昨年11月20日に亡くなった名匠ロバート・アルトマンの遺作となった作品です。アルトマンお得意の群像劇。「群像」すべてが魅力的な映画というのはなかなかお目にかかれないものですが、この映画がまさにそれでした。本当に、いい映画を残してくれたなと思います。
原題の“A PRAIRIE HOME COMPANION”とは、米国で実際に放送されているラジオ番組の名前だそうです。もう30年以上も続いている、毎 . . . 本文を読む
確か、高校の英語の教科書に奇術師・フーディーニの話が載っていたような気がします。「脱出王」の異名をとるハリー・フーディーニは、今からおよそ100年前に活躍した人ですが、その同じ時代の奇術師の世界を描いた映画が、現在公開中の「プレステージ」です。
現代の奇術のテクニックのほとんどはこの時代に産み出されたものだと言います。ロンドンを舞台に、新しい奇術のタネをめぐって競う二人の奇術師をめぐる物語。ちょ . . . 本文を読む
劇場公開の時は、映画館で見るまでもないかと思い、DVDが出れば、買ったり借りたりしてまで見るまでもないかと思った映画は、結局、ほとんど見ることはないのですが、テレビ放映があれば、見ることもある。この映画はそんな感じの映画です。
織田裕二だし、なんとなく「爽やか」系なんだろうなと思っていましたが、「しゃべれども しゃべれども」あたりと比べると、全く爽やかさは感じられない。たぶんそれは、あまりにも設 . . . 本文を読む
落語家を主人公とした映画で思い出したのが、森田芳光監督の「の・ようなもの」という映画(1981年)。伊藤克信演ずる落語家の志ん魚(しんとと)を中心とした青春群像です。古典落語の修業に励む二ツ目の志ん魚が、”トルコ”嬢のエリザベス(秋吉久美子)にフラれて(?)夜明けの道をひたすら歩きながら落語をえんえんと語るシーンが、今でも心に残っています。
「しゃべれども しゃべれども」で国分太一が演ずる三つ葉 . . . 本文を読む
「殯(もがり)」:敬う人の死を惜しみ、しのぶ時間や場所のこと。「喪あがり」の意味とも。
河瀬直美監督、カンヌのグランプリ受賞作品。なんと、劇場公開に先立って、NHKハイビジョンでテレビ放映。こんなのってアリ!?
で、早速見てみました。
予想通り、噂通り、眠い…!
特に最初の30分ほどは。森に入るまでは。だいいち、セリフがあまりにも音が小さくてほとんど聞き取れない。
奈良の山村に . . . 本文を読む
旧約聖書創世記第11章によれば、世界の言語がひとつであった昔、人々は集まって天まで届く塔を造り始めた。神はこれを見て、人間の尊大をこらしめるため、言葉を乱して、お互いに意志が通じ合わないようにした。そのため、塔の建設は中止され、人間は以後各地に分散し、それぞれの地方の言葉を話すようになった─。やっぴらんど「バベルの塔と空中庭園」より
この神話的な逸話に着想を得て、「言葉が通じない」ことによる人種 . . . 本文を読む
来年のサミット(主要国首脳会議)は、北海道の洞爺湖で開催されることになりましたが、このサミットな議題の一つが地球温暖化問題になるらしい。日本としては、京都議定書(1997年の地球温暖化防止京都会議で議決した議定書)が定める2012年以降の新たな枠組みづくりの主導権を握りたいという思惑もあるようです。
つい先日、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が報告書を発表しました(2007年4月7 . . . 本文を読む
どうしても見ておかなきゃならないと思った映画、「ダーウィンの悪夢」。青森でも、数ヶ月遅れではありますが、シネマディクトが上映してくれました。
タンザニア、ウガンダ、ケニアの3ヶ国にまたがる、世界第2位の広さを持つヴィクトリア湖が舞台です。50年前に誰かが放流した「バケツ1杯」のナイルパーチという魚が瞬く間に繁殖し、「ダーウィンの箱庭」とまで言われる豊かな生態系を誇った湖の環境に重大な変化をもたら . . . 本文を読む
「パリ、テキサス」のヴィム・ヴェンダース監督作品。タイトルの意味は「豊かな国」、「豊穣な土地」といったところでしょうか。ヴェンダースが、「豊かな国」米国のその「豊かさ」の陰に潜む根深いテーマに切り込みます。切り口は、「9.11」。
ラナ、という名前の20歳の女の子。「女の子」と言った方がしっくりくるような、純粋で穏やかな笑みを浮かべる少女。宣教師だった父のもとで10年間をアフリカやイスラエルで過 . . . 本文を読む
「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」、そして「スナッチ」と英国式クライムアクションを世に送り出してきたガイ・リッチー。この映画は、当初彼が監督する予定だったらしいのですが、なぜだか、これまでプロデューサーとして彼と組んできたマシュー・ヴォーンが初監督を務めています。それにしてもガイ・リッチー、マドンナと結婚して以来、なんだかぱっとしませんね~。
"Layercake"とは、社会の . . . 本文を読む
この映画、評価がはっきり分かれるようですが、「香水の歴史」を知る上での一助にはなるのかもしれません。
香水といえば、今でもフランスが思い浮かびますが、この映画の舞台は18世紀のパリ、そして南フランスのグラースという町です。グラースは、今でも香水のメッカとして知られています。もともとは皮革産業で栄えた町ですが、香水の原料となるラベンダーやバラ、ジャスミンなどの栽培に適していたこともあり、中世にこの . . . 本文を読む
週末、見逃していた映画をDVDで3本立て続けに見ました。その中で一番良かったのが「V フォー・ヴェンデッタ」。
タイトルは「VはVendetta (復讐)のV」という意味だそうです。こういうのは邦題にしにくいのかしらん。でも、私みたいにタイトルの印象だけで「ファンタスティック・フォー」と混同してたおバカもいるわけですから、何とかわかりやすい邦題にしてほしいもんです…。
原作は英国のコミックだそ . . . 本文を読む
スーパーマン、スパイダーマン、バットマン。米国のヒーローものって、みんな「等身大」です。日本のウルトラマンのように「巨大」なヒーローはあまりいない。巨大で異形なのは決まって悪役で、しかも「動物」的なキャラクターが多い。
等身大ということは、人間と同じように喜怒哀楽があって、悩みもするし恋もする。まるで古代ギリシアのオリンポスの神々のようです。
「スパイダーマン」はそんな悩めるヒーローの代表格と . . . 本文を読む
スパイク・リー&デンゼル・ワシントンのコンビといえば、あの重厚な傑作「マルコムX」を思い出さざるを得ませんが、今回の作品はスマートなクライムムービー。役作りのためなのか、少々太り気味のワシントンは、頭脳明晰な銀行強盗と交渉にあたるニューヨーク市警の刑事役です。
犯人との交渉といえば、「交渉人」という映画、ありましたね。サミュエル・L・ジャクソンとケビン・スペイシーの二人の交渉人(ネゴシエーター) . . . 本文を読む
予告編を見たときから気になっていた映画です。よく知られているように、香港映画の「インファナル・アフェア」をマーティン・スコセッシ監督がリメイクした作品。本家の方は完結編の「III」まで公開されている人気シリーズ。そちらの方がずっといいという噂を聞いたこともあって、私は本家の方を1本も見てなかったので、「ディパーテッド」を見たあとで、とりあえず1作目だけは見てみました。
たしかに、警察とマフィアの . . . 本文を読む