鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

直接FKに期待

2010年12月31日 | Weblog
岩政の代役は中田濃厚 鹿島「疲れはヤマを越えた 中2日?関係ない」

天皇杯の決勝戦前日、フリーキックの練習をする鹿島・小笠原
Photo By 共同


 サッカーの第90回天皇杯全日本選手権は1月1日午後2時から、東京・国立競技場で鹿島―清水のJ1勢による決勝を行う。

 3大会ぶり4度目の決勝を迎える鹿島は午前中のミーティングの後、1時間余り軽めに体を動かした。中田、野沢がFKの感触を確かめたほか、各選手がPK練習に取り組んだ。

 右足負傷の岩政は別メニュー調整。センターバックには中田が入り、伊野波とコンビを組むことが濃厚だ。25日に準々決勝、29日の準決勝という強行日程に加え、準決勝のFC東京戦は延長まで120分間を戦っており、疲労が気掛かり。それでも伊野波は「疲れはヤマを越えた。(準決勝から)中2日も関係ない」と意欲十分に話した。

 大黒柱の小笠原は10大会前の清水との決勝で延長Vゴールを決め、Jリーグ史上唯一の3冠達成に貢献している。「ACLは絶対出たい。3冠を超えるような1年のスタートにしたい」とタイトル獲得へ気合を入れた。

[ 2010年12月31日 15:52 ]

左足のキッカーとしてユダが準備しておる様子。
明日はセットプレイが鍵を握ろう。
先日のFC調布戦でも満男のFKは惜しかった。
10年前の同じ対戦でも決めておる。
21世紀公式戦初ゴールは小笠原満男のマリーシア溢れるFKであった。
明日の対戦でも期待したい。
楽しみである。

清水戦プレビュー・コメント

2010年12月31日 | Weblog
【第90回天皇杯決勝 鹿島 vs 清水】鹿島側プレビュー:決戦前日に漂う緊張感。一体感を持続する鹿島は、いざ国立へ(10.12.31)
F東京との120分の激闘から中1日で迎えた前日練習は、心地良い緊張感に包まれていた。いつもどおり1時間ほどのミーティングを行ったあと、ボールを使った軽めのメニューをこなし、恒例のPK練習で締めくくる。それをグランド脇に備え付けられた観客席から多くのサポーターが見つめ、選手たちに激励を送っていた。決勝のチケットもすでに全席完売。
「みんな気合い入ってるね」
練習から引き上げてきた新井場徹の顔は充実感に溢れていた。

シーズン最後の対戦相手は、今季2戦して1分1敗の清水となった。120分の激闘を戦った次の試合が、攻撃に特徴を持つ相手ということで、今回も難しい試合となることだろう。準決勝ではガンバ大阪から先制点を奪い一気に飲み込んでいる。まずはしっかりとした守備で先制点を与えないことが重要になるだろう。それもあってか、鹿島の選手たちからは口々に「ヨンセン」という名前が聞かれた。サイドからの攻撃に特長を持つとは言え、一度、ヨンセンに当ててからサイドへ展開していくことが多いだけに、ポストに入った時にどれだけ激しくプレッシャーにいけるかが勝負を分ける。センターバックでプレーすることが予想される中田浩二も「ヨンセンのところで潰したい」と狙いを定めていた。

本来であれば、岩政大樹がヨンセンをマークすることで相手の武器である高さを消してきた。しかし、どうやら岩政は決勝にも間に合わない様子だ。ボランチに入る青木剛を含め、中田浩二と伊野波雅彦の3人にかかる負担は大きい。ただ、伊野波は「とりあえず俺と青木さんと浩二さんがいれば守れる」と胸を張る。確かに、準決勝の後半からこのメンバーが守備の中心となったわけだが、安定感は初めて組むコンビとは思えないほど。さらに攻撃の組み立てにもひと工夫加えられるようになったのも大きい。右利きの伊野波が右、左利きの中田が左に並ぶことで、最終ラインのパス回しはスムーズとなり、ボールを保持しながらラインを押し上げることができていた。小笠原満男の後ろに中田が控えている布陣は、自然とパス回しに深みを生んでいた。興梠慎三と大迫勇也の2トップは2戦連続でアベック弾を決めチームを牽引している。守備を安定させてボールを保持することができれば、必ずチャンスを迎えることができるはずだ。

これまでも報じられてきた通り、この試合を最後に大岩剛は現役を退く。しかし、鹿島を去る選手は大岩だけでない。「剛さん以外にも優勝することがみんなにとってベストな形。色んな思いを持って明日は出し切りたい」と新井場。ベンチメンバーの船山祐二も「アップの時から声を出していきたい」と全員で戦うことを誓っていた。疲れがないはずはないが、F東京戦で見られた一体感は消えていなかった。


以上
2010.12.31 Reported by 田中滋


【第90回天皇杯決勝 鹿島 vs 清水】試合前日の選手コメント(鹿島)(10.12.31)
●曽ヶ端準選手(鹿島):
「清水はタレントもいますし、個人でも違いを出せる選手もいる。注意しないといけないと思います。3トップと中盤の選手が流動的に動くが、ヨンセンを中心にそこでポストをt使ってくる。最後ですからしっかりやりたいと思います。剛さんも良い形で送り出せればと思います」

●興梠慎三選手(鹿島):
「清水は守備より攻撃力に特長がある。そこに注意を持ってやればいいと思う。前のFC東京戦ではセンターバック2枚が強かったのでちょっとやりづらかった。ただ、モトさん(本山)が入ってセンターバックと中盤の間に入って起点になってくれた。でも、清水もまた違うと思う。ヨンセンとかに入った時に激しくいかないといけない。
(大迫選手とのコンビネーションは?)
あいつとも合ってきたし、この間は僕が足を痛めていたのでサコとモトさんに動いてもらって、僕は前で待ってるしかできなかった。まだ、距離が遠い時もあるけれど、1試合ごとによくなってきてると思う」

●伊野波雅彦選手(鹿島):
「疲れは意外と山を越えた。この間の120分で山を越えた。ここまで来たら中二日も中三日も関係ない。気持ちしかない。浩二さんは経験もあるし、流れを読む力がある。とりあえず俺と青木さんと浩二さんがいれば守れる」

●宮崎智彦選手(鹿島):
「点を決めたいですね。ああいう舞台で。
(相手の高い選手には?)
センターバックの二人とも直接話して、高い選手がいるから、この間のFC東京にも平山選手がいましたけど、カバーしてくれと言われました。
(相手のサイドからの攻撃については?)
藤本選手は右足でもクロスを上げていた。でもどっちかというと恐いというより楽しみですね。代表にも選ばれている選手とやれるのは楽しみです。足がつるまで全力でやりたいと思います」

●新井場徹選手(鹿島):
「元日まで来たね。勝つしかないでしょ、ここまで来たら。
(剛さんをはじめとしてチームを離れる選手が多いが?)
たまたま今回が多いだけで、毎年いる。その前にチームとしては勝たなあかん。色んな思いを持って明日は出し切りたいと思います。剛さん以外にも優勝することがみんなにとってベストな形。みんな気合い入ってるし大丈夫でしょう
(最終ラインの組み合わせが変わるかもしれないが?)
今更やることもない。全くやってない選手でもないし、思い切っていきたい。自分たちの持ってるもんが出し切れるかどうかだと思う」

●大岩剛選手(鹿島):
「素晴らしいチームメイトにここまで連れてきてもらった気持ちは大きいです。タイトルに挑戦できる場を与えてくれたことに感謝してます。勝つつもりでやりますし、みんな喜び合いたいと思います。
(明日は泣きますかね?)
この間、あれだけ泣いたからもうないでしょ(笑)。泣いてたら引かれそうだし。でも泣けるくらいになれるように良い結果を出したいと思います。
(清水の印象は?)
(小野)伸二が中心で、攻撃陣は素晴らしいタレントを持っている。個で決められる選手がいる。相手も何人か(チームを)去る選手がいるようなので、そういう抜きにして、良い試合ができるようにしたい。
(明日で最後という実感は?)
あんまりないんだよね。今日もいつものルーティンをやって、ロッカーを整理して、みんなと話しをして、いつもと変わらない。あんまり実感が無い。でも、喜ぶことがみんなのことをふり返ることになると思う。勝ってみんなと喜びたいですね」


以上

[第90回天皇杯決勝]前日練習の様子(鹿島)

シュート練習をする中田浩二選手。先日のFC東京戦では後半からセンターバックに入りクレバーな守備を見せていました。明日の試合でも活躍が期待されます。

[第90回天皇杯決勝]前日練習の様子(鹿島)

