。
国民の暮らしは、そっちのけである。
それなのに、カネ、カネ、カネのことばかりで・・・。
どうしてくれるのだ。
鳩山総理、愛や命の尊さはよく解った。
お母様を敬愛するも結構、詩人みたいなロマンあふれる美辞麗句より、もっと喫緊の現実を直視して、政権が交代したことの意味を考えて頂きたい。
・・・閑話休題・・・。
それにしても、国会は何をやっているのか。
あの、与野党のヤジの応酬は何なのだ。
「ヤジ禁止令」が聞いてあきれる。
それだって、いつも火をつけるのは自民党だ。
「バカ」とか「うるせいババア」などと・・・。
「うるさい!」
「なにがうるさいだ!」
「うるさいからうるさいと言っただけの話だ」
これまた、大臣ともあろうお方が・・・!
閣僚のヤジに、「品位を欠く」と叫んでかみついた自民党の「品性」も、まあどっちもどっちで・・・。
情けないですねえ。みっともないですねえ。
ヤジの応酬をする前に、もっと大事なことがあるのではないか。
梅がほころんだといっても、本格的な春は、まだまだ先のようで・・・。