鹿島FW大迫、主力→代表の道に挑戦
鹿島入団会見を行った大迫勇(左から川島大地、宮崎智彦、大迫、朴柱昊)
鹿島の新人FW大迫勇也(18)が、クラブが誇るFW陣の伝統を引き継ぐ。26日、カシマスタジアムでの新入団発表会見に出席。これまでの鹿島には「主力FW→代表入り」という図式があるだけに「甘くないと思うけど、頑張りたいと思う」と意気込んだ。
過去には黒崎、長谷川や柳沢、現在は興梠、田代らが代表に選ばれた。「まずは体力づくり。早く試合に出られるように頑張りたいと思う」と慎重だが、バルセロナFWアンリを将来像とする大迫が王者鹿島で出場機会を得れば、間違いなく代表に近づく。
クラブ史上初めてスタジアムを使用した新入団会見には100人の報道陣が詰めかけた。背番号「34」となった大迫はアディダス社から用具提供を受けることも決定し「早く戦力になれるように頑張る」と話し、軽い調整練習に参加した。
[2009年1月27日8時36分 紙面から]
10発男鹿島・大迫、人気はすでに横綱級!
2009.1.27 05:03
34番のユニホームを身に着け、リフティングを披露する大迫。将来の鹿島の、いや日本のエースだ(撮影・吉澤良太)
集まった報道陣は約100人。10台のテレビカメラにフラッシュの嵐。復活優勝を遂げた大相撲・朝青龍の一夜明け会見が50人、カメラ5台だったのと比べ、倍を集めた入団会見。注目度の高さに鹿島側もクラブハウスではなく、カシマスタジアムの会議室を用意し、怪物ルーキーがプロの第一歩を踏み出した。
「今からが本当の勝負。点にたくさん絡める選手になりたい」
背番号は「34」。入団4選手の中でも頭一つ高い1メートル82の長身に天井を気にしながら、初々しく頭を下げた。
入団の決め手は、昨年3月に2泊3日で参加した鹿島の練習。「ボールを支配してFWにくさびを打ち込んでくれる。やりがいがある」。実際に触れたチームの空気に点取り屋の本能が騒いだ。
魅了されたのはオリベイラ監督も同じ。シュートを決め、パスも出せて視野も広い。「FWとしてバランスがいい。ぜひ獲得してくれ」と強化部に頼み込んだ。オールラウンドな選手になることは、「アンリのようになりたい」という大迫自身の目標でもある。
アンリはアーセナルでイングランドプレミアリーグの得点王に4度輝き、自国開催の98年フランスW杯と00年欧州選手権優勝に貢献したフランスを代表するスターFW。バルサでは「14」を背負い、代表では昨年の欧州選手権で「12」を着けた。「34」より、はるかに小さいが、大迫は「(今後)ちっちゃくなっていけばいいと思う」と、夢は尽きない。
前日25日に入寮し、この日は体力測定や筋トレ、1時間のランニングをこなし、始動したチームに溶け込んだ。“実戦デビュー”は、来月13日の宮崎合宿最終日に予定しているJFLホンダFCとの練習試合が濃厚だ。「公式戦デビューがいつになるかは分からない」と鈴木満強化部長(51)は話すが、「1年でだいぶプロの体になっていくだろう」とも。06年に、クラブ史上初の高卒ルーキーでリーグ開幕戦先発に抜擢されたDF内田の例もある。
そして、鹿島の主力FWは柳沢(現京都)や興梠のように、代表入りするのが“伝統”だ。「がんばりたいです」。1年目でのレギュラー獲得、将来の日本のゴールゲッターへ-。18歳ははにかみながら誓った。(丸山汎)
デビュー前からスター? 大勢の報道陣に囲まれる大迫
鹿島に加入した4人がそろって会見。左からMF朴柱昊、FW大迫、大東社長、DF宮崎、MF川島
大迫、鹿島入団会見で“スターの儀式”
カシマスタジアムのピッチでリフティングを披露する大迫勇也
Photo By スポニチ
高校選手権で1大会最多得点となる10ゴールを記録した鹿児島城西のFW大迫勇也(18)が26日、他の3人の新人とともに鹿島の入団会見に臨んだ。クラブ史上初めてカシマスタジアムで行われた会見には約100人の報道陣が集結。ピッチ上でリフティングを披露するなど、欧州のスター流のデモンストレーションで期待の高さをうかがわせた。日本代表がずらりとそろう鹿島の歴代日本人FWの伝統を、大迫が継承する。
「34」に決まった背番号が入った真新しいユニホームに身を包んだ大迫が、誰もいないピッチで軽快にリフティングを始めた。海外の大物選手や、小野(ボーフム)、高原が浦和に移籍したときに行われたスーパースター限定の新加入の儀式。新人選手の入団時に行われるのは異例で、“怪物”に寄せるクラブの期待の大きさが表れた。