このところ、2試合連続でゴールを決めている大迫勇也選手。興梠選手とのコンビネーションも試合ごとに深まっており、2トップの出来が鍵を握りそうです。


岩政は間に合わず、FC調布戦後半の布陣で挑む様子。
ここは、屈強な欧州の攻撃陣に相対しておったユダに期待したい。
青木とイノパンのトライアングルで清水を抑えるのだ。
完封をすれば、好調のFW陣が結果を残してくれるであろう。
期待しておる。

大津高校・植田くん、高校選手権敗退

2010年12月31日 | Weblog
大津のスーパー1年生散る/高校サッカー
<高校サッカー:駒大高2-1大津>◇1回戦◇30日◇国立

 将来を嘱望される大津(熊本)の「スーパー1年生」が開幕戦で散った。185センチのU-16(16歳以下)日本代表DF植田直通が試合終了の瞬間、ピッチに額を押しつけて悔しがった。「自分が甘かった。もっと練習して戻ってきたい。1回戦で勝てないんじゃ話にならない」

 小学校時代、植田はテコンドーで日本一に輝いた。フィジカルの強さと50メートル6秒2のスピードを武器にするが、この日は緊張から動きが鈍く本来の力が発揮できない。前半7分に自身のクリアミスから先制され、1-1で迎えた後半27分には素早い相手FWをマークしきれず勝ち越しゴールを許した。

 熊本県勢と東京都勢の開幕戦対決は2大会連続で、前回ベスト8まで勝ち上がったルーテル学院に続くことはできなかった。早すぎる敗退だった。

 植田は今年10月に開幕したU-16アジア選手権(ウズベキスタン)で守備の要として活躍し、来年メキシコで開催されるU-17W杯の出場権獲得に貢献。しかも、横浜、鹿島が徹底マークしている逸材だが、ほろ苦い「選手権デビュー」となってしまった。
【菊川光一】
 [2010年12月31日11時45分 紙面から]


鹿島が獲得を目指しておる大津高校の植田くんは初戦で敗退とのこと。
U-16日本代表では鈴木隆雅くんとDFラインを組んでおり、コンビネーションも確立されておる。
俊足とフィジカルの強さを合わせ持つ未来のCBとして期待したい。

2010年を振り返って

2010年12月31日 | Weblog
未だ天皇杯は決勝戦を控えており、シーズンを終えてはおらぬが、大晦日ということで、2010年を振り返ってみたい。

岳くんフィーバー。
鹿島がオファーを出しておる青森山田高校2年生(当時)の柴崎岳くんが高校サッカー選手権で大活躍した。
連日の報道には心が躍らされたものである。
惜しくも準優勝となったが、潜在能力の高さに期待が高まった。
そして鹿島内定。
異例の早期入団発表であった。

新外国人の獲得。
12月に発表されておったイ・ジョンスに加え、ジウトンとガブさんが加わった。
外国人枠を全て埋め、シーズンに賭ける意気込みを見せた。

ゼロックス・スーパー杯。
先制するも追いつかれ、PK戦にて勝利。
今思えば、守りきれぬ伏線がこの試合で貼られていたのやも知れぬ。

リーグ戦前半。
開幕戦こそ満員のカシマスタジアムにて快勝するも、第2節で追いつかれてまさかの引き分け。
まさに序盤から今季の不安定な戦いが現れておった。
仙台戦で不運なジャッジでマルキーニョスが退場となり、2試合の出場停止となると勝ちきれぬ試合が続いた。
しかしながら、復帰したマルキーニョスがJ1通算100得点を上げるなど、徐々に調子を上げていった。

ACL敗退。
グループステージこそ無敗で勝ち上がり、意気込みを見せたが、ラウンド16で敗退。
悔しい思いを噛み締めた。

篤人・イ・ジョンス退団。
篤人は独へ、イ・ジョンスはカタールへと移籍した。
シーズン途中でのDFラインの大幅変更は、チームに大きなを与えたのは紛れもない事実であろう。

8月未勝利。
首位を狙えるアウェイの清水戦に敗れたところから、8月は一つの勝利を掴むことなく終えた。
理由は一つではあるまい。
また、相手のあること故、安易な方法で解決出来るわけではない。

ナビスコ杯敗退。
等々力競技場での悪夢は忘れられぬ。
満男ほどのプレイヤーでも、このようなプレイをしてしまうサッカーという競技の怖さを思い知った。

リーグ戦後半。
邪悪なるアウェイ・等々力競技場での川崎戦、聖地で迎えた名古屋戦など、良い試合もあったが、相手を抑えきれず引き分けを重ね、不安定な試合を行った。
結果的に四位となりACL出場権を逃すことになった。
勝ちきれぬ理由は一つでは無かろう。
しかしながら、リーグ最少負け数、最少失点は誇って良い記録である。

4選手の退団。
大岩の引退、マルキーニョス、笠井の契約満了、ジウトンのレンタル期間満了。
一つの時代の区切りと考えて良かろう。

来季に向けて。
プラチナ世代4選手の入団が決まっており、レンタルであった田代と誓志の復帰も決定、日本代表クラスの補強も行い、外国人もほぼ決まりつつある。
大いなる戦力補強が成される様子。
大いに期待出来る。
今季ブレイクしたヤスや宮崎も来季は更にプレイ時間を増やすであろう。
今季は一つのサイクルの終焉であったように思える。
生まれ変わった鹿島がどれだけの力を見せるのか楽しみである。
悲願のアジア征圧を、そして世界へ飛び出したい。

良いお年を。

南の国のテクニシャン、興梠慎三

2010年12月30日 | Weblog
ヒーローを探せ!!

南の国のテクニシャン
見ていて楽しい選手が鵬翔高にいる。Jリーグや海外で活躍する選手に心を奪われるような、そんな感覚を与えてくれる選手こそが興梠(こうろき)である。抜群のテクニックと相手を翻弄するドリブル。自ら飛び出していって得点を奪う姿は、チームにとって頼もしい限りだろう。センス溢れるそのプレースタイルに魅了されたのはプロチームも同じ。獲得に数チームが乗り出したとされるが、興梠は9月の終わりには鹿島アントラーズに入団することを発表した。それもすべては選手権に集中するためだろう。今秋、全日本ユースでベスト4入りしたことで周囲が騒がしくなった。興梠自身も注目選手として世間を賑わしている。しかし、そこで浮かれてはいられない。鵬翔高は選手権の1回戦と相性が悪い。過去8回中5回は緒戦敗退。昨年の出場もやはり1回戦で敗れている。目標の国立にたどり着くには、興梠の活躍は絶対だ。さて、矢板中央高との緒戦で興梠はどんなイマジネーションを見せるのか。勢いに乗るためにも気合の入った一戦がますます楽しみになった。


2004年度高校サッカー選手権の記事である。
若き興梠慎三がクローズアップされておる。
この大会で興梠慎三率いる鵬翔高校は準々決勝で敗れてしまったが、慎三の名は天下に轟いた。
「南海のテクニシャン」という異名をもらい、ピッチを縦横無尽に駆け抜けたものである。
懐かしい話と言えよう。
時を経て、慎三は更なる進化を遂げておる。
南海から板東の武者へ。
得点力も研ぎ澄まされ、ポジション上げた。
FWとしての能力は天下一品である。
若き日の想い出を糧にもう一つステップアップして欲しい。
頼もしい男である。

FC調布戦レビュー

2010年12月30日 | Weblog
【第90回天皇杯準決勝 鹿島 vs F東京】鹿島側レポート:本山投入で流れを引き寄せた鹿島がラストワンプレーで劇的な逆転勝利!3大会ぶりの決勝進出を果たす。(10.12.30)
12月29日(水) 第90回天皇杯準決勝
鹿島 2 - 1 F東京 (15:00/国立/25,120人)
得点者:39' 平山相太(F東京)、67' 大迫勇也(鹿島)、120'+1 興梠慎三(鹿島)


その瞬間、10番には少し先の未来が見えていたのかもしれない。パスを受けてゴールを向いたとき、目の前には相手のディフェンスを背負った新井場徹がいた。しかし、その背後を、大迫勇也が猛然とゴール前に走り込んでいるのが視界に飛び込んでくる。
「シュートを打とうかと思ってボールを持ちだしたら、サコが良い動きをしていた。通るかなあ、と思ったんだけど」
途中出場してから流れを一変させていた本山雅志は、最後のワンプレーを大迫に託す。すると、大迫もゴール前にパスを折り返すことを選択する。待っていたのはフリーの興梠慎三。右足のボレーで合わせると、120分が過ぎたなかで行われたパス交換は、劇的な逆転ゴールとなって結実した。

