足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

サクソンホールの黒田総裁発言に注目・・・円安の動き

2016-08-30 06:03:27 | 投資戦略
NY株は上昇しダウ平均は107ドル高。100ドル以上の上昇は8月5日以来で、過去3週間余にわたって見られなかった上昇幅。これまでは上下への変動は2桁台の動きであったが、この日の展開には変化の兆しがみられる。
サクソンホールでのイエレン議長の講演で年内の利上げが確実になり、今週末の雇用統計(8月)の予想(18万人の雇用増)に大きな変化がなければ、9月のFOMCでの利上げ実現の可能性が高まった。
黒田日銀総裁が追加の緩和策発動を示唆したことも反映し円相場は102円前後での変動になった。
NY市場では金融。医薬品、コンピュータ、通信のほか中小型株指数のラッセル2000も上昇し、個人投資家の市場への復帰の兆しがみえる。利上げを好感して上昇するというのは、金融政策の不透明感の払拭で、根底には米景気の回復への期待観の強まりがある。
この日は個人消費の堅調な指標が出てきたが、いまひとつ2008年の不動産バブルで大きく暴落したサンフランシスコ、ダラスなどの不動産相場の回復が注目された。
投資家の間では第3四半期の企業業績の回復にも関心が出始めた。昨年12月に連銀が第1回目の利上げに踏み切ったが、当時とは相場の環境に変化がみられる。

この日の円相場は102円前後の動きを続けたが、今後の為替の方向性は日銀の政策が左右する。本年のマイナス金利導入いらい、日銀の政策の不透明感が日本株低迷の大きな要因になってきたが、9月の政策会合で追加の緩和策が出れば、低迷する東京市場の回復のきっかけになる。ここ2日間の円安への動きはその期待感の高まりである。

昨日の東京市場では自動車株をはじめ輸出関連株が反騰の口火を切った。この動きが継続すれば2012年の安倍政権の誕生時のような相場展開も期待される。

個々の銘柄の25日移動平均との乖離率をみてみよう。
NF日経平均レバレッジ(1570)+2.22%、明治ホ―ルディングス(2269)-5.7%、寿スピリッツ(2222)-15%、日本調剤(3341)-11%、塩野義(4508)-8.6%、小野薬品(4528)-17%、エムスリー(2413)-4.6%、トヨタ自(7203)+3.8%、富士重工業(7270)+2.8%、任天堂(7974)+1.61%など株価の水準は魅力ある水準になった。