【J1採点&寸評】大宮×鹿島|終始押し込まれる展開を耐えに耐えた大宮が勝点1をもぎ取る
古田土恵介(サッカーダイジェスト)
2016年04月30日
大宮――まさに守護神。ビッグセーブ連発の加藤をMOMに。
【警告】大宮=奥井(76分)、家長(89分) 鹿島=なし
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】加藤順大(大宮)
【チーム採点・寸評】
大宮 5.5
攻め手は時折見せるカウンターのみ。それも絡む人数が足りずに脅威とまではならなかった。ボールを圧倒的に保持さながらも、最後の最後で耐え凌いだのは評価されるべきだが、上位陣対策は急を要するだろう。
鹿島 6.5
連動したパスワーク、2列目や3列目からの飛び込み、一人ひとりの技術の高さが際立つ。セカンドボールをことごとく奪取でき、分厚い攻撃を見せた。守備でもプレスの圧力を最後まで保っており、あとは得点だけだった。
【大宮|採点・寸評】
GK
1 加藤順大 7
40分、49分、65分、72分と立て続けにビッグセーブ。ロスタイムにも好守を披露し、絶妙な間合いの詰め方と反応速度は調子の良さを窺わせた。
DF
19 奥井 諒 6(85分OUT)
プレービジョンが噛み合わずに、しばしば相手へボールを渡してしまう。それでも身体を張って対峙した相手を封じた姿は頼もしかった。
2 菊地光将 6.5
身体を投げ出してゴールを死守。焦れることなく辛抱して最終ラインを統率し、シャットアウトに貢献した。
3 河本裕之 6.5
スペースを上手く使う金崎と土居への対応が上手く、寄せの早さで強力な鹿島攻撃陣を完封。集中力を保ち続けた。
22 和田拓也 6
どんな場面でも慌てずに、状況を把握しながらプレー。CBやボランチと連係しながら相手をサイドへ追いやった。
MF
17 横谷 繁 5
セカンドボールを拾えず、ボールを持っては単純なミスが多かった。パスも噛み合わず、今日は横谷の日ではなかった。
23 金澤 慎 5.5
広大なスペースを埋めなければならず、切り替えで駆け上がる余裕はなし。常にフルスロットルだった。
39 泉澤 仁 5(71分OUT)
試合展開から武器であるドリブルの試行回数は少なく、インパクトは小。守備に追われては良さも半減だ。
41 家長昭博 5
キープ力と創造性は鹿島相手でも輝いていた。しかし、それが“特別感”を生んだかと言えば首を捻らざるを得ない。
FW
7 江坂 任 5(60分OUT)
周囲と噛み合わない場面を散見。良く動き回っていたが、オン・ザ・ボール時はバタバタした印象だけが残った。
8 ドラガン・ムルジャ 5
競り合いでは負け、スペースをもらっても抑え込まれた。孤立無援だった点はエクスキューズが残るが……。
交代出場
10 岩上祐三 5.5(60分IN)
ロングスローで見せ場を作った。ただし、全体として高いパフォーマンスではなく、展開を変えられなかった。
16 マテウス 6(71分IN)
個人技で鹿島守備陣を脅かす。「また起用したい」と思わせる突破力で、アピールは大成功と言っていい。
20 大屋 翼 -(85分IN)
少ない出場時間ながら、持ち前のバランス感覚を見せる。難しい展開にも苦しまずに、難なく乗り切った。
監督
渋谷洋樹 5.5
分断された前線4人と後ろ6人をつなぎ合わせる有効な手は打てず。負けなかったため、0.5点を上乗せした。
鹿島――圧巻の内容も結果にはつながらず。あと一歩を埋めたかったが…。
【鹿島|採点・寸評】
GK
21 曽ヶ端準 6
最後方から大きな声で味方を鼓舞。押し込んだため見せ場は少なかったが、コーチングもセーブも堅実だった。
DF
24 伊東幸敏 6
決して低パフォーマンスではなかったが、中途半端さが目立つ。不用意に飛び込まず、泉澤を苦しめはした。
23 植田直通 6.5
素早く、激しい寄せを披露。空中戦も強かった。対角線に陣取るサイドハーフへのフィードも正確で、階段をひとつ上った感がある。
3 昌子 源 6.5
D・ムルジャに臆することなく、強さを発揮。大宮攻撃陣の前に立ちはだかる姿は日本有数のCBと呼ぶにふさわしい。
22 西 大伍 6.5
気の利いたポジショニングで危機を未然に防ぐ。攻撃でも幾度となく好サポートでチャンスに絡んだ。
MF
10 柴崎 岳 6.5
速攻、遅攻の選択が秀逸。配球から意図が読めるほど、別格のパスセンスを遺憾なく発揮していた。
