遊びと学び,創造の基地・山のあしおと小学校

冒険,遊び,仕事,学習,生活全般を学ぶ、子ども達のための私設小学校

クサフグを捌く

2007-10-08 00:41:11 | 喰う寝る○太
(写真は図鑑からの引用)

 子ども達の1人が12~3cmのクサフグを釣った。実はこれを待っていた。これくらいの大きさなら食べられるのですぐに捌く。
 フグの料理は野海原遊人さんに教わった。自分以外の人に食べさせることはできないが、自分で捌いて食べるのは構わない。

 手順
①頭と内臓をそっくり取り、皮を剥ぐ。薄皮にも毒があるのできれいに取る。
②次に3枚に降ろして骨を完全に取り除く。内臓と接している部分の小骨のある所もやや厚めに削ぎとる。
③これで完全に白い身の部分だけになるが、わずかでも血がついていてはいけないので海水でよく揉み洗いする。日に透かして完全に白身だけになっていることを確かめ、水気を取って持ち帰る。⇒もちろん刺身に。
④他の部分はすべて海に返し、陸上にはかけらも残してはいけない。
※このように白い身の部分だけを食べれば何ら問題はないので、他の一切の部分には手を出さず捨てることが肝要。実際に捌くのはプロ級の人の実技指導を受けるべきである。

 と言う訳で1人で食べた。クサフグと言えども弾力のある柔らかさが何とも言えず超美味。絶品だ。
 透き通ったきれいな身

 フグの調理に関して野海原さんに聞いた信じられないようなホントの話し・・。
 私達は、釣った魚をその場で処理して不要な部分は海に返す。元々海から釣り上げたものの一部を海に返すのだから問題はなく、内臓その他は海の生き物によってきれいに処理され、彼等の血肉となる。
 船や港の周りには海鳥がいつも舞っている。骨や内臓を放り投げると、カモメがサッと寄ってきて空中でそれを受け取って食べる。猟師や釣り人と海鳥の間にはそう言う黙契が出来ているものだ。

 ところが、フグの頭や内臓を投げると一旦は近寄ってきたカモメも身を翻して去って行き、決して食べないそうだ。野性とはそう言うものらしい。ここまではまあ頷ける話しだがその次がスゴイ。
 3枚に下した身の、内臓と接していて小骨のある所をすきとった、殆んど問題のない部分を投げるとカモメはこれを空中でキャッチし、嘴にくわえて波でササッと洗って食べると言うのだ。『ジョークでしょッ』と聞くと『実際に見たことだ』と言う。未だに信じられないが、ウソを言う人ではないからホントの話しなのだろう。
 ネコやイヌ等,陸上の動物にはそこまでの識別能力はないだろうから、決して陸上に残してはいけないのだ。
 
 入れ食いなのにもたついちゃって・・!

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4 コメント

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クサフグは食用魚? (山川 洋)
2007-10-21 05:48:11
始めまして、山川です。
木偶さんにかかればクサフグも外道ではなくなるようですね。
私もショウサイは試したことがありますが、クサフグはまだです。それにしても、カモメがフグの身を洗う話は笑えますネ。
今度、クサフグが釣れたらやってみたいと思います。
※フグの身を洗うのは海水よりも真水のほうがよいと訊いておりますが、いかがなものでしょうか?
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ご批判を! (木偶野呂馬)
2007-10-22 01:09:18
山川様 コメントありがとうございます。実はこの記事を載せるに当たってはかなり迷いました。載せた後も削除しようかどうか未だに迷っています。
この時のフグはクサフグだったと思うのですが、港や防波堤で普通に釣れるフグなのでクサフグと思い込んでいて、しっかりとは確認していませんでした。写真(クサフグ)は当日のものではなく別の写真の引用です。 
私にフグの捌き方を教えてくれた方に教えられたとおりにやったのですが、ハッキリしていることは、その方は何十年もフグを捌いていて特にクサフグとかショウサイフグの区別をしてはいないと言うことです。それゆえ私もその辺がいい加減だったことは否めません。
図鑑などではクサフグには筋肉にも毒があると書かれていますので、次回はこの点をもう一度確認しなくてはならないと思っています。
記事を黙ってこっそり削除するのも無責任だし、このままおいて置くのも問題だなので、どなたかの批判的な反応があればと思っていました。改めてご意見を頂きたいと思います。よろしくお願い致します。
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問題ないと思います (山川 洋)
2007-10-22 21:57:00
自己責任においてクサフグを食べることに、何ら問題ないと思います。
逆に、危険なものから盲目的に背を向ける昨今の傾向には幼児的なものを感じてしまいます。
クサフグの身には弱毒があるようですが、大量に摂取しない限りは大丈夫でしょう。
むしろ、フグを扱い慣れているはずの漁師さんが中毒したりするのは、皮や肝などまで味噌汁の具にしたりするからです。
フグに限らず、雑魚や外道と呼ばれている魚たちも大切に食べてやりたいものです。
もっとも、これまでフグを触ったこともない人が耳学問で調理したりするのは厳に慎むべきです。
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確認しなかった責任 (木偶野呂馬)
2007-10-23 02:08:42
 山川様 貴重なご意見をありがとうございます。お説の通り、私も自分の責任で捌いて食べる点については何ら問題ないと思っていますが、それを記事として紹介する場合,正確さを欠いては誤解を招きかねないので、『クサフグ』としっかり同定せずに見込みで書いている点に責任を感じています。
 記事を載せた後で調べたところ,クサフグはコモンフグやナシフグ,マフグの幼魚などとよく似ていて交雑もあるので同定は意外と難しく、一般的に港や防波堤でよく釣れて釣り人を悩ますフグで、あまり大きくならないので食用に供さないと書かれています。私が捌いたのはまさにそのようなフグだったのでクサフグと思い込んだのですが、ショウサイフグとクサフグの違いの一つとして、皮膚のザラザラ感が上げられており、クサフグは皮膚に微細な突起があってザラザラしてつかみ易く、ショウサイは滑らかであると書いてありました。この時のフグは妙にツルツルして頭を切り落とすのに苦労したことを覚えています。もし、これがクサフグでなくショウサイフグだったとしたら、間違った記事を載せたことになりますので、その点に責任を感じている次第です。
 なお、筋肉に弱毒があるのはショウサイフグもクサフグも同様のようです。また、クサフグの味はショウサイフグ,マフグに劣らないとあり、筋肉に限るなら漁師さんなどに捌いてもらって食べることを勧めると言うネット記事もありました。
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