試合前日、軽めの全体練習が終わった後、先発する11人の選手たちは思い思いにシュート練習を行っていた。オリヴェイラ監督はそこにもう一人の選手を加える。それが本山だった。
「先発以外の選手と練習してたら、すぐに監督が『あっちでやれ』って言ってきて。もし、明日出たらガツガツ行きますよ」
監督の中では、ジョーカーとして本山を使うプランがすでに頭の中にあったのかもしれない。試合展開はまさにその通りのものとなった。

前半から鹿島は苦戦を強いられた。名古屋戦のように興梠・大迫の2トップがスピードを生かしてパスを受けに走ってもフリーになることができず、今野泰幸、森重真人がピタリと背後に付いてくる。序盤に野沢拓也や興梠が迎えたチャンスがあったものの、それを権田修一に弾かれてしまうと苦しい時間帯が続くようになってしまった。そして39分に、平山相太の豪快な一発で先制を許してしまう。

そこでオリヴェイラ監督は、思い切った一手を打つ。後半頭から大岩剛に代えて青木剛を投入し、中田浩二を最終ラインに下げたのだ。これにより、鹿島の守備は安定し、攻撃についてもじっくりとパスを回しながら組み立てていくことが可能になる。ただ、それでも相手のゴール前に侵入する回数が少ない。すると、61分にピッチ脇でアップのペースを上げさせていた本山を入れるカードを切る。この采配がずばり当たった。
ポジション的には本山はトップ下の位置に入り、大迫が左に開く4-2-3-1のような形となり、センターバックとボランチの間でパスを受けるのが上手い本山の特長を最大限に生かす布陣に変更したのである。
これで一気にF東京のゴールを脅かす回数が増える。そして、67分に左サイドを崩すと宮崎智彦のクロスに大迫が頭で飛び込み同点に追い付く。
「FWにタイトについてたけど、そのせいでタクとかモトがフリーだった。モトとかタクをうまく使いながら攻めようと思っていた」
本山が入ったことで、小笠原満男も積極的にゴール前に顔を出すようになる。パートナーが青木剛に変わり、さらに背後にはバランスを取ってくれる中田浩二が控えている。攻撃はぶ厚かった。

ただ、そこからF東京も粘りを見せる。72分に、相手の切り札である石川直宏をピッチに送り、形勢逆転を狙ってきた。しかし、この日の鹿島は全員が同じ思いを共有しながら戦っていた。
小笠原は言う。
「慌ててつっかけてカウンターを受けるのが一番嫌だったので、落ち着いて回せたと思う」
F東京が勢いに乗るのは、石川を起点にしたカウンターの形となった時が多い。そこを防ぐため、じっくりとパスを回して攻めることで、相手の得意な形をつくらせなかった。
そのせいで、逆転ゴールを生むまでに時間がかかってしまったのは誤算だったが、一体感が生まれたのは何よりだ。今季の鹿島は、ACLにせよ、ナビスコ杯にせよ、リーグ戦にせよ、ベンチやゴール裏を含めた一体感が生まれた試合は少なく、あっけない幕切れで戦いを終えていた。それだけに、一丸となって戦い抜き、勝利という結果を手にしたことは、何ものにも代えがたい。勝利と同時に、ベンチから全員がピッチに飛び出し、ゴール裏が歓喜で飛び跳ねる光景は本当に久々のものだった。

試合後、「疲れたね」と疲労の色を隠さない選手も多かった。ただし、次も勝たなければACLに出場することはできなくなり、今季は無冠で終わってしまう。引退する大岩剛のためにという思いはもちろんだが、今は自分のために戦っている選手が多いと感じられる。「天皇杯を取りたい」「ACLには絶対に出たい」という熱が再びチームに生まれ、一体感を生んでいる。そんな後輩たちに、大岩は「僕が支えなければいけないのに、逆にみんなに支えられた」と、目を細めていた。

輝く星の数を増やすまであと1つ。鹿島が激闘を制し、3大会ぶりの決勝に進出した。


以上
2010.12.30 Reported by 田中滋


本山の活躍はプラン通りであったとのこと。
まさに総力戦と言えよう。
今季の公式戦は残り一つ。
勝利で終え、アジアに挑みたい。

FC調布戦報道

2010年12月30日 | Weblog
大迫“2点”で鹿島3年ぶり決勝/天皇杯

後半22分、鹿島FW大迫(左)は同点ゴールを決め両手を広げ喜ぶ

<天皇杯:鹿島2-1東京>◇準決勝◇29日◇国立

 鹿島がFW大迫勇也(20)の1得点1アシストの活躍で、東京に2-1で逆転勝ちし、3年ぶりの決勝進出を決めた。08年度の全国高校選手権で10得点を挙げて歴代最多記録をつくった国立競技場で、25日の準々決勝名古屋戦に続く2戦連発。来季のエース候補に名乗りを上げた。来年1月1日の決勝戦(国立)で、4度目の日本一を目指す。

 「冬の国立」で大迫が再び輝いた。0-1で迎えた後半22分、DF宮崎の左サイドからのクロスに頭で合わせて試合を振り出しに戻した。そしてPK戦突入目前の延長後半ロスタイム、MF本山からのパスをFW興梠に合わせて、決勝アシストを決めた。「1点目はいいボールを上げてくれた。決勝点はトラップが足元に入りすぎたので、シュートじゃなく興梠さんへのパスに切り替えた」と冷静に振り返った。

 準々決勝の名古屋戦に続くゴールは、来季のエース再挑戦への布石だった。エース背番号9を背負った今季は、7月に興梠の故障欠場で8試合先発出場したものの、安定感を欠いてレギュラーに定着できなかった。しかし、腐らずに練習前後に黙々と体幹強化トレに励んだ。「あいつが裏で努力しているのは知っている」(伊野波)。秋以降、ポストプレーに安定感が出てきた。

 国立競技場では2年前の全国高校選手権で10得点を挙げて、東京FW平山が02年にマークした9得点を上回る歴代最多得点を記録した。その平山に国立対決で前半にオーバーヘッドで先制点を決められた。負けられなかった。「(平山のことは)意識はしてなかったけど、(国立は)やっぱり、いいっすね」

 FWマルキーニョスの退団により来季は外国人FWの補強は確実。期限付き移籍していた山形で今季10得点を挙げたFW田代も復帰する。定位置争いがし烈になる来季に向へ、大舞台で成長を見せつけた。【塩谷正人】
 [2010年12月30日9時6分 紙面から]



鹿島対東京 延長後半ロスタイム、決勝ゴールを決め喜ぶ鹿島FW興梠

鹿島・大迫“国立男”対決勝った/天皇杯
2010.12.30 05:05


オレが国立男。後半22分、金英権(左)のマークを振り切って大迫がヘディングで同点弾。延長後半ロスタイムには興梠の決勝ゴールもアシストした

 サッカー第90回天皇杯準決勝(29日、鹿島2-1FC東京、国立)J1勢による準決勝2試合を行い、4度目の優勝を目指す鹿島と2度目の制覇を狙う清水が来年1月1日の決勝(国立競技場)に進んだ。鹿島は後半、FW大迫勇也(20)のヘディング弾で追いつき、延長後半ロスタイムに大迫のアシストでFW興梠(こうろき)慎三(24)が決勝ゴール。FC東京を2-1で振り切った。

 サッカーの聖地・国立競技場の冷たい風が、怪物にエネルギーを与えるのか。FW大迫が1ゴール1アシスト。全2得点を呼び込み、鹿島をファイナルへと導いた。

 「最後は足元に入りすぎたのでパスを出した。慎三さん(興梠)が決めてくれてよかった。ゴール? いいパスが来たので、決めるだけだった」

 自身は淡々と振り返ったが、真っ赤に染まった鹿島サポーター席を狂喜乱舞させる躍動だった。0-1の後半22分、DF宮崎の左クロスを頭でねじ込む同点ゴール。そして延長後半、1-1でPK戦突入寸前のラストプレーでは、DFに囲まれながら右サイドからFW興梠へつないで、劇的決勝弾をおぜん立てした。

 国立は鹿児島城西高時代に出場した08年度高校選手権の準決勝と決勝で連続ゴールを決め、1大会10得点の新記録を樹立した舞台。それまで9得点で記録を保持していたのが国見高(長崎)出身のFC東京FW平山だった。この準決勝はその平山との“直接対決”。平山が先に派手なオーバーヘッド弾で決めたが、「そんなこと考えていられなかった」と大迫。09年2月のゼロックス杯で数分の途中出場はあったが、プロ入り後では国立初先発。平山から“国立の主役”を奪い取った。

 興梠と2試合連続のアベック弾。長く鹿島をけん引したエースFWマルキーニョスの退団で得点力低下が懸念されたが、感じさせない両ストライカーの爆発だ。リーグ4位で逃した来季ACL出場権も、天皇杯で優勝すれば手にできる。

 「スタメンで出られるチャンスが今なので、しっかりモノにして信頼を得たい。勝たなければACLに出られないし、タイトルをとりたい」

 高3時は決勝で広島皆実に惜敗して準V。「力不足。常に点の取れるFWになりたい」と涙を流した。2011年元日。今度は、自身の結果とチームの頂点を同時につかみ取る。(須田雅弘)


延長後半、決勝ゴールを決めた鹿島・興梠慎三=29日、東京・国立競技場(撮影・川口良介)


延長後半、決勝ゴールを決めた鹿島・興梠慎三=29日、東京・国立競技場(撮影・川口良介)


後半、同点ゴールを決めて喜ぶ鹿島・大迫勇也=29日、東京・国立競技場(撮影・川口良介)


鹿島、最後の最後で興梠弾!ACLに王手!