40 小笠原満男 6.5
泥臭いプレーを率先して引き受け、中盤の底で強度の高いデュエルを繰り返す。“鹿島の魂”を表現していた。
25 遠藤 康 6(80分OUT)
ボールの置きどころが素晴らしい。GKに阻まれたものの、後半開始早々には精度とスピードの伴ったシュートでゴールマウスを強襲した。
7 カイオ 6
足もとで受けてからのドリブルだけでなく、パスを使った崩しや積極的なフリーランで大宮最終ラインを下がらせる。
FW
33 金崎夢生 6(90+1分OUT)
最前線で身体を張り、サイドに流れてはボールを呼び込む。独力での突破もあり、チームに推進力を生んでいた。
8 土居聖真 6(73分OUT)
最後の精度に少し物足りなさを覚えた。だが、スペースに入り込んで敵陣深くでもワンタッチで前を向く姿は脅威になった。
交代出場
34 鈴木優磨 5.5(73分IN)
ゴール前で良い形を作るも、パスが合わずに無得点。動き出しは鋭く、今後も継続的に使われそうな気配だ。
13 中村充孝 -(80分IN)
高いテクニックで相手守備陣を少なからず混乱させる。ただ、違いを生み出すまでには至らなかった。
9 ジネイ -(90+1分IN)
勝点3を持ち帰るために3枚目の切り札としてピッチへ。ただ、ほぼ時間はなく、大宮に決定打を与えられなかった。
監督
石井正忠 6
攻守に強度の高いチームを作る手腕に拍手。ただ、次々に攻撃のカードを切るも勝利を引き寄せられなかった。
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
チンチロリン
サッカーダイジェストの古田土恵介氏による大宮戦の寸評である。
ゴールレスドローという悔しい結果に対して総じて高い評価が与えられておる。
スタメンは前言う高評点という評価の様子。
短評として「圧巻の内容」とヘッドラインに記しておる。
内容は非常に高いものと言いきる。
また、責任者である指揮官のコメントに「攻守に強度の高いチームを作る手腕に拍手」と評し、素晴らしいチームであることを表す。
結果以外は満足という所。
このチームを信じ、次なる試合では結果も伴わせたい。
楽しみにしておる。
チンチロリン
古田土恵介(サッカーダイジェスト)
2016年04月30日
大宮――まさに守護神。ビッグセーブ連発の加藤をMOMに。
【警告】大宮=奥井(76分)、家長(89分) 鹿島=なし
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】加藤順大(大宮)
【チーム採点・寸評】
大宮 5.5
攻め手は時折見せるカウンターのみ。それも絡む人数が足りずに脅威とまではならなかった。ボールを圧倒的に保持さながらも、最後の最後で耐え凌いだのは評価されるべきだが、上位陣対策は急を要するだろう。
鹿島 6.5
連動したパスワーク、2列目や3列目からの飛び込み、一人ひとりの技術の高さが際立つ。セカンドボールをことごとく奪取でき、分厚い攻撃を見せた。守備でもプレスの圧力を最後まで保っており、あとは得点だけだった。
【大宮|採点・寸評】
GK
1 加藤順大 7
40分、49分、65分、72分と立て続けにビッグセーブ。ロスタイムにも好守を披露し、絶妙な間合いの詰め方と反応速度は調子の良さを窺わせた。
DF
19 奥井 諒 6(85分OUT)
プレービジョンが噛み合わずに、しばしば相手へボールを渡してしまう。それでも身体を張って対峙した相手を封じた姿は頼もしかった。
2 菊地光将 6.5
身体を投げ出してゴールを死守。焦れることなく辛抱して最終ラインを統率し、シャットアウトに貢献した。
3 河本裕之 6.5
スペースを上手く使う金崎と土居への対応が上手く、寄せの早さで強力な鹿島攻撃陣を完封。集中力を保ち続けた。
22 和田拓也 6
どんな場面でも慌てずに、状況を把握しながらプレー。CBやボランチと連係しながら相手をサイドへ追いやった。
MF
17 横谷 繁 5
セカンドボールを拾えず、ボールを持っては単純なミスが多かった。パスも噛み合わず、今日は横谷の日ではなかった。
23 金澤 慎 5.5
広大なスペースを埋めなければならず、切り替えで駆け上がる余裕はなし。常にフルスロットルだった。
39 泉澤 仁 5(71分OUT)
