カクレマショウ

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私の好きなアルバム#04 クルセイダーズ“Rhapsody and Blues”(1980年)

2005-04-09 | ■私の好きな歌
あまりにも懐かしいアルバムをAmazonで手に入れました。もちろんLPレコードは持っているのだけど、今やレコードを聴くこと自体、大変な作業が必要になってしまいます。

部屋を暗くして、ディスクをデッキに載せると、ぞくぞくするようなクルセイダーズの世界がすぐによみがえりました。全6曲、どの曲もそれぞれに心に浮かぶ光景が違って見えます。

1 曲目“Soul Shadows”。クルセイダーズは前作の“STREET LIFE”でランディ・クロフォードを迎えてヴォーカルナンバー「ストリートライフ」を発表しています。クルセイダーズのオリジナルメンバー3人(スティックス・フーパー、ジョー・サンプル、ウィルトン・フェルダー)をバックに、ランディの伸びやかな歌声が冴えわたる佳曲。この大ヒットに気を良くしたのか、このアルバムでも1曲目にヴォーカル曲を配置しています。歌うのは、ベテランシンガー、ビル・ウィザース。彼の声を聴いたのはこれが初めてでしたが、シブい声で、歌詞がとても聞き取りやすいなと思ったのを覚えています。コルトレーンやルイ・アームストロングの名前が出てきて、彼らのソウルスピリットは今も影のように心の中に存在している…という歌です。ビル・ウィザースは、ご存知のとおり、この後、グローヴァー・ワシントンJr.と組んで“Just the two of us”の大ヒットも飛ばしています。

2曲目は、“Honky Tonk Struttin'”。シンセサイザーの面白さをふんだんに使ったファンキーなナンバーです。

3曲目、“Elegant Evening”。ウィルトン・フェルダーの優しいアルトサックスをメインに据えたスローナンバー。静かな夕暮れどきにかけたい曲です。

4曲目はアルバムのタイトル曲“Rhapsody and Blues”。ジョージ・ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」をもじったジョー・サンプルの曲です。ジョー・サンプルのメロディメーカーとしての魅力を存分に味わえるナンバーです。もちろん彼自身によるエレクトリック・ピアノも聴きどころです。ウィルトン・フェルダーのソプラノサックスが響きわたる中盤から後半が特にいい。

余韻を残して“Rhapsody and Blues”がフェイド・アウトすると、いきなりファンキーなイントロから5曲目、“Last Call”がやってきます。私が初めてクルセイダーズを聴いたのは、“南から来た十字軍”というアルバムだったと思います。当時、クルセイダーズは、いわゆる「クロスオーバー」とか「フュージョン」と呼ばれる新しい音楽ジャンルの中でも先導的なグループでした。もともとはジャズ・クルセイダーズと称し、ジャズバンドだった彼らは、ジャズをベースにソウルやロックを取り入れ、新しい音楽シーンを切り開いていったのです。“Last Call”は、その頃のクルセイダーズの中でも、なんだかもっとも「クルセイダーズっぽい」曲のような気がして、私のお気に入りの一曲でした。十数年前にクルセイダーズが青森でコンサートをやった時にも、確かこの曲で大いに盛り上がったような記憶が…。

そしてアルバムのラストを飾るのが“Sweet Gentle Love”。この曲にも何度針を落としたことだろう! 清高荘の4畳半の部屋で、ひとり、電気を消して…。泣くようなサックスに鳥肌が立つような快感。そのままどこかに消えていくような。

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