<鹿島・FC東京>延長後半ロスタイム、鹿島・興梠(左)が決勝ゴールを決める
Photo By スポニチ


 【天皇杯準決勝 鹿島2-1FC東京】鹿島が“サヨナラ”ゴールで王手をかけた。FC東京のFW平山相太(25)に先制点を許したものの、延長後半ロスタイムの最後のプレーでFW興梠慎三(24)が逆転ゴールを決め、2―1で07年度大会以来、3年ぶりに決勝に進出した。また、清水は今季限りでチームを去るメンバーが奮闘し、3連覇を狙ったG大阪に3―0で完勝。決勝戦は新年1月1日に国立競技場で行われる。

 ゴールのにおいがした。中央でボールを持ったMF本山が右を走るFW大迫に浮き球のパスを出した瞬間、興梠はゴール前に走り込んでいた。予感通りに大迫からラストパスが来る。右足でゴールに流し込むと、この一発を待っていたかのように終了のホイッスルが響き渡った。

 「延長になって絶対にワンチャンスがあると思っていた。それが最後の最後に来た。いいところに来たからラッキー。きっちり決められて良かった」。ロスタイムのゴールは過去リーグで2試合あるが、得点とともに試合の終わる“サヨナラ”ゴールは初。120分間の死闘に決着をつけたヒーローは声を弾ませた。

 チームを去ったエースからの言葉を胸に戦った。07年からのリーグ3連覇に貢献したFWマルキーニョスだが、今季限りでの退団は実は1年前から決めていた。「ベストパートナーは慎三」と公言していたマルキーニョスは「俺は2010年が最後になる。その後はおまえがエースだ」と興梠本人に鹿島の未来を託していた。

 興梠はリーグ戦では10月24日の横浜戦を最後に、終盤の6試合は無得点。「自分が決めていれば…」とACL圏外の4位に終わった責任を痛感していた。だが、マルキーニョス不在の中、天皇杯は準々決勝の名古屋戦に続いて2試合連続ゴールで期待に応えてみせた。

 北京五輪、そして、W杯南アフリカ大会と候補に名を連ねながら代表から落選した。そして、ザックジャパン初の公式大会、アジア杯のメンバーにも選ばれなかった。代表合宿は既に始まっているが、14年のW杯に向け、鹿島で活躍することが代表入りへの近道と信じている。

 「ACLに出るためにも天皇杯で優勝したい。剛さんにはお世話になったし、優勝で送り出したい」。今季で引退する功労者のDF大岩を送り出すためにも鹿島にとって意味のある天皇杯。14個目のタイトルを獲って新エースの実力を証明する。
[ 2010年12月30日 ]

大迫、再び国立で輝き!同点弾&決勝弾演出

<鹿島・FC東京>後半22分、鹿島・大迫(奥)は同点ゴールを決めガッツポーズ
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 【天皇杯準決勝 鹿島2-1FC東京】来季のレギュラー奪取へ鹿島のFW大迫が1ゴール1アシストと活躍した。

 後半22分に左からのクロスに合わせて同点ゴールを決めると、興梠の決勝点もアシストした。大迫にとって国立は思い出の地。鹿児島城西3年時の09年の高校選手権では平山(国見)の9得点を上回る史上最多の10得点を記録し、鳴り物入りで鹿島に入団した。今季は控えに甘んじ不本意なシーズンを送ったが、国立で再び存在感を示した。マルキーニョス退団でめぐってきたチャンスに「まだ1試合しか結果を出していない。信頼を得たい」と力強く語った。
[ 2010年12月30日 ]

無冠脱出へ興梠ラストプレー弾!決勝決めた…鹿島

延長後半ロスタイム、ゴール前からボレーシュートを決めた鹿島・興梠(左から2人目。左端はF東京・平山、右から徳永、佐々木)

 ◆第90回天皇杯サッカー ▽準決勝 鹿島2―1F東京(29日・国立競技場) 4度目の優勝を目指す鹿島と、2度目の制覇を狙う清水が来年1月1日の決勝(国立競技場)に駒を進めた。準決勝2試合が行われ、鹿島は延長後半ロスタイム、最後の1プレーでFW興梠慎三(24)が右足で決勝弾を叩き込み、2―1でF東京に逆転勝ち。3大会ぶりの決勝進出を果たした。清水はMF藤本淳吾(26)の2アシストなどでG大阪を3―0で下し、5大会ぶりの決勝を決めた。

 ボールに気持ちが乗り移った。延長後半ロスタイム、FW大迫がゴール前に落とした所に、走り込んだFW興梠が右足を振り抜く。きれいに当たらず、ボールは不規則に大きくバウンドしながら、ゴール左隅へ転がり込んだ。延長を含めて120分間を走りきり、巡ってきたラストチャンス。言うことを聞かない右足で、強引に決勝点を叩き込んだ。

 「最後は足が痛くて走れなかったけど、いい所にボールがこぼれてきた。ラッキーですね。きっちり決められて良かった。ああいうタイミングでのゴールはなかった。試合が終わったことも分からなかった」。ベンチ前で今季限りで引退するDF大岩に駆け寄り、抱擁を交わす。ゴール直後に鳴り響いた試合終了のホイッスルは、耳に入ってこなかった。

 南アフリカW杯に出場する日本代表のメンバー選考で、最終候補まで残りながら落選。そこで一大決心をした。2014年ブラジルW杯出場を目指すにあたって、立てた目標。「ブラジルまで死ぬ気でサッカーに取り組んで、その後に選手を辞めればいい。いい年齢(28歳)でW杯を迎えられるし、それに懸けたい」。引退を懸け、4年を歩む決意だった。

 だが、その思いとは裏腹に、今季リーグ戦でチームは4位に終わり無冠のピンチ。自身も8得点と不調に終わった。来年1月、アジア杯に出場するザック・ジャパンからも落選。納得できないシーズンの最後、天皇杯だけは「優勝して、ACLの出場権を取る」と燃えていた。これで2試合連発。思いがようやく結果に表れ始めた。エースの復活で、チーム14個目のタイトル獲得に手を掛けた。
(2010年12月30日06時05分 スポーツ報知)

大迫1ゴール1アシスト「タイトルを取りたい」…鹿島
 ◆第90回天皇杯サッカー ▽準決勝 鹿島2―1F東京(29日・国立競技場) 鹿島FW大迫が1得点1アシストで逆転勝利に貢献した。後半22分、DF宮崎のクロスを受け、ヘディングで同点ゴールを叩き出すと、決勝点もアシスト。「僕はしっかりチャンスをものにしていかないと、監督からの信頼を得られない。勝てたのは良かった」。優勝すれば来季のACL出場権を確保できる。「次も決めてタイトルを取りたい」と誓った。
(2010年12月30日06時01分 スポーツ報知)