両親と祖父母も同席した入団会見には、テレビカメラ9台、報道陣は例年の3倍以上の約100人が集結した。それでも大迫は「少しでも上達できるように頑張ります。鹿島に入れて素直にうれしい。点に絡める選手になりたい」と話した。大きな注目を集めても、第一声は謙虚だった。
鹿島のストライカーには栄光の歴史がある。黒崎、長谷川、柳沢、鈴木…。鹿島で先発に定着した日本人FWは、必ず日本代表に上り詰めたと言っても過言ではない。「ゴール前でしっかりとボールを収めて、ゴールを決めたいです。鹿島のFWは代表になる?頑張ります」。言葉は少なかったが、鹿島の伝統を継承する才能と資格を持っているのは確かだ。
その前にプロの、そして王者・鹿島の激しい競争が待っていることも理解している。「試合に出られるのが一番だけど、まずは体をつくっていきたい。今からが本当の勝負だと思うので厳しい戦いになる」。常勝・鹿島に加わった大迫が、しっかりと地に足を着けて第一歩を踏み出した。
[ 2009年01月27日 ]
大迫、鹿島のアンリになる…超高校級FW入団会見
大迫はリフティングでカシマスタジアムの感触を確かめた
鹿島は26日、先の全国高校選手権で1大会最多の10得点を記録した鹿児島城西高FW大迫勇也(18)ら新人4人出席のもと、カシマスタジアムで新体制発表会見を行った。クラブ史上最多となる100人以上の報道陣が注目した超高校級ルーキーは、選手寮で元日本代表FW鈴木隆行(32)の部屋が用意されたことが判明。大迫は「出世部屋」を起点に早期プロデビューを誓った。
カシマスタジアムの会見場。大迫は、唇が渇くほどの緊張の中で切り出した。「早く鹿島の雰囲気に慣れて、早く試合に出られるように練習していきたい。FWで一番年下なので頑張るしかない。今からが本当の勝負。厳しい世界なので頑張っていきたい」。1年目で公式戦デビュー。派手さはないが、現実的な目標を口にした。
周囲の期待は大きい。関係者によれば、選手寮4階の一室が充てられたという。02年日韓W杯で日本代表のエースとして活躍した鈴木が05年に鹿島を離れるまで入っていた部屋。大迫本人には知らせていないが、「日本を代表する選手」という目標に向かって、縁起の良い「出世部屋」でプロスタートを切る。
ポーズをとる鹿島の新加入選手(左から)川島、宮崎、大迫、パク・チュホ
会見には、例年の3倍となる100人以上の報道陣が駆けつけ、テレビカメラも例年の倍となる9台が並んだ。96年加入のFW柳沢敦(現京都)のときでさえ「比較にならない」(広報部)ほどの人数。今年は大迫加入に備え、クラブハウスから収容人数の多いカシマスタジアム会見場に場所を移したが、立ち見が出るほどだった。
会見後にはユニホーム姿となり、スタジアムのピッチでリフティングを披露した。欧州では定番だが、国内の高卒新加入選手では過去に例がない撮影用“イベント”の実施。超高校級ルーキーに対するクラブの、そして周囲の大きな期待が異例ずくめの形となった。
「FWアンリ(バルセロナ)のような何でもできるような選手になりたい」と大迫。背番号は34。チームの今季スローガン「PROGRESSO~飛躍~」のとおり、一歩一歩、エースへの階段を上っていく。
◆大迫 勇也(おおさこ・ゆうや)1990年5月8日、鹿児島県加世田市(現南さつま市)生まれ。3歳からサッカーを始め、小学時代は2列目でプレー。中学でFWに転向し、頭角を現す。鹿児島城西高に進学後、同高3年だった第87回全国高校サッカー選手権大会では、史上最多となる10得点をマークし、得点王に輝いた。昨年J1の6クラブからオファーを受けた逸材としても知られる。U―20日本代表候補。万能型FW。182センチ、70キロ。
(2009年1月27日06時03分 スポーツ報知)
まさに大迫一色である。
確かに高校選手権のスターに注目が集まるのは当然のことであろう。
しかしながら、デビューは他の3人の方が早そうである。
水戸からの移籍である現役Jリーガーのパクは当然として、大学NO.1左SBの宮崎は篤人不在時に新井場を右に回せば即出番であり、攻撃的MFの川島は層が薄いため出場機会に恵まれるのでは無かろうか。
この中では特に川島に注目である。
左利きの攻撃的MFでダニーロ、船山、ヤスとおるところに加入させたわけであるから、かなりの実力を持っておると考えて良かろう。
予測不能なトリッキーなプレイが持ち味とも聞いており、楽しみである。
信長よりの贈り物は挑戦状なのであろうか。