この1週間の日米をはじめ世界の株式市場の環境に大きな変化が出た。底流でなにが起こったのか?
まずイスラエルとヒズボラの停戦である。だれもが「簡単には収まらない」とみていたが国連主導でイスラエルは停戦に応じた。地政学的リスクは軽減された。
その結果、石油相場は下落した。
米国の今週の発表の景気指標はいずれも予想を下回り、インフレ沈静化に対する期待を高めた。まるで連銀の利上げ休止の判断に応えるような内容が続いた。来週の景気指標には大きな発表はない。
外人投資家が前向きになってきた。きっかけはヘッジファンドやトレーダーのショート・カバー(カラ売り)の買戻しが中心であったが、投資家のセンチメントの変化が短期的には見られた。その証明はヒューレット・パッカード、シアーズなどの好決算に前向きに反応するようになってきた。7月の第2四半期の決算時とは大きな変化である。
これまで売られていたハイテク、インターネット株の上昇が目立った。ウォール街では1週間でナスダック指数が5.5%も上昇し、週間では3年ぶりの上昇率を記録した。
東京市場は「高校野球のときは閑散」というジンクスを打ち破り、日経平均は昨年末の水準を上回った。
このようにここ1週間の相場環境の変化は大きく市場に明るさが戻ってきた。
これまで相場の先行きに自信を失っていた個人投資家の復帰も散見される。
問題はここに上げた変化が、目先の日米の株価の上昇エネルギーを支える力があるのかどうかにある。「相場に乗り遅れては・・」と急ぐ必要はない。ポートフォリオの銘柄数を増やすには早すぎると思う。