足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

希少性疾患の医薬品・・・成長分野

2016-08-11 06:53:06 | 投資戦略
第1四半期の決算発表も終幕にきた。
本年の人気株であった医薬品株は薬価引き下げで、業績の先行きに格差が出てきた。これまでの新薬開発の成果が今後の成長を左右する。
業界では鳴かず飛ばずの存在で長年、話題の少ないのが日本新薬(4516)であったが、同社のとっては今後の成長を約束する新薬開発が、最近、発表された決算で注目された。スイスのアクテリオン社に導出した肺高血圧症治療薬「NS-304(セレキシバグ)」が業績に大きく寄与し営業利益が6倍になった。同社の歴史でも画期的な出来事である。あまり聞きなれない病気で、これまで耳にすることが少なかった。
アクテリオン社は患者数の少ない希少性疾患の薬で著名な企業で、この分野で成長してきた。
日本新薬の技術に注目し提携を結び、全世界で販売を始めた。日本では患者数が年5万人以下の患者の病気を希少性疾患に指定され、新薬発売には様々な特典が付与される。これまで大手企業が開発を避けてきた分野だ。しかし、この分野でも数を増やせば、成長企業になることを海外の医薬品企業が先例をつくった。
アクテリオン社が好例で、ここ十数年で急成長をとげ株価も高い。
日本新薬はこの分野に注力しいくつかの新薬をパイプラインに乗せている。ユニークな存在にのし上がってきた。
2017年3月期の見通しでは営業利益が34.5%増の予定で、営業利益率が12.3%増の予想。業界が今後、この分野に注力を始めるが、その先端をいく企業になった。

昨日のNY市場は小幅安。例年8月は季節的にみて相場が低迷する習性があるが、ことしは高値でもみ合う。
足元の景気には回復する指標が増えてきており、下値は堅い。オリンピック中の相場は経験則では堅調である。ことしも経験則が生きている。