延長後半終了間際、決勝ゴールを決め喜ぶ鹿島・興梠。右は新井場

鹿島 無冠危機を本山救った
2010年12月30日 紙面から
◇天皇杯 準決勝 鹿島2 - 1FC東京

 4度目の優勝を目指す鹿島と2度目の制覇を狙う清水が、来年1月1日に東京・国立競技場で行われる決勝戦に進んだ。鹿島は延長後半ロスタイムにFW興梠が決勝点を挙げ、2-1でFC東京を振り切った。清水は史上初の3連覇を狙ったG大阪に、FWヨンセンの2ゴールなど3-0で快勝した。鹿島は3大会ぶり6度目、清水は5大会ぶり5度目の決勝進出。両チームの決勝対戦は第80回大会以来。
 鹿島無冠の危機を救ったのは途中出場のMF本山だった。劇的な延長後半ロスタイムの決勝ゴールを演出したのは、ベテランの経験と王者を支えてきた勝負勘にほかならない。元日決勝進出に、本山は何度も右手でガッツポーズをつくった。
 1点を先制された後半16分、オリヴェイラ監督はMFフェリペガブリエルに代えて本山を投入した。トップ下に入った本山がまず出した指示は、FW大迫に「開いてドリブルで仕掛けろ」だった。「相手はボランチが高い位置で取りにくる。そこが狙い目。間を通してもいいし、ドリブルで仕掛けてもいい」。ベンチで試合を冷静に見つめていた本山の動きで流れは一気に変わる。
 まずは大迫が後半22分に同点ゴールを挙げると延長戦も東京を圧倒。延長後半ロスタイムの興梠のゴールは「シュートを打ちにいったけど、迫(大迫)がいい走りをしていたから」という本山の狙いすましたパスから生まれたものだった。
 今季はケガに泣かされた。この試合までも約3週間、左腓骨(ひこつ)筋を痛め、ほとんどリハビリで過ごした。シーズン中もスタメンはわずか3試合。「今年はみんなに甘やかせてもらったから、これくらいはやらないと。あと1試合」。リーグ戦6回、天皇杯3回の優勝を経験した鹿島の背番号「10」が無冠のピンチを救うため、元日も国立のピッチに立つ。 (荒川敬則)

サッカー天皇杯 鹿島、清水と元日決勝 延長でFC東京下す

【写真説明】
鹿島-FC東京 後半22分、鹿島・大迫(右)がヘディングシュートを決め同点とする=国立競技場


 サッカーの第90回天皇杯全日本選手権は29日、東京・国立競技場などで準決勝2試合を行い、鹿島はFC東京を延長戦の末に下して3年ぶりの決勝進出を果たした。
 鹿島は前半39分に先取点を許したが、後半22分に大迫のヘディングシュートで同点。勝負は延長戦までもつれ、後半ロスタイム、興梠が最後の1プレーで勝ち越しゴール。劇的な逆転勝利で元日の決勝に駒を進めた。4度目の優勝を目指して清水と対戦する。

▽国立
鹿島(J1) 2-1 F東京(J1)
0-1
1-0
延長
0-0
1-0
▽得点者
【鹿】大迫(後22分)興梠(延後16分)
【F】平山(前39分)

【サッカー天皇杯】延長後半ロスタイムの劇的決着で決勝へ 鹿島
2010.12.29 20:15


 鹿島-FC東京 後半22分、ヘディングで同点ゴールを決める鹿島・大迫(左)。GK権田=国立競技場

 ドラマは延長の後半ロスタイムに待っていた。DFラインの後ろを狙った本山の浮き球を大迫がゴール前へ流し込むと、敏感に反応した興梠が右足でネットに突き刺した。タイムアップの笛が鳴り響いたのは、サポーターの前でイレブンが歓喜の輪を作っている最中のことだった。
 簡単な試合ではなかった。J2降格の悔しさを天皇杯にぶつけるFC東京の気迫に押され、「向こうのペースで先制されてばたばたしてしまった」と中田。FC東京が延長前半5分に退場者を出して以降も、一方的にボールを支配しながらゴールは遠かった。
 しかし、天皇杯にかける思いでは負けていなかった。昨季にJリーグ3連覇の偉業を達成した常勝軍団も、今季はこれまでよもやの無冠。リーグ戦は4位に沈み、天皇杯を制する以外にACLの出場権は得られない瀬戸際にいる。
 「チーム再建中」と公言するオリベイラ監督だが、勝利への執念をみせたチームを「最後まであきらめず、全身全霊をかけて戦い続けた」と絶賛。「努力を持続できればラストチャンスをものにできる」と指揮官が手応えをつかむ鹿島が、来年元日の決勝で今季の屈辱を晴らす。

(奥山次郎)

マルキーニョスの慎三へのコメントを報じるスポニチと2014年の引退を語る慎三のコメントを取った報知が秀逸である。
マルキーニョスが昨年末から退団を口にしておったことは、報知の報道にあった。
そのマルキーニョスが後継者に選んだのは慎三その人である。
足の痛みを堪え、最後の最後に決めた決勝弾はエースの後継者として名乗りを上げるに十分であろう。
その慎三は2014年に引退する決意でブラジルW杯を目指すとのこと。
死にものぐるいとなった慎三にに恐れはない。
決勝戦も、そして来季もゴールを決めてくれるであろう。
そして、本山を報じる中日スポーツも捨てがたい。
若き2TOPにボールを供給し、勝利を呼び込むのは満身創痍のベテランである。
本山と共に頂点を目指そうではないか。
楽しみである。

本田拓也、移籍を口にする

2010年12月30日 | Weblog
清水“さよなら”勝ち!「置き土産」Vへ一丸
 【天皇杯準決勝 清水3-0G大阪】清水を去るメンバーたちが決勝進出の原動力となった。

 前半19分、右サイドを駆け上がった藤本が、利き足と逆の右足でクロスを上げ、ヨンセンが頭で先制。28分には、藤本が左サイドから上げたクロスを相手GKがはじき、こぼれ球を兵働が左足で豪快に突き刺した。後半16分には藤本の右クロスをヨンセンが再び頭で決めた。4日のリーグ最終戦で0―3と敗れたG大阪に、逆スコアでリベンジを果たした。

 日本代表のザッケローニ監督が視察した25日の準々決勝・山形戦で藤本はミスを連発して途中交代。試合後には長谷川監督から「おまえ、調子に乗んなよ」とカミナリを落とされた。自慢の長髪を切って試合に臨み、全得点に絡んだ藤本は「そのことと髪を切ったことは関係ないが、きょうはうまくメンタルコントロールができた」と喜んだ。長谷川監督も「代表にふさわしいプレー」と目を細めた。

 6年間指揮を執った長谷川監督が今季限りで退任し、この日の出場メンバーでは戦力外通告を受けたヨンセン、伊東、市川の移籍が既に決定。また、藤本は名古屋、兵働が柏、本田も鹿島への移籍が決定的。岡崎もシュツットガルトへの移籍が秒読み段階となっている。出場メンバーのうち実に7人がチームを去る可能性が高い。

 それでも、左足首を捻挫し、決勝への出場が微妙になった主将の兵働は「別れより、この大会をいいスタートにしたいと思うようになれた」と、ここにきて結束力が深まったことを喜んだ。決勝で対戦する鹿島への移籍が決定的なMF本田は「複雑だが、決勝はこのチームの一員。清水に恩返ししたい。タイトルを獲って置き土産にしたい」と話した。清水に別れを告げる戦士が、元日に意地を見せる。

[ 2010年12月30日 ]

天皇杯決勝戦で相対することとなった清水の本田拓也である。
改めて鹿島への移籍が決定的とある。
12月25日までには結論を出すと報じられておったが、クリスマスを過ぎても続報がなかったため、不安に思っておった。
本田拓也本人のコメントからも鹿島移籍が読み取れる。
とはいえ、本田拓也に置き土産を与えるわけには行かぬ。
改めて鹿島というクラブの偉大さを思い知らせ、移籍へのモチベーションを上げさせたい。
本田拓也のためにも、元日には勝利を掴もうではないか。
気合いを入れたい。

岩政、決勝戦出場へ意欲

2010年12月30日 | Weblog
負傷欠場の鹿島・岩政、決勝へ意欲/天皇杯
2010.12.30 05:03

 サッカー第90回天皇杯準決勝(29日、鹿島2-1FC東京、国立)準々決勝の名古屋戦で左足底筋腱を損傷した日本代表DF岩政はベンチ外。視察に訪れた日本協会・原博実技術委員長はアジア杯招集の可否について、「本人と話したが結論は出ていない」とした。最終決定はザッケローニ監督らスタッフ全員が視察する元日の決勝以降という。岩政本人は「決勝に出れば、アドレナリンとサポーターの声援でやれる」と前向きに話した。

天皇杯決勝に出場意欲を見せる岩政である。
確かに昨日の試合では、岩政の不在を痛感させられた。
日本を代表するCBが欠けるとはこういうことなのであろう。
出来ることなれば、元日のピッチに立って欲しいと願う。
しかしながら、全治二週間と診断されておる以上、無理はさせられぬ。
岩政抜きでも清水の攻撃をしのげるよう、入念な準備をして決勝戦に挑みたい。

Carlão、確定

2010年12月29日 | Weblog
Carlão confirmado no Kashima Antlers
AVANÇADO RENDE CERCA DE 2 MILHÕES DE EUROS
06:57quarta-feira, 29 dezembro de 2010

A U. Leiria confirmou ontem a transferência do avançado Carlão, de 24 anos, para os japoneses do Kashima Antlers. O brasileiro, que esteve nas cogitações do Sporting, vai assinar um contrato de três anos e rende aos leirienses uma verba ligeiramente superior a metade da cláusula de rescisão, que estava fixada em 4 milhões de euros. Carlão esteve dois anos em Leiria, período em que foi decisivo na subida à Liga.


