「米国の金利がピークを打ったかどうかは、だれにも分からない。中央銀行でさえ分からないはずだ。ダラス連銀のリチャード・フィシャー総裁は水曜日(8月16日)に「いまの景気と金融政策はクロスワード・パズルを解くような感じだ」と語っている」
今週の米バロンズ誌から引用した文章である。先週のNY株は順調に上昇し夏相場が佳境に入ったようにみえたが、一転して森に迷い込んだように不透明感が強まった。
東京市場は信用取引の整理が順調に進み3兆9000億円台と4兆円を割った。日本経済のファンダメンタルは1年前よりも好転しデフレは払拭された。
株式市場に残された問題は個人投資家のセンチメントの回復とNY株の動向にかかっている。
信用取引の評価損率が6月の-19.7%から先週は-8.4%まで改善した。しかしいまだ損失が出ていることからすると、センチメントの改善というには程遠い。
そして問題はNY株の動向である。ダラス連銀総裁のいうようにウォール街ではさまざまな「なぞ解き」が行われているが回答が出ない。推理ゲームは続く。
こんなときの投資の戦略はどうするか?
われわれが取ってきたのは、リスクを考えてキャシュ・ポジションの比率を高目にする(30~50%)ことと、投資は中、長期的に狙える銘柄に集中するということであった。銘柄の数は極端に絞ってきた。ここ数ヵ月はしばしば同じ銘柄のフォローを考え、新しい銘柄を取り上げるのには慎重な姿勢をとった。IPO(新規公開)への投資もかなり選択のハードルを上げた。9月いっぱいはこの戦略を続ける方針である。