米国にストック・トレーダー・アルマナックという調査機関がある。過去の市場関係のデータをベースにして相場のさまざまな経験則を割り出す。コンピューターを駆使して調査するだけに機関投資家の間では、テクニカル分析に背を向ける運用者の間でも人気が高い。過去9年間の8月最終週を調べたところによると、警戒の時期である。9年間のうち、6年はダウ平均が-2.9%であった。「悪名の高い週」という。
理由は相場に影響を与えるヘッジファンド、機関投資家、トレーダーなどが最後の夏季休暇のために席を離れているからでもある。
そのうえ今年は発表が集中する景気指標に関心が高いからだ。火曜日は消費者信頼感指数、水曜日は第2四半期のGDPの改定値、木曜日は個人所得と消費、工場受注、金曜日が最大のヤマ場で8月の雇用統計のほか、ミシガン大センチメント指数、建設受注などがある。
それにウォール街でいわれている9~10月という弱気の季節入りをするので、市場のセンチメントは慎重になっている。9月20日の連銀FOMCとの関連で指標が注目されるわけだ。
今週の東京市場は30日のネットエイジグループ(2497・マ)のIPOにフアンの関心が集中している。
全体の相場の調整ムードのなかでごく限られた特定の銘柄への人気の集中が続くだろう。