Carlãoの契約締結を報じるRecordである。
違約金は200万ユーロとのこと。
これは鹿島が当初に提示した額であり、交渉が上手く言ったと考えて良かろう。
これで、復帰する田代天皇杯で結果を出し続ける慎三と大迫とスーパーサブ的なよよとFWの駒が揃った。
来季の攻撃陣は豪華絢爛である。
楽しみである。

FC調布戦コメント

2010年12月29日 | Weblog
天皇杯全日本サッカー選手権 準決勝


鹿島アントラーズ:オズワルド オリヴェイラ 監督
今日の勝利は非常にうれしく思う。厳しい試合だったが、選手たちは全身全霊をかけて戦ってくれた。中3日でここまでやってくれたのは素直にうれしい。
本山が入ってから流れが変わったし、得点をすることもできた。彼は決定的な仕事をできる。マルキーニョスの穴を埋めることは大変だが、チームは再建する時に来ている。良かった時期だけを見ていては駄目だ。
決勝はACLの出場権もかかっているし、ACLに出たければ日々の生活から変えていかなくてはいけない。2010シーズンのいい締めくくりができればと思う。



【興梠 慎三】
前半に先制されて苦しい試合だったが、サコがいい形で点を取ってくれた。90分で終わらせたかったけれども、まあ勝ててよかったという感じです。最後まで諦めなければチャンスは必ず来ると思っていたし、自分はそのチャンスを決めるだけだった。サコとの関係は1試合1試合よくなってきていると思うので決勝もいい形でプレーできればいいと思う。

【大迫 勇也】
(得点シーンは)ミヤさんがいいボールをくれたのであとは決めるだけだった。次も僕と慎三さんが点を取れば勝てると思うので、しっかりと切り替えていい準備をしたい。スタメンで使ってもらっているのでしっかりと結果を出して信頼を勝ち獲りたいと思う。

【伊野波 雅彦】
(失点シーンは)フリーでクロスを上げられてしまった。あそこで自由にさせてしまうとDFとしては対応が難しい。高さ対策として自分の中で考えていたことをいくつか試すことも出来た。リーグ戦で優勝することが出来なかったので、サポーターのためにも天皇杯でしっかりと優勝したい。

【新井場 徹】
今日の試合はみんなの気持ちが入っていたと思う。お互いにACL出場がかかっているので、次の試合も間違いなく厳しい試合になる。この2日間でどれだけ回復出切るか、それだけに集中したい。

【中田 浩二】
前半の入り方はよかった。途中から向こうにペースを握られて相太(平山選手)にすごいのを決められてしまった。点を取られてからもドタバタすることもなく、落ち着いてやれれば取り返せると思っていた。センターバックに入ったのは、2年ぶり。練習でもやってなかったけど意外と出来たし、相太にも上手く対応出来ていたと思う。


2010年12月29日(水)

F東京戦は興梠選手と大迫選手のゴールで2-1と勝利しました。

【第90回天皇杯準決勝 鹿島 vs F東京】オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島)記者会見コメント(10.12.29)
12月29日(水) 第90回天皇杯準決勝
鹿島 2 - 1 F東京 (15:00/国立/25,120人)
得点者:39' 平山相太(F東京)、67' 大迫勇也(鹿島)、120'+1 興梠慎三(鹿島)


●オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島):

Q:監督のご経験の中でも、1、2を争う劇的な試合の決まり方という勝利での決勝進出ですが、今のお気持ちをお聞かせ下さい。
「非常に嬉しく思ってます。やはり試合はタフで厳しいものがあり、そのなかで選手たちが全身全霊で試合に挑んで、諦めずに戦い続けたことが良かったと思います。中3日という少ない回復日数でもこれだけしっかりとした試合ができたことは良かったと思います」

Q:本山選手の投入が良いタイミングで試合の流れを変えたし、最後の勝負を決めたのも彼のパスだったと思うのですが、彼のプレーについてコメントをお願いします。
「鋭い指摘ではないかと思います。彼が入ってから流れが変わり、引き寄せることができました。最終的に彼のパスから得点が生まれました。本山選手というのは、良い部分と悪い部分をもっています。良い部分というのは、当然ながら彼を起用した時に、今シーズンも決定的な仕事をして、チームを勝利に導くプレーを、アシストや得点、流れを変えることをやってくれます。悪い部分というのは、安定して1年間ずっと働くことができない、あるいはできていないことが大きな部分としてあります。戦力となり流れを変える力を持っている選手でありながら、安定してプレーできないことについては、我々ももっと深く追究する必要があるかもしれません。あれだけの素質と能力を持っている選手を1年間で数回しか使うことができないというのは、クラブとしては非常にもったいないことであり、もう少し活用することや活動させることを考えなければと思っております」

Q:本山選手もそうなんですけど、私にとってアントラーズの攻撃のパフォーマンスの中心はやはりマルキーニョス選手。で、彼の一番素晴らしいところと言うのは、最前線から守備に入って、彼が起点で守備が始まるという流れがあったんですけど。そういう意味で、これから来シーズンに向けて、マルキーニョスの穴をどのように埋めていきますか?
「サッカーだけではなくて、人生でも経験というものが能力やパフォーマンスに影響されることが多いと思います。ブラジルの有名な詩人の文なんですが、世の中には1日戦い続ける人がいる。素晴らしい人だ。また世の中には1ヶ月間頑張り続けることができる人がいる。それはもっと素晴らしい人だと思う。ただ、1年中、あるいは人生をずっと努力し続け、諦めずにやり続ける人が世の中にはいる。その人は閃きがあったり、いろいろなプラスアルファを発揮できる人間である。それが価値のある人間だと思います。

クラブというのは、機械を扱っているわけでなく人間を扱っているわけで、良い部分もあれば悪い部分もあるし、選手も人間であるし、性格であったり能力だったり、いろんな部分が含まれています。今はチームを再建する時期にきているわけで、やむを得ない部分もあるし、以前と同じように考えてやることや見ることは、部分的に間違っているのだと思います」

Q:非常に苦しい大変なシーズンだったと思います。ACLの出場権を自分たちの力で得るチャンスを迎えたことについて、どのように考えていますか?
「我々にとっては、ACLの出場権を得るラストチャンスです。先ほども言ったとおり、努力をし続けることができるか、持続することができるかという部分になってくるわけであって、それは意識などをやり続けることに係わります。本当にACLに出場したいのであれば、いろいろなことに配慮しながら生活もしていかなければなりません。それが良い形になれば、我々のラストチャンスをものにすることができるわけです。2010年の良い締めくくりができればと考えております」


以上

【第90回天皇杯準決勝 鹿島 vs F東京】試合終了後の鹿島選手コメント(10.12.29)
●本山雅志選手(鹿島):
「シュートを打とうかと思ってボールを持ちだしたら、サコ(大迫)が良い動きをしていた。通るかなあ、と思ったんだけど。90分で決められると思ってたんですけどね。そこが課題だと思う。相手のボランチが高い位置を取っていたので、FWなので、ボランチの間でボールを受けようと考えていた。
(役割はFWだったんですね?)
トップ下ですね。サコが左に開いて。効果的に仕掛けてくれたと思います。(決勝点の場面は)イバ(新井場)がいたけれど、サコがその裏を回っていたのでそこに出しました。勝ちたいという気持ちがあった。最後、勝って終わりたいですね。ACLもそうだけど、タイトルを取りたい。勝ちますよ」

●小笠原満男選手(鹿島):
「なんとしても勝ちたかった。勝てて良かったです。
(米本選手のところを狙っていた?)
ちょっとモタモタしてる感じがしたので。技術的な問題か、芝の問題なのかわからないけどチャンスかなと思って。寄せるとパスミスしていたし、ひとつの狙いかなと思った。
(名古屋戦のように簡単にFWにボールが入らなかったが?)
FWにタイトについていたけど、そのせいでタク(野沢)とかモト(本山)がフリーだった。別にFW、FWといいうわけじゃないし、モトとかタクをうまく使いながら攻めようと思っていた。モトはギャップで受けてくれるし、止めて出して、止めて出してとボールもよく回る。慌ててつっかけてカウンターを受けるのが一番嫌だったので、落ち着いて回せたと思う。あとひとつなのでガンバって勝てるようにしたい。
(FKは?)
もうちょっと低くて速いのでもよかった。
(2トップが決めると勢いが出る?)
ゴールは誰でも良いし中盤の選手でもいいんだけど、あいつら単純ですからね(笑)」

