足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

バフェット対ヘッジファンド

2016-08-22 07:01:47 | 投資戦略
ウォーレン・バフェットがアップル(AAPL)の株式を3月末比で55%買い増し、持ち株を55%増やした。
これまでハイテク嫌いで通してきたが、最近はIBMのトップの株主(8.46%)になり第2位のヴァンガンガードGの5.78%を大きく引き離す大株主になった。
彼がIBMを買い始めてから様々な見方が出て「バフェットも変節した」と見る向きも出てきたが、その後はほかにハイテクの持ち株を増やす気配はなかった。
しかし、ことしなってアップルから株主に登場した。
アップルの経営者のティム・クックと長年の親交があった。同じようにマイクロ・ソフトのビル・ゲーツとも長い付き合いで、現在、ゲーツはバークシア・ハザウェイの社外重役でもある。
バフェットのハイテク嫌いは「いくら勉強してもプロには追いつかない」という単純な考えだが、関心を持ち始めたのは、ここ10年間、本腰を入れて勉強をしてきたからでないか?
天才的な才能の持ち主だけに、本気になって学べば、簡単に多くのハイテク専門の運用者を超える知識の蓄積は容易なはずだ。
彼のIBMへの投資の根拠は長期にわたる優れたビジネスモデルと並外れてすぐれた財務内容にある。
彼はアップルの持ち株を先行きも一段と増す可能性も考えられる。
最近のSECのデータでは、ヘッジファンドの大所がアップルに見切りをつけ持ち株をゼロにした。ジョージ・ソロス、デビッド・アイホーン、カール・アイカーンなどの大物だ。
空売りで名をあげる若手運用者のマイケル・バリー(シオン・アセット)が大量のショート・ポジションをとったとも話題になっている。
バフェット対ヘッジファンドの戦いの構図になった。
アップルの業績はここ2半期、減益になった。
バフェットの投資にはそのような短い視界でなく、向こう10年先を見たアップルの姿がある。
「株式投資はかくあるべし」というバフェットの投資行動に注目したい。