試合展開から武器であるドリブルの試行回数は少なく、インパクトは小。守備に追われては良さも半減だ。
41 家長昭博 5
キープ力と創造性は鹿島相手でも輝いていた。しかし、それが“特別感”を生んだかと言えば首を捻らざるを得ない。
FW
7 江坂 任 5(60分OUT)
周囲と噛み合わない場面を散見。良く動き回っていたが、オン・ザ・ボール時はバタバタした印象だけが残った。
8 ドラガン・ムルジャ 5
競り合いでは負け、スペースをもらっても抑え込まれた。孤立無援だった点はエクスキューズが残るが……。
交代出場
10 岩上祐三 5.5(60分IN)
ロングスローで見せ場を作った。ただし、全体として高いパフォーマンスではなく、展開を変えられなかった。
16 マテウス 6(71分IN)
個人技で鹿島守備陣を脅かす。「また起用したい」と思わせる突破力で、アピールは大成功と言っていい。
20 大屋 翼 -(85分IN)
少ない出場時間ながら、持ち前のバランス感覚を見せる。難しい展開にも苦しまずに、難なく乗り切った。
監督
渋谷洋樹 5.5
分断された前線4人と後ろ6人をつなぎ合わせる有効な手は打てず。負けなかったため、0.5点を上乗せした。
鹿島――圧巻の内容も結果にはつながらず。あと一歩を埋めたかったが…。
【鹿島|採点・寸評】
GK
21 曽ヶ端準 6
最後方から大きな声で味方を鼓舞。押し込んだため見せ場は少なかったが、コーチングもセーブも堅実だった。
DF
24 伊東幸敏 6
決して低パフォーマンスではなかったが、中途半端さが目立つ。不用意に飛び込まず、泉澤を苦しめはした。
23 植田直通 6.5
素早く、激しい寄せを披露。空中戦も強かった。対角線に陣取るサイドハーフへのフィードも正確で、階段をひとつ上った感がある。
3 昌子 源 6.5
D・ムルジャに臆することなく、強さを発揮。大宮攻撃陣の前に立ちはだかる姿は日本有数のCBと呼ぶにふさわしい。
22 西 大伍 6.5
気の利いたポジショニングで危機を未然に防ぐ。攻撃でも幾度となく好サポートでチャンスに絡んだ。
MF
10 柴崎 岳 6.5
速攻、遅攻の選択が秀逸。配球から意図が読めるほど、別格のパスセンスを遺憾なく発揮していた。
40 小笠原満男 6.5
泥臭いプレーを率先して引き受け、中盤の底で強度の高いデュエルを繰り返す。“鹿島の魂”を表現していた。
25 遠藤 康 6(80分OUT)
ボールの置きどころが素晴らしい。GKに阻まれたものの、後半開始早々には精度とスピードの伴ったシュートでゴールマウスを強襲した。
7 カイオ 6
足もとで受けてからのドリブルだけでなく、パスを使った崩しや積極的なフリーランで大宮最終ラインを下がらせる。
FW
33 金崎夢生 6(90+1分OUT)
最前線で身体を張り、サイドに流れてはボールを呼び込む。独力での突破もあり、チームに推進力を生んでいた。
8 土居聖真 6(73分OUT)
最後の精度に少し物足りなさを覚えた。だが、スペースに入り込んで敵陣深くでもワンタッチで前を向く姿は脅威になった。
交代出場
34 鈴木優磨 5.5(73分IN)
ゴール前で良い形を作るも、パスが合わずに無得点。動き出しは鋭く、今後も継続的に使われそうな気配だ。
13 中村充孝 -(80分IN)
高いテクニックで相手守備陣を少なからず混乱させる。ただ、違いを生み出すまでには至らなかった。
9 ジネイ -(90+1分IN)
勝点3を持ち帰るために3枚目の切り札としてピッチへ。ただ、ほぼ時間はなく、大宮に決定打を与えられなかった。
監督
石井正忠 6
攻守に強度の高いチームを作る手腕に拍手。ただ、次々に攻撃のカードを切るも勝利を引き寄せられなかった。
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
チンチロリン
サッカーダイジェストの古田土恵介氏による大宮戦の寸評である。
ゴールレスドローという悔しい結果に対して総じて高い評価が与えられておる。
スタメンは前言う高評点という評価の様子。
短評として「圧巻の内容」とヘッドラインに記しておる。
内容は非常に高いものと言いきる。
また、責任者である指揮官のコメントに「攻守に強度の高いチームを作る手腕に拍手」と評し、素晴らしいチームであることを表す。
結果以外は満足という所。
このチームを信じ、次なる試合では結果も伴わせたい。
楽しみにしておる。
チンチロリン