●宮崎智彦選手(鹿島):
(同点の場面は?)
ひとつ頭を越える狙いでした。ボールが出てくると信じて走りました。タクさんなら後ろを向いていても出してくれるので。
相手がひとり減ってからは焦らず、相手が出てきたところを突いていこうと思っていた。そういう風に感じていたし、焦らし気味に行こうと思っていた。1点先制されても、みんな落ち着いて相手のゴールに少しでも近づいてプレーしようとしていた。トラップは考えませんでした。トラップしたら多分、相手が来てたと思う」

●大岩剛選手(鹿島):
(交代は戦術的なもの?)
前半で俺のところでやられたので、監督も考えたんだと思う。ただ、中に入った選手が素晴らしい活躍をしてくれた。僕が支えなければいけないのに、逆にみんなに支えられた。
(ただ、平山選手のゴールは見事でした)
後輩なんでね(笑)でも、チームが勝てて良かったです。
(勝ったときは思わずピッチに駆け込んでいましたが?)
誰もがそういう気持ちになったし、一体感を表していると思う。すごく良いチームだと思います」

●大迫勇也選手(鹿島):
「あと1試合。点を決めるだけです。しっかりチャンスをものにして、信頼を得られればと思う。監督からは左サイドから仕掛けろと言われました。ACLというよりも、まずは天皇杯を取りたいです。
(2点目はパス?)
パスです。慎三さんが見えていました」

●伊野波雅彦選手(鹿島):
「クロスを簡単に上げられ過ぎた。中に高い選手がいるのがわかっているのだから、うちの1点目もそうだけど、あれだけフリーに上げられるとDFは対応するのが難しい。もっとボールに寄せないといけなかった。上げさせた後は、簡単に打たせないように体を寄せればそこまで飛ばない。俺は対策か何個かあったのでそれを試しながら守っていた。
リーグ戦で優勝できなかった分、天皇杯で優勝できればサポーターも喜んでくれると思う」

●新井場徹選手(鹿島):
「よかったね。ちょっと芝が長い。でも、こういう試合になるのはわかってた。むこうも必死に来るし、次もこういう試合になると思う。お互いACLがかかってるし、ガチでしょ。2日でどんだけ回復できるか。そこだけに集中したい。
(久々に運動量が落ちなかった?)
気持ち的にみんな入ってた。ACLというよりタイトルをね。一人ひとりがしっかり集中して勝ちに繋げようとしていた。いろんなところでミスは出たけど勝てて良かった」


[ 第90回天皇杯準決勝 鹿島 vs F東京 ]

1点を追う鹿島は67分、左サイドでの野沢拓也と宮崎智彦とのコンビネーションからゴール前へクロスを入れると最後は大迫勇也(写真)が頭で決めて1-1の同点に追いついた。

[ 第90回天皇杯準決勝 鹿島 vs F東京 ]

互いに譲らぬ一戦は90分で決着が着かず延長戦へ突入。延長前半5分、この日攻守に存在感を示していた米本拓司(F東京)が2枚目のイエローカードで退場となった。

[ 第90回天皇杯準決勝 鹿島 vs F東京 ]

このままPK戦突入と思われた延長後半アディショナルタイム1分、ゴール前の混戦から最後は興梠慎三(写真)が劇的なゴールを決めて鹿島が勝越し。直後に試合終了のホイッスルが鳴り、鹿島が土壇場で元日へのチケットを手に入れた。


この試合で痛感したのは本山という選手のクオリティであろう。
途中出場でピッチに入ったとたんにゲームの雰囲気期を一転させてしまった。
勢いに乗り宮崎のアシストを引き出し同点、延長のアディショナルタイムには自らパスを出し逆転の勝利弾を演出した。
素晴らしすぎる。
この選手が、今季フルタイム稼働出来たのであれば、歴史は変わっておったであろう。
しかしながら、過去は変えられぬ。
来季は万全な体調でシーズンインしてくれることを望む。
一日でも長く、スター大迫と共演を続けて欲しい。
それを強く感じた冬の午後であった。

昌子くん擁する米子北高校、優勝候補

2010年12月29日 | Weblog
第89回高校サッカー選手権・注目校紹介 第6回
2010年12月29日(水)
■米子北の名を全国に知らしめた2009年の躍進

 優勝候補・米子北。今や米子北といえば、ファンの間では今大会の強豪の一つとして知られているが、今から3年前までは優勝候補に挙がることはまずなかった。それがどうしてここまでの注目の存在になったのか。それは昨年の大躍進が大きかった。

 米子北はこれまでも境、米子東とともに鳥取のサッカーをリードしていた。毎年アタッカーとセンターバックに質の高い選手を置き、まとまりのあるチームだったが、全国で苦戦し、県内でも近年は躍進を続ける境の分厚い壁を打ち破れないでいた。
 しかし昨年、2年生ストライカーの谷尾昂也、3年生ストライカーの山本大稀の強烈2トップを看板にしたチームはインターハイ予選を制すると、奈良インターハイでは破竹の連勝を重ね、あっという間に決勝に進出を果たす。彼らのサッカーはいたってシンプル。ディフェンスラインから正確なロングボールを供給し、谷尾のキープ力、山本大の爆発的な突破力をフル活用し、ゴールを陥れる。このシンプルな攻撃が強烈なインパクトを残し、35分ハーフ(インターハイは35分ハーフ)の時間内では相手に対応し切らせないまま、ゴールを射抜き続けた結果の決勝進出であった。決勝では昨年の“高校年代実力ナンバーワン”と言われた前橋育英の前に屈したが、いきなり全国準優勝の快挙を成し遂げ、谷尾は得点王を獲得。まさに全国に米子北旋風が巻き起こった。

 この旋風はこれだけにとどまらなかった。ユース年代最高峰の大会である高円宮杯全日本ユースでは、「さすがにJユースやこのレベルの相手に90分間戦って勝ち抜くのは厳しいだろう」という声も挙がっていた。しかし、そういう周囲の予想を上回るほど、彼らはインターハイを通じて成長を遂げていた。谷尾と山本大の2トップはもちろん、ディフェンスラインでは2年生センターバック昌子源が急成長。正確かつ強烈なキックと、空中戦の強さを駆使し、守備に大きな安定をもたらした。守備が安定したことで、より強固なカウンターサッカーを展開できるようになり、高円宮杯全日本ユースでは静岡学園、浦和レッズユースを撃破し、決勝トーナメント進出を決めると、ラウンド16でジェフ千葉U-18を下し、初出場でベスト8まで進出。快進撃はここまでとなったが、今度は山本大が大会得点王に輝いた。

 高校年代最高峰と呼ばれる大会でのベスト8入りという事実が、インターハイの結果がフロックではないことを実証し、米子北の評判はたちまち全国の強豪へとステップアップしていった。
 しかし、選手権予選決勝では境のリベンジに合い、県予選で涙をのんだ。まさに“天国から地獄”にたたき落された格好となったが、「あっという間の1年だった。全国での躍進も、最後のこの負けも選手たちに絶対に焼きつく。だからこそ3年はこれからの人生に、2年生以降は来年に生かしてほしい」と城市徳之監督が語ったように、結果として2年生たちはこの1年間で、全国の山頂付近を見ると同時に、次の年へのモチベーションとなる悔しい思いを経験することができた。非常に濃密で、経験という面でとてつもなく大きな財産を得たのだ。

■インハイ、高円宮杯を経て、米子北旋風はいよいよ選手権へ


鹿島への入団が内定している昌子【安藤隆人】

 今年、濃密な経験を経た選手たちはさらなるパワーアップを遂げた。今年は昨年のチームから谷尾、昌子という核となる2人が残った。そこに「昨年を経験した選手が着実に成長した。昨年までは2トップの破壊力のみに頼っている感は否めなかったが、今年は彼らを生かした攻撃はもちろん、中盤でつないで、サイドから切り崩すなど、攻撃のバリエーションは増えた」と城市監督が語ったように、安定した技術を持つボランチの川元徳馬と、右のゲームメーカー藪田貴大、左の弾丸ドリブラー西田開人の個性的な中盤が、攻撃に変化を加える。さらにそこに俊敏性が高く、バイタルエリアで動き回れる2年生FW小笹晃と、試合終盤になると、昨年もスーパーサブとして大活躍した決定力抜群のスピードアタッカー・山本健太郎を投入する『必勝パターン』も持つ。
 守備面でも運動量豊富で、バランス感覚に優れた守備的ボランチの野原正博、最後尾にはセービングのうまい185センチの大型2年生GK助田龍太郎が構え、攻守両面で総合力は高くなっている。

「今年は去年よりもいいサッカーができる」
 城市監督の手ごたえは、インターハイでも実証された。沖縄インターハイの3回戦で、今年の高校年代最強との呼び声の高い流通経済大柏と対戦。開始2分で昌子のスーパーFKで先制すると、一度は同点に追いつかれるが、相手の高い個の能力を融合させた流動的な攻撃に対し、「相手の中盤のポゼッションに対しては、ポゼッションをさせて、縦パスをシャットアウトすることを狙った。それで相手が蹴ってきても、跳ね返せばいい」(城市監督)と、昌子と野原を軸に、強固なブロックを形成し、跳ね返し続けた。そして終盤に山本健を投入すると、66分にカウンターから前線で谷尾が素早くバイタルエリアの山本健へパス。山本健はボールを受けると、反転して決勝弾をたたき込んだ。

 圧巻の勝利だった。チームは続く準々決勝で敗れたが、「あの流通経済大柏に力で勝ったチーム」として、昨年とは別の形で全国に強烈なインパクトを残した。プリンスリーグ中国で惜しくも4位に終わり、3位までに与えられる高円宮杯全日本ユースは出場できなかったが、谷尾が川崎フロンターレに、昌子が鹿島アントラーズに入団が内定し、2人のJ1リーガーを擁するチームとして、注目を集めると、選手権予選では境に5年越しのリベンジを果たし、5年ぶりの選手権出場を決めた。
「ようやく僕たちが望んでいる舞台に立てる。ここからが僕たちの新たなスタート」(昌子)、「昨年の3年生のためにも、どうしても今年は出たかった。インターハイが終わって、チームとして選手権1本に絞って、ここまでやってきた。全国で戦う準備はできている」(谷尾)、「今年はどうしても選手権に出たかった。このチームは国立を狙えるチームです」(城市監督)

 米子北の旋風はまだ終わっていないし、2年経ってもその勢力は維持されている。それにインターハイ、高円宮杯全日本ユースで起こしたが、まだ選手権でその風は吹き荒れていない。今大会、初戦でいきなり静岡学園と激突するが、これを突破した瞬間に『米子北旋風』は一気に加速する。今、その準備は整った。わずか2年という短期間で吹き荒れた米子北旋風は、いよいよ関東上陸に向け、その勢力を強めている。


<了>

昌子くん擁する米子北高校を紹介するコラムである。
この一年でシンプルな攻撃一辺倒から多彩な攻撃バリエーション持つチームへと成長したとのこと。
その陰に昌子くんの成長が隠されておる。
強固な守備で攻撃を弾き返し、正確無比なロングキックで攻撃の起点となるのだ。
全国高校選手権で米子北旋風を起こすべく、昌子くんには奮戦して欲しい。
楽しみである。

大迫、ゴールを狙え

2010年12月29日 | Weblog
鹿島大岩が先発 天皇杯きょう準決勝
 天皇杯準決勝が今日29日、東京・国立競技場ほかで行われる。鹿島は今季限りで引退表明したDF大岩剛(38)の先発が決定的で、J2に降格した東京と激突。

 大岩が10月16日の湘南戦以来、約2カ月半ぶりに公式戦で先発する。DF岩政が右足足底筋腱(けん)損傷で離脱し、ベテランに白羽の矢が立った。「(岩政)大樹に決勝はプレーさせてやりたい」と必勝を誓った。最後のホームとなった25日名古屋戦はセレモニーで号泣。「みんなで喜び合うラストチャンス。優勝までたどりつきたい」と3年ぶり王座を見据えた。
 [2010年12月29日8時8分 紙面から]

鹿島はACLへ執念、F東京は「国立男」平山が闘志…天皇杯準決勝

 ◆第90回天皇杯サッカー ▽準決勝 鹿島―F東京(29日午後3時・国立競技場) 天皇杯は29日、国立競技場とエコパで準決勝2試合を行う。鹿島と対戦するF東京のFW平山相太(25)は、国立競技場では国見高時代から過去14戦19発と相性は抜群。リーグ戦でチームはJ2降格が決定したが、長身ストライカーの爆発で、F東京初の決勝へと導く。

 ◆小笠原「ACL出たい」天皇杯Vに執念…鹿島
優勝チームには来年のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権が与えられるだけに、鹿島MF小笠原は「ACLは絶対に出たい。出るだけじゃなくて(ACL優勝チームが出場できる)クラブW杯でも勝ちたい」と1年後に日本開催となるビッグマッチを見据えた。この日は大船渡高時代の恩師、斎藤重信氏(現盛岡商サッカー部監督)が練習を見学するなど、発奮材料は多い。

 ◆“国立男”平山、クラブの「歴史作る」…F東京
19発男のF東京FW平山が、国立で大観衆を沸かせる。国見高時代から慣れ親しむ聖地を「いいイメージを持っている」と闘志を燃やした。鹿島を倒し、決勝に進出すれば、元日にサッカーの試合をするのはチームにとっても、自身にとっても初となる。「歴史を作るチャンス」と意気込む「国立男」が、首都に最高のお年玉をもたらす。
(2010年12月29日06時01分 スポーツ報知)

天皇杯 鹿島、FC東京ときょう準決勝 大迫、2戦連続弾誓う

【写真説明】
準々決勝で決勝点を決め、活躍が期待される大迫=クラブハウスグラウンド


サッカーの第90回天皇杯全日本選手権準決勝は29日、各地で2試合を行い、鹿島は国立競技場でFC東京と対戦する。キックオフは午後3時。相手は来季J2降格が決まっているとはいえ、190センチ平山を中心とした高さと前線の攻撃力は脅威。けがで欠場する岩政の穴を全員で乗り切り、来年元日の決勝に駒を進められるか。

3年ぶりの優勝まであと2試合。25日の準々決勝後には、今季限りで引退する大岩の引退セレモニーも開かれ、「(大岩)剛さんのためにも」という強い団結の下、士気は高い。

FC東京に対して中田は「落ちるようなチームじゃない」と話すように日本代表経験者は数多く、今野、米本、梶山ら各ポジションに選手がそろう。

特に注意すべきがFW平山。鹿島は準々決勝で右足足底筋腱(けん)を痛めた岩政が欠場するため、ハイボールへの対策を迫られる。岩政の代役には、準々決勝でも途中出場した大岩が入る見込み。「いいボールを落とさせないようにすること、セカンドボールへの意識も大切」と、10月16日湘南戦以来となる先発に意欲を燃やす。コンビを組む日本代表・伊野波も、「剛さんは流れを読む力を誰よりも持っている。全く不安はない」と自信を見せる。

準々決勝は2トップがそろって得点。前線で大迫が高いキープ力を発揮することで、攻めのリズムが生まれた。「国立の芝は好き」という背番号9は、「久々に得点できたので、イメージはいい。自分のプレーを心掛けたい」。勝利を引き寄せる、2戦連発弾を誓った。


ACLへの思いを語る小笠原満男である。
この試合のキーマンと言えよう。
満男のボール奪取からの攻撃に期待したい。
大岩が守り、大迫がゴールを決めれば、アジア・チャレンジが見えてくる。
気持ちを込めて国立へ向かいたい。

Carlão、本人の弁

2010年12月29日 | Weblog
Carlão despede-se: «Desejo boa sorte a todos»
Por Luis Filipe Simões



Carlão esteve hoje em Rio Maior onde se despediu dos companheiros de equipa. O avançado brasileiro, segundo melhor marcador da Liga, está de malas feitas para o Japão onde irá jogar no Kashima Antlers.

«Espero passar o fim de ano no Brasil e só depois devo ir para o Japão, devendo ser apresentado a 23 ou 24 de Janeiro. Aproveito para dizer aos meus companheiros que acredito muito neles e tenho a certeza que este clube vai terminar o campeonato entre os primeiros. Boa sorte a todos», afirmou.

No final deixou uma mensagem de esperança em excelente campeonato do Leiria:

«Um jogador não faz uma equipa e por isso a minha saída não vai alterar em nada a ambição que temos mostrado»
20:09 - 28-12-2010

日本に来ると語るCarlãoである。
本人の弁が出た以上、確実と言って良いのでは無かろうか。
Carlãoと共にアジアを制し、世界